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第五章
知りたくなかった真実 2
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「……俺の両親は、詐欺紛いの融資に乗せられて多額の借金を背負った。おかげで返済に明け暮れる毎日で疲弊し、交通事故を起こして死んだ。……追い詰められて、君のお父さんたちに殺されたようなものだ」
「高遠さんは、どうしてそれが父だと……、分かったんですか?」
「俺は幼いころに一度、桐子の父親と浜川が家に来て、両親を脅しているところを見ているんだ。おまけにその時、これからは同じ借金仲間がお前らを追い立てに来るから楽しみにしてろと言い放っていた」
「酷い……」
「当時の被害者は、もちろん俺の両親だけではない。他にもこんなような被害者が大勢いたんだ」
こんな恐ろしいことを、お父様がしていたのだ。あれは、あの時のお父様の冷たい「始末しろ」という声は、やっぱり聞き間違いなんかじゃなかった。
高遠さんは、いったいこれまでどんな思いで過ごしてきたのだろう。幼いころに両親を失うだなんて、私ならきっと耐えられないはずだ。
「……高遠さんが、父の会社に入ったのは偶然では無いのですね?」
「――あれだけ悪いことをしていた男だ。この会社を大きくするためには、きっと何らかの不正をしているのではないかと思ったんだ。それに、両親や他の被害者の人たちから搾り取った金で、のうのうと会社を興しているのが気に入らなかったから、せめてどうにかしてこの会社をつぶしてやりたかった」
「高遠さん……」
私の脳裏には、幼い高遠さんが、ただただ復讐をするだけの為に、様々な思いを押し殺して生きてきた姿が浮かんだ。
それはもしかしたらただの幻想かもしれない。だけどきっと、そうなのではないかと思った。四六時中、復讐の事ばかりを考えていたわけでは無いかもしれないけれど、それを糧にして生きて来たのではないのか。
私の瞳から、次から次へと涙がボロボロと溢れてきた。例えどんなに謝っても、父の罪は消えはしない。それでも……。
「ごめんなさい……、すみません。……父の、したことを許してほしいだなんて言えないけれど、すみませんでした……っ。私……私……」
床に額を擦りつけるようにして謝る私に、高遠さんは私の体を起こし上げた。
「……いい。桐子には何の罪もない。悪いのは桜井信弘と浜川修三だ」
「……っ、だけど、桜井信弘は私の父です。……高遠さん……、高遠さんが私に近づいてきたのは、父とのことがあったから? 私に近づくことで、復讐をしたいと思ったから……?」
「――ああ」
ああ……、そうか。やっぱり、そうなんだ……。
涙がボロボロと溢れて来た。高遠さんは私のことを、好きでは無かったんだ。
そうよね。憎い人の娘なんて、本気で好きになれるわけが無い。
「高遠さんは、どうしてそれが父だと……、分かったんですか?」
「俺は幼いころに一度、桐子の父親と浜川が家に来て、両親を脅しているところを見ているんだ。おまけにその時、これからは同じ借金仲間がお前らを追い立てに来るから楽しみにしてろと言い放っていた」
「酷い……」
「当時の被害者は、もちろん俺の両親だけではない。他にもこんなような被害者が大勢いたんだ」
こんな恐ろしいことを、お父様がしていたのだ。あれは、あの時のお父様の冷たい「始末しろ」という声は、やっぱり聞き間違いなんかじゃなかった。
高遠さんは、いったいこれまでどんな思いで過ごしてきたのだろう。幼いころに両親を失うだなんて、私ならきっと耐えられないはずだ。
「……高遠さんが、父の会社に入ったのは偶然では無いのですね?」
「――あれだけ悪いことをしていた男だ。この会社を大きくするためには、きっと何らかの不正をしているのではないかと思ったんだ。それに、両親や他の被害者の人たちから搾り取った金で、のうのうと会社を興しているのが気に入らなかったから、せめてどうにかしてこの会社をつぶしてやりたかった」
「高遠さん……」
私の脳裏には、幼い高遠さんが、ただただ復讐をするだけの為に、様々な思いを押し殺して生きてきた姿が浮かんだ。
それはもしかしたらただの幻想かもしれない。だけどきっと、そうなのではないかと思った。四六時中、復讐の事ばかりを考えていたわけでは無いかもしれないけれど、それを糧にして生きて来たのではないのか。
私の瞳から、次から次へと涙がボロボロと溢れてきた。例えどんなに謝っても、父の罪は消えはしない。それでも……。
「ごめんなさい……、すみません。……父の、したことを許してほしいだなんて言えないけれど、すみませんでした……っ。私……私……」
床に額を擦りつけるようにして謝る私に、高遠さんは私の体を起こし上げた。
「……いい。桐子には何の罪もない。悪いのは桜井信弘と浜川修三だ」
「……っ、だけど、桜井信弘は私の父です。……高遠さん……、高遠さんが私に近づいてきたのは、父とのことがあったから? 私に近づくことで、復讐をしたいと思ったから……?」
「――ああ」
ああ……、そうか。やっぱり、そうなんだ……。
涙がボロボロと溢れて来た。高遠さんは私のことを、好きでは無かったんだ。
そうよね。憎い人の娘なんて、本気で好きになれるわけが無い。
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