のあと星の箱庭🐭チューチュールート

くりくま

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9話

のあと星の箱庭🐭チューチュールート最終話

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デートの当日は寮の玄関にいてくれ、と言われたので言われた時間より少し早めに寮の玄関に向かう。リオくんにデートに誘われるところはみんなに見られていたから、昨日の学校の帰り際は凄かったなあ...。
ひとみちゃんに明日は頑張ってね!と手を握って激励され、玖楽々ちゃんには月曜日に詳細聞かせてね!とワクワクした顔で見送られ、メイラちゃんにはロマンチックなお話しを心待ちにしておりますわ!とキラキラした目で言われた。私以上にみんな楽しみにしているみたいだったなあ...。とはいえ、私はドキドキしてそれどころじゃ無かったんだよなあ...だって告白されるってわかってるんだよ?!あああ今日一日持つかなあ?!

と色々考えながら歩いていると玄関に着いてしまった。ふう、とりあえず落ち着こう。と一息つくとバリバリバリバリと聞き慣れない大きな音が耳に入った。何の音?!と驚く間もなく目の前にヘリコプターが降りてきて、中からリオくんが出てきた。いつもの学生服じゃなくて、おめかしをしたスーツ姿だった。ただでさえ現実離れした王子様の見た目なのに、スーツを着ていると更に大人の男性に見えて見惚れてしまった。

「リオくん?!どうしたのこのヘリコプター?!」
「今日のためにチャーターした!さあ俺と空のデートに行こうプリンセス!」


風に揺られてキラキラ輝く金色の髪。ワクワクと煌めく蒼色の瞳。思わず目を奪われるほどキラキラした素敵な男性に手を差し出されて、その手を取ってヘリコプターに乗り込む。かぼちゃの馬車では無いけれど、本当にプリンセスになった気分...!

ヘリコプターに乗って、上空から学園を見下ろすととっても広いなあ...と改めて思った。ヘリコプターでリオくんと隣同士で座っていると、服を見比べて少し気後れしてしまった。
私としてはせっかくの学園外デートだから!とひとみちゃんたちと一緒に選んだとっておきの服だけど、リオくんのドレスコードに比べたら子どもっぽくて場違いかも...と思ってしまった。

「私の服...場違いかな...?」
「そんなことはない!その服、今日の為に用意してくれた新しい服だろ?楽しみにしていてくれて嬉しい!似合っていて素敵だが、今日は【のあ】に着てほしい服があるんだ!」
「着てほしい服?」
「ああ!まず着替えに行こう!」

ヘリコプターが降り立ったのは何十階もあるガラス張りの高級そうなビルの屋上だった。リオくんに手を引かれるまま着いていくと、真っ白でキラキラして高そうなお店に連れて来られた。ドレスサロン、と書いてある。学生が来て良い店なの?!ここ?!お小遣い足りるかな?!

「リオくん...あの、今日こんな場所に来るって思って無かったから、その...お金そんなに持ってきてなくて...」
「気にしなくていい!今日は全て俺が払う!」
「えええ?!気にするよ!駄目だって!」
「実は父さんのツテでASIPから仕事を請け負っていたから金はあってな!このビルを数十棟余裕で買えるくらいの金はある!存分に奢られてくれ!」
「ふふ、存分に奢られろ...ってはじめて言われた...」
リオくんは全く私に払わせる気が無さそうなので、折れることにした。そもそもヘリコプター代だけで払える気がしないけど...。

「お言葉に甘えて、有り難く奢られます...」
「【のあ】に喜んで貰えたら俺はそれだけで嬉しい!」
満面の笑顔で言われて、こんな大人っぽいことをしているのに子どもみたいだなあと微笑ましくなってしまった。

「お待ちしておりました、藤瀬様」
何人もの綺麗なお姉さんたちに深くお辞儀をされて案内されるまま奥の部屋に行くと、数えきれない量の煌びやかなドレスがかかった広い部屋に辿り着いた。
着せ替え人形の世界くらいでしか見たことが無い夢のような場所だった。驚いて固まっていると「どうぞお掛けください」と後ろのソファに腰掛けるように言われた。うわあ、立派なソファー...ふっかふかだあ...。

