天使なんかと上手くやれるわけがない

らいち

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千年に一人の逸材

かいま見えた芙蓉の過去

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芙蓉の働いていた書店は結構でかく、専門書とかコミックとか別々の階に設けられていて、暇つぶしにはちょうど良さそうだった。

宝くじの話も思い出して隣を覗いてみると、三億当選の張り紙がしてあった。

芙蓉のだ…。

天使の癖に宝くじ当選とは、いけ好かない奴だ。
いや、天使だからか? どっちにしても、腹が立つ。

ああ、そうだよ。俺はどうせ心が狭いよ。

俺は踵を返して、書店へと入って行った。

どうせ暇だ。一番上から見て行こう。

俺はエレベーターに乗って、一番上の階に行く。
適当に見て回り、下の階へ。ざっと見てみると、そこには小難しい本がたくさん並んでいた。医学とか理工…?  俺には何が何だか。
うーんと思いながら見ていると、奥の方から店員のボソボソとした声が聞こえてきた。

「あ~、こういう時にあの人が居てくれてたらなあ」
「しょうが無いだろ。辞めちゃったんだから。ほら、先方にさっさと連絡しろよ」
「大体なあ、芙蓉さんのスキルを俺らに求めてくる方が間違ってるんだって」

ぶつぶつと聞こえてくる愚痴に、ここでも芙蓉の存在感がありありだ。

分かるよその愚痴。あんまり出来る奴が側にいると、平凡な俺らは虚しくなってくるんだよな…。しかも、三億…。出来すぎだろまったく!

俺は堂々巡りに成りかけている思考に嫌気がさしてきて、とりあえず俺に見合った文庫本でも立ち読みしようと、下りのエスカレーターへと向かっていった。
適当に面白そうな本を手に取り没頭する。

腰が痛くなり時計に目をやると、読み始めてから二時間が過ぎていた。
思った以上に面白かったので、シリーズ化されている別の本を手に取って俺はレジへと向かった。

愛想のいい店員さんと、軽く会話を交わして外に出た。
芙蓉もレジにいる時は、営業スマイルくらいはちゃんとしていたのだろうか?

何だか、笑いがこみあげてくる。
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