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家を出たい
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「お早うございます。お兄様」
「……」
朝、邸ですれ違う兄に挨拶をしたけれど、見事に無視された。
返事がない事なんて、解りきっていた事だけど。
3年前、両親が死んでから、兄との会話は必要最低限になってしまった。もともと、好かれてはいなかったから仕方がないけどね。
母は、恵お兄様の父である雨宮家の当主の後添えだった。連れ子であった私にもとてもよくしてくれて、私は両親が大好きだった。
けれど、お兄様は私達を歓迎してはいなかった。
ううん、『私』を歓迎していなかった。両親の前では、優しい兄を演じていたけれど、2人になると話もしてくれなかった。
お兄様はお母様とお話しする事はあまり無かったけれど、いつも目でおっていた。
私がそれに気付いたのは12才の時。母とこの家に来て2年がたった頃だった。
16才お兄様は、お母様を女性として見ていたと子供ながらに思った。
両親が亡くなったのだから、お兄様は『家族円満』『兄妹仲良し』を演じる必要もなくなった。
お母様に『良いお兄様だ』って思われたかっただけだったんだもの。
明日で私は18才になる。
もう結婚をしていてもおかしくない年齢。義父は『好きな人がいれば、その男と結婚できるように手を尽くしてあげよう』って、楽しそうに言ってくれてたっけ。
好きな人なんていなかったから『お義父様のように優しい男性と結婚したい』って言ったら、照れて笑ってた。
お義父様が生きていれば、もう私は結婚をしていたんだろうな…。
よし!考えても仕方がない!
お兄様に縁談の話を進めて貰うように、お願いしにいこう。
私と話すのは嫌でも、家から追い出せるのだから少し位は我慢してくれるでしょ。
雨宮家を継いだお兄様は、現在22才。
縁談は全て断っているって、友人から聞いている。結婚をしないのは、私が邪魔してるからじゃないかとも言われているみたい。
本人と話はしなくても、そういうのは噂でいくらでも流れてくるから、嫌でも耳に入ってくるんだよね。
もっと早く出ていければよかったけれど、女学校を卒業する前に家を出る事は禁止されていたから、従うしかなかったから、仕方がないよね。
「……」
朝、邸ですれ違う兄に挨拶をしたけれど、見事に無視された。
返事がない事なんて、解りきっていた事だけど。
3年前、両親が死んでから、兄との会話は必要最低限になってしまった。もともと、好かれてはいなかったから仕方がないけどね。
母は、恵お兄様の父である雨宮家の当主の後添えだった。連れ子であった私にもとてもよくしてくれて、私は両親が大好きだった。
けれど、お兄様は私達を歓迎してはいなかった。
ううん、『私』を歓迎していなかった。両親の前では、優しい兄を演じていたけれど、2人になると話もしてくれなかった。
お兄様はお母様とお話しする事はあまり無かったけれど、いつも目でおっていた。
私がそれに気付いたのは12才の時。母とこの家に来て2年がたった頃だった。
16才お兄様は、お母様を女性として見ていたと子供ながらに思った。
両親が亡くなったのだから、お兄様は『家族円満』『兄妹仲良し』を演じる必要もなくなった。
お母様に『良いお兄様だ』って思われたかっただけだったんだもの。
明日で私は18才になる。
もう結婚をしていてもおかしくない年齢。義父は『好きな人がいれば、その男と結婚できるように手を尽くしてあげよう』って、楽しそうに言ってくれてたっけ。
好きな人なんていなかったから『お義父様のように優しい男性と結婚したい』って言ったら、照れて笑ってた。
お義父様が生きていれば、もう私は結婚をしていたんだろうな…。
よし!考えても仕方がない!
お兄様に縁談の話を進めて貰うように、お願いしにいこう。
私と話すのは嫌でも、家から追い出せるのだから少し位は我慢してくれるでしょ。
雨宮家を継いだお兄様は、現在22才。
縁談は全て断っているって、友人から聞いている。結婚をしないのは、私が邪魔してるからじゃないかとも言われているみたい。
本人と話はしなくても、そういうのは噂でいくらでも流れてくるから、嫌でも耳に入ってくるんだよね。
もっと早く出ていければよかったけれど、女学校を卒業する前に家を出る事は禁止されていたから、従うしかなかったから、仕方がないよね。
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