モテ男子を独り占めしてみせます!

らいち

文字の大きさ
4 / 21

意識しあうイケメン 2

しおりを挟む
「どうしたんだ、お前。家、こっちじゃないだろ」

余程私がこの時間にここにいることが信じられないみたいで、翔くんは目を真ん丸にして私を見ていた。

「だって! 翔くんと一緒に登校したかったんだもん!」
「……え? なにお前、そのためにわざわざここまで来たわけ?」
「そうだよ。ホメて!」

胸を張ってそう言うと、翔くんは可笑しそうに笑ったけど、一緒にいる女の子たちの顔が険しくなった。

「香子の行動力には参るな」
「えへへー」

「おーい、道の真ん中で立ち止まってんなよ」

突然の後ろからのブーイングに、ハッとして反射的に謝り後ろを向いた。

……向いて唖然。

だって、だってそこにいたのは元木さんだったんだもん。
そんでもって翔くんと同じように、女の子を2人はべらせていた。

「……相変わらずのモテっぷりだな。女の子四人もつれて歩くなんて、すご」
「そうですか? 元木さんこそ毎日違う女の子とデートしてるって聞いてますよ。さすがじゃないですか」

……なんだろう、この状況は。
学校のモテ男子2人が睨み合っている。
……こわ。

だけどこの2人、本当に顔だけはもの凄くいいよね。

そんな思いでしみじみと元木さんを見ていたら、パチッと目が合いニコッと笑われた。私はどう反応していいのか分からなかったので、思わずパチパチと瞬きをしてしまう。

「瑛太~、もういいから、行こ」

甘えるように、一緒に登校していた女の人が元木さんの腕を掴んだ。それに一瞬目を細めた元木さんが「そうだな」と言って「お先に」と学校に向かって歩き出した。

別にタイプというわけでは無いけど、確かに望の言う通り見ているだけならそれはそれで楽しめると言うのは間違いなさそうだ。

「元木さんってさー、確かにかっこいいかもしれないけど、なんだか最近翔のことライバル視し過ぎてると思わない?」
「だよね、だよね! 私もそう思ってた。さっきみたいに突っかかってくることも増えてきてるし。自分よりモテる翔に嫉妬してんじゃないの~?」

ふーん、そうなんだあ……。
上級生が、下級生にそんなことで嫉妬するのか。

なんだか可笑しい。
……考えようによっては、元木さんって可愛い人なのかも。

上級生の大人っぽい人を中心に、3人は元木さんの分析に夢中だ。おかげで翔くんの周りはがら空きになっている。ラッキー♪
もちろん私はソッコーで翔くんの腕を取り、ぴたっとくっついた。

「ちょっとあんた! なにどさくさに紛れて翔にくっ付いてんのよ!」
「キャー、翔くんこわ~い」

綺麗な人が本気で睨むとマジ怖い。
だけど絶対に離れる気は無いから、私はしっかりと翔くんにしがみ付いた。

「いいでしょ? 翔くん」

上目づかいで翔くんに一生懸命訴えると、翔くんは楽しそうに笑ってくれた。

「全然いいよ。さ、急がないと遅刻するぞ」
「そうだよー、遅刻するよ?」
「あんたねー!」

翔くんにしがみ付いたまま忠告してみると、案の定女の子たちは怖い顔で私に文句を言った。

道中小競り合いをしながらなんとか学校に到着。
教室に入ると並木さんを始め、クラスの子が一斉に私たちを取り囲んだ。もちろん私の腕は翔くんに絡んだままだ。その腕を見る女子の眼が怖い。

だけど流石翔くん。このくらいの空気は慣れたもののようで、場の雰囲気を叩き壊すような極上の笑みを作った。

「おはよう、みんな」

キラキラな笑顔で放たれた極甘な『おはよう』は、恐ろしい破壊力があった。それはこの場で不機嫌に眉間にしわを寄せていた女の子たちの顔を一斉に緩めるという魔法のような力だ。

「相変わらずすごいねー。翔くんって」

呆れ口調で言う望に、私はハハッと笑った。

「それにしても初めてじゃない? 翔くんと一緒に登校するのって」
「あ~、まあね」

翔くんと一緒に登校したいから早起きして待ち伏せたなんて言ったら、望には心底呆れられそうなので笑って流した。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。

亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。 しかし皆は知らないのだ ティファが、ロードサファルの王女だとは。 そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。

銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。 しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。 しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……

処理中です...