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らいち

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意識しあうイケメン 4

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「ねえ、翔くん。代わりに私ハンバーグもらいたい」

火花を散らしあう二人をしれっと無視して、翔くんに話しかけた。
だって、そんな元木さんよりも私の方を見て欲しいもん。

突然の緊張感をぶった切るような私の態度に一瞬翔くんが面食らったような表情になり、目をパチパチとさせた。そして苦笑して、「香子ってホントさ……」と意味不明な言葉をつぶやいた。
だけどすぐにハンバーグを切り分けて、私の口の前に持ってきてくれた。

その、この場の空気を無視したような私たちの行動に元木さんの眉が上がる。それとほぼ同時に、女子の悲鳴やブーイングが一斉に上がった。だけど翔くんは楽しそうだ。

「はい、アーンして」
「アーン」

悪のりに付き合ってくれる翔くんを嬉しく思いながら、私はモグモグとハンバーグを味わった。えへへ。

「もう―、翔くんったら~。私もアーンしてほしい―」

奈々ちゃんの一言で、並木さんや他の子たちまでが「私も、私も」と言い出した。

「ちょっと―、そんなんしたら翔くんの食べるハンバーグが無くなっちゃうでしょ―」
「なによ香子ったら! 自分ばっかり!」

ぎやいぎゃいと言い争う私たちに翔くんが笑った。

「香子の言う通りだな。アーンはまた今度ということで」
「え~?」

翔くんの言葉に一斉にみんなが不満の声を上げた。もちろん私もだ。

「ちょっと篠原さん、何であんたまでブーイングなのよ」
「え―、だって翔くんが私以外に『アーン』するのやだもん」
「ちょっと、もうなにー!」

ギャイギャイとまた文句の応酬が始まる。だけど翔くんはこれらのことも総て慣れっこなので、可笑しそうに笑いながらご飯を食べ始めた。

……あれ?
そう言えば元木さんたちがいない。

何気なく視線をずらして他のテーブルを見ると、既に他のみんなとご飯を食べていた。
それは一見和やかな光景に見えたけど、よくよく見るとやっぱり女子同士で火花を散らしあっている。

……なんだかなあ。

元木さんもあの外見だ。きっと翔くんと同じように小さいころからモテまくっていたんだろう。
そう思ったらこんな女好きの人気者を好きになってしまった私たちが滑稽で、同情しあえる存在に思えてくる。
……でも、絶対離脱なんてしないけどね。

翔くんに私一人を好きになってもらうまでは絶対にあきらめたりなんてしないんだからと、改めて誓いながら、私はオムライスを頬張った。
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