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家を出たい2
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コンコン
「沙羅です。お話があります」
執務室のドアをノックすると、従者がドアを開けてくれた。
「ありがとう。」
従者の笑顔は冷たい。
この家で私を冷たく扱うのは、お兄様だけじゃない。使用人は全員、ある日を境に私を避けるようになった。
理由は解ってる。両親が亡くなったのが、私のせいだから。
結婚記念日に、私は演劇の鑑賞券を贈った。それを観に行った帰りに、両親は事故で死んだ。
誰も責める事は無かったけれど、私の居場所はなくなった。
結婚して幸せになれるか保証はないけど、この家にいるよりましよ。
「お仕事中に申し訳ございません。お兄様にお話があります」
「……」
「私の縁談の話を進めて下さいませんか。私は雨宮の血を継いないので、断る家は多いかもしれません。もしお相手が見つからないようなら、静かな場所で仕事をして暮らしたいのです」
「…仕事?君に何が出来る?」
どうして何も出来ないと決めつけるのかしら。
「雨宮家に来る前は、自分の事は自分でしていました。母が亡くなってからは、お料理もお裁縫も教えて貰ってるので、全く何も出来ない女ではありません」
お兄様にいつ『出ていけ』と言われてもおかしくないと思ったから、料理以外にも出来る事は色々教えて貰った。
「女が1人働いて、生活出来るはずがないだろう」
「『結婚相手が見つからなかった場合はそうする』と申し上げているだけです。お兄様も、結婚をしなければいけませんし、邪魔者は消えます」
「わかった。いくつか当たってみよう」
「ありがとうございます」
良かった。私がこの家にいて出来る事なんて何もないし、早く決まってほしい!!
部屋にかえってから、大切な物をテーブルに並べた。
お母様の形見のネックレス。一緒に作った刺繍の入ったクッション。お義父様に貰ったブローチ。他にも細々としたものが沢山。
今見てみれば、お兄様からのプレゼントは何もないわね。形だけでも妹にプレゼントを渡そうって気持ちすら無かった。……そうとう嫌われてるのかも。
いつも通り、1人で夕飯を食べて、今は夜10時。
コンコン
小さく部屋をノックする音が聞こえる。
こんな時間に人がくるなんて、珍しい。
「だれ?」
「俺だ」
これって、お兄様の声だよね?こんな時間に…というか、私の部屋に来るなんて、今日が初めてだけど。
ドアを開けると、いつも通り冷たい顔たお兄様がいる。
「何でしょうか?」
「話がしたい。内容を聞かれたくない、部屋に入っても構わないか?」
「はい…、どうぞ」
こんな夜遅くに話さないといけないほど、大切な事なのかしら。
「沙羅です。お話があります」
執務室のドアをノックすると、従者がドアを開けてくれた。
「ありがとう。」
従者の笑顔は冷たい。
この家で私を冷たく扱うのは、お兄様だけじゃない。使用人は全員、ある日を境に私を避けるようになった。
理由は解ってる。両親が亡くなったのが、私のせいだから。
結婚記念日に、私は演劇の鑑賞券を贈った。それを観に行った帰りに、両親は事故で死んだ。
誰も責める事は無かったけれど、私の居場所はなくなった。
結婚して幸せになれるか保証はないけど、この家にいるよりましよ。
「お仕事中に申し訳ございません。お兄様にお話があります」
「……」
「私の縁談の話を進めて下さいませんか。私は雨宮の血を継いないので、断る家は多いかもしれません。もしお相手が見つからないようなら、静かな場所で仕事をして暮らしたいのです」
「…仕事?君に何が出来る?」
どうして何も出来ないと決めつけるのかしら。
「雨宮家に来る前は、自分の事は自分でしていました。母が亡くなってからは、お料理もお裁縫も教えて貰ってるので、全く何も出来ない女ではありません」
お兄様にいつ『出ていけ』と言われてもおかしくないと思ったから、料理以外にも出来る事は色々教えて貰った。
「女が1人働いて、生活出来るはずがないだろう」
「『結婚相手が見つからなかった場合はそうする』と申し上げているだけです。お兄様も、結婚をしなければいけませんし、邪魔者は消えます」
「わかった。いくつか当たってみよう」
「ありがとうございます」
良かった。私がこの家にいて出来る事なんて何もないし、早く決まってほしい!!
部屋にかえってから、大切な物をテーブルに並べた。
お母様の形見のネックレス。一緒に作った刺繍の入ったクッション。お義父様に貰ったブローチ。他にも細々としたものが沢山。
今見てみれば、お兄様からのプレゼントは何もないわね。形だけでも妹にプレゼントを渡そうって気持ちすら無かった。……そうとう嫌われてるのかも。
いつも通り、1人で夕飯を食べて、今は夜10時。
コンコン
小さく部屋をノックする音が聞こえる。
こんな時間に人がくるなんて、珍しい。
「だれ?」
「俺だ」
これって、お兄様の声だよね?こんな時間に…というか、私の部屋に来るなんて、今日が初めてだけど。
ドアを開けると、いつも通り冷たい顔たお兄様がいる。
「何でしょうか?」
「話がしたい。内容を聞かれたくない、部屋に入っても構わないか?」
「はい…、どうぞ」
こんな夜遅くに話さないといけないほど、大切な事なのかしら。
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