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香子は俺のものだ! 2
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そしてお昼休み、約束通り元木さんは私のお昼も適当に見繕って買ってきてくれた。廊下から私を手招きしている。
どうやって撒いて来たのか、女子は1人もついてきていなかった。
「お迎えだね」
望がニヤニヤしながら私を見た。
なんとなーくそれが意味深な表情で、揶揄いを含んでいるのは間違いない。言い訳して否定したいけど、それは見栄っ張りの元木さんの隠したいことに繋がっているのであきらめた。
「……じゃあね、行ってくる」
望にバイバイと手を振って、元木さんの所に歩いて行った。
元木さんは多分焦って焦れていたんだろう。私が近づいてきたのを見ると、『早く』というような表情をして先に歩き出した。
もう、しょーがないなあ。
犬のことになると、まるで子供ね。
元木さんの隣に並ぼうと足を速めようと思ったその時、突然誰かにガッと腕を掴まれた。びっくりして振り返ると、ちょっぴり怒った顔をした翔くんが私の腕を掴んで立っていた。
「……翔くん」
びっくりした。
翔くんからこんな風に腕を掴まれたことなんて一度もないし、もちろん怒った表情とは言え、こんな真剣な顔を見るのも初めてだ。
「香子、お前元木さんと最近よく一緒にいるけどどういうつもりだよ」
……え?
もしかして、もしかしてヤキモチ焼いてくれてるの?
諦めていたうれしい展開に、私の心臓がドキドキし始めた。
「あいつは止めとけ。香子だって知ってるだろ? 元木さんの女好き。いっつも違う子引き連れて、ただ楽しけりゃいいって思ってるような奴だぞ?」
「…………」
真剣な口調で説教する翔くんにポカンとした。
だって、……それって翔くんそのものじゃないの。
可笑しい。
やっぱり翔くんも元木さんも似た者同士だね。うん……。
「大丈夫だよー。元木さん、あれで結構可愛いとこあるし、思ってたよりずっと優しい人だったよ」
「香子……」
困惑顔の翔くんに、私の気持ちもグラグラ揺らぐ。
元木さんと約束してるから、今更「見送ってあげることは出来ない」なんて言えないけど、本音としてはやっぱり翔くんの傍を陣取って、一緒にお昼ご飯を食べたいよ。
「しのちゃん!」
「あ……、はーい」
呼ばれて顔を向けると、本気で切羽詰まった顔をした元木さんが急げと手招きをしている。
「ごめん、翔くん。急ぐから行くね」
「あ、おい香子!」
呼び止めてくれる翔くんがめっちゃうれしいけれど、今は元木さんが優先だ。私は翔くんに大きく後ろ髪をひかれながら、元木さんの元へと走った。
どうやって撒いて来たのか、女子は1人もついてきていなかった。
「お迎えだね」
望がニヤニヤしながら私を見た。
なんとなーくそれが意味深な表情で、揶揄いを含んでいるのは間違いない。言い訳して否定したいけど、それは見栄っ張りの元木さんの隠したいことに繋がっているのであきらめた。
「……じゃあね、行ってくる」
望にバイバイと手を振って、元木さんの所に歩いて行った。
元木さんは多分焦って焦れていたんだろう。私が近づいてきたのを見ると、『早く』というような表情をして先に歩き出した。
もう、しょーがないなあ。
犬のことになると、まるで子供ね。
元木さんの隣に並ぼうと足を速めようと思ったその時、突然誰かにガッと腕を掴まれた。びっくりして振り返ると、ちょっぴり怒った顔をした翔くんが私の腕を掴んで立っていた。
「……翔くん」
びっくりした。
翔くんからこんな風に腕を掴まれたことなんて一度もないし、もちろん怒った表情とは言え、こんな真剣な顔を見るのも初めてだ。
「香子、お前元木さんと最近よく一緒にいるけどどういうつもりだよ」
……え?
もしかして、もしかしてヤキモチ焼いてくれてるの?
諦めていたうれしい展開に、私の心臓がドキドキし始めた。
「あいつは止めとけ。香子だって知ってるだろ? 元木さんの女好き。いっつも違う子引き連れて、ただ楽しけりゃいいって思ってるような奴だぞ?」
「…………」
真剣な口調で説教する翔くんにポカンとした。
だって、……それって翔くんそのものじゃないの。
可笑しい。
やっぱり翔くんも元木さんも似た者同士だね。うん……。
「大丈夫だよー。元木さん、あれで結構可愛いとこあるし、思ってたよりずっと優しい人だったよ」
「香子……」
困惑顔の翔くんに、私の気持ちもグラグラ揺らぐ。
元木さんと約束してるから、今更「見送ってあげることは出来ない」なんて言えないけど、本音としてはやっぱり翔くんの傍を陣取って、一緒にお昼ご飯を食べたいよ。
「しのちゃん!」
「あ……、はーい」
呼ばれて顔を向けると、本気で切羽詰まった顔をした元木さんが急げと手招きをしている。
「ごめん、翔くん。急ぐから行くね」
「あ、おい香子!」
呼び止めてくれる翔くんがめっちゃうれしいけれど、今は元木さんが優先だ。私は翔くんに大きく後ろ髪をひかれながら、元木さんの元へと走った。
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