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兄妹
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話をすると言って来たはずなのに、お兄様はソファーに座る事もない。
「お話とは何でしょうか?」
「結婚の相手を決めた」
もう決まったの?
もしかして、言わなくても進めてくれていたのかもしれない。私みたいな女でも、結婚したいと言ってくる人がいたのかも知れないよね。
「ありがとうございます。相手はどなたですか?」
「俺だ」
「……え?」
聞き間違いって事はないし、冗談だよね。
「お兄様らしくないですね。冗談を言うなんて」
「冗談は好きじゃない」
「では、どうしてこんな事を言いに来るのですか?私の事を嫌っているのは知っていますが、真剣にお願いしているのに酷いと思います」
「相手は俺だ。冗談でも何でもない」
何を言ってるの。
「兄妹で結婚なんて…」
「俺と沙羅は他人だろう。」
「っ!?」
血は繋がっていないし、妹だと思われていないのは解っていたけど『他人』と直接聞かされるのは辛い。
「だからと言って……」
話を続けようとしたけれど、お兄様の瞳を見て声が出なくなった。
いつも私を見る事がないから、視線が合うこともない。その視線の先に自分がいる事に違和感があって、私は顔を反らした。
何故かわからないけれど、目を合わせてはいけないと思った。
怖いからなのか、心臓の音がいつもより早い。
「……」
何故かお兄様が近付いてくるので、私はテーブルの後ろまで下がった。
2人の間にテーブルがあれば、これ以上近寄られる事もない。
「お兄様、こんな不毛な話は終わりにしましょう。結婚の相手が見つからないのであれば、私は出て行きます」
「相手は俺だ。一生、この邸から出ていく必要はない」
私達の間にあった丸テーブルを、軽々と片手で押し退けて、お兄様が近付いてくる。
これ以上後ろに下がっても追い詰められるだけ。お兄様から距離をとって、私はドアへ急いだ。
それをよんでいたかのように、お兄様は私の腕を掴んでグイっと引き寄せ、そのまま抱きしめた。
「離してくださいっ!!」
兄妹だからって、体を密着させるように抱き合うなんてありえない!
しかも、寝巻きだから、いつも着ている服とは違って生地が薄い。
「お兄様…?」
「結婚相手を紹介して欲しい…なんて、人の気持ちも知らずに……」
ボソボソと何か言ってるけど、よく聞こえなかった。
「お話とは何でしょうか?」
「結婚の相手を決めた」
もう決まったの?
もしかして、言わなくても進めてくれていたのかもしれない。私みたいな女でも、結婚したいと言ってくる人がいたのかも知れないよね。
「ありがとうございます。相手はどなたですか?」
「俺だ」
「……え?」
聞き間違いって事はないし、冗談だよね。
「お兄様らしくないですね。冗談を言うなんて」
「冗談は好きじゃない」
「では、どうしてこんな事を言いに来るのですか?私の事を嫌っているのは知っていますが、真剣にお願いしているのに酷いと思います」
「相手は俺だ。冗談でも何でもない」
何を言ってるの。
「兄妹で結婚なんて…」
「俺と沙羅は他人だろう。」
「っ!?」
血は繋がっていないし、妹だと思われていないのは解っていたけど『他人』と直接聞かされるのは辛い。
「だからと言って……」
話を続けようとしたけれど、お兄様の瞳を見て声が出なくなった。
いつも私を見る事がないから、視線が合うこともない。その視線の先に自分がいる事に違和感があって、私は顔を反らした。
何故かわからないけれど、目を合わせてはいけないと思った。
怖いからなのか、心臓の音がいつもより早い。
「……」
何故かお兄様が近付いてくるので、私はテーブルの後ろまで下がった。
2人の間にテーブルがあれば、これ以上近寄られる事もない。
「お兄様、こんな不毛な話は終わりにしましょう。結婚の相手が見つからないのであれば、私は出て行きます」
「相手は俺だ。一生、この邸から出ていく必要はない」
私達の間にあった丸テーブルを、軽々と片手で押し退けて、お兄様が近付いてくる。
これ以上後ろに下がっても追い詰められるだけ。お兄様から距離をとって、私はドアへ急いだ。
それをよんでいたかのように、お兄様は私の腕を掴んでグイっと引き寄せ、そのまま抱きしめた。
「離してくださいっ!!」
兄妹だからって、体を密着させるように抱き合うなんてありえない!
しかも、寝巻きだから、いつも着ている服とは違って生地が薄い。
「お兄様…?」
「結婚相手を紹介して欲しい…なんて、人の気持ちも知らずに……」
ボソボソと何か言ってるけど、よく聞こえなかった。
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