「ウェルカムドリンクとウェルカムスイーツはいかがなさいましょう?」と高そうな長い名前が並んだメニューを渡された。
お洒落すぎてどれを選んだら良いかわからないでいると、「これは苺ベースのノンアルコールカクテルだな、次のこれは【のあ】が好きそうだぞ」と横でリオくんが一つ一つ教えてくれたので何とかメニューを選んだ。
注文一つで...ひやひやしちゃう!店に入ってからずっと驚いて緊張している私に比べて、リオくんは慣れた様子で、定員さんと話すときも全く緊張していなさそうだなあ...。いつもより大人っぽく見えた。こういう店、よく行くのかなあ...。

「当店のシステムをご案内させていただきます。基本的にはまずベースのドレスをご選択いただき、その後アクセサリーやお履物、お鞄の選択に入らせていただきます。選択肢は増えますが、全て同時にご選択いただくことも可能です。試着は何着でも可能です。いかがいたしましょう?」
「【のあ】はその日の服を決める時、何から決める?」
「うーん...迷うけどスカートかなあ?」
「じゃあドレスから選ぶか!これなんかどうだ?【のあ】の可愛らしいイメージにピッタリだ!」
何百着ものドレスから好きなドレスを選ぶ、なんて着せ替え人形の女の子になった気分!どれから選んだら迷っちゃうなあ...。

最初は緊張してたけど、慣れてくるとどんどん楽しくなってきた。カラフルなドレスを次々に着替えてリオくんに見せるとこれでもかと言うほど褒めてくれるので良い気になっちゃう。素敵なドレスに包まれると、私も思ったより可愛いかも?なんて思えちゃうから服って不思議だ。
しかも贅沢な遊びに疲れたと座れば、長い名前のおしゃれで美味しいドリンクとスイーツがいくらでも出てくるから、本当に夢の国かもって思っちゃう!

何時間もドレス選びに費やした結果、いつものカチューシャと同じ赤いドレスにすることにした。ドレスに合わせた白いパンプスも赤い宝石がついたものにした。
イヤリングも赤いものにしようかな、と思っていたらリオくんがこれが良いと渡してきたのは、彼の瞳と同じターコイズブルーの宝石がついたものだった。イヤリングとリオくんの瞳が両方キラキラ輝き合って、全てが輝いて見えてとても素敵だった。

「今日だけは、君に俺の色をどこかにつけていて欲しい。」

照れくさいような、格好をつけたような台詞を言われても全く違和感が無く様になっているなあ...。そのままイヤリングを両耳につけてくれた。
ドラマのワンシーンのようで、自分に起こったこととは思えずにぼーっと惚けてしまう。
「ドレスコードが完了したな!次はディナーを予約してある!」
ドレスを選ぶのに夢中になっていたらいつの間にかそんなに時間が経っちゃってたんだ!

その後は、エレベーターに乗って高い階に移動した。これどこまで昂るの?!ってくらい高い高層階で夜景が煌めく素敵なレストランに着いた。ドラマの、プロポーズシーンとかで見たような光景...。ふと、ドレス選びで忘れてたのに今日告白されることを思い出してまた心臓がバクバクしてきちゃった!おかげで、せっかくの豪華な名前が長いディナーはほとんど味がわからなかった。口に入れた瞬間にとろけてしまって、きっと高いんだろうなあと思った。

ディナーのデザートまで食べ終わると、リオ君が「少し風にあたらないか?」と、レストランの横にある空中庭園のテラス席にエスコートしてくれた。

手を引かれながら、空中に吊るされたライトの光が暖かく照らすテラス席に移動した。
テラス席はふかふかのソファの周りに深い赤色や青色の大人びたお花が飾られていて、光がゆらゆら揺れていて幻想的な空間だった。エスコートされて、ソファに座ると目の前には噴水が周りのライトの光を水面に映してキラキラと煌めいていた。

「今日ずっとびっくりするような場所ばっかりだなあ...現実じゃないみたい...」
「気に入らなかったか?」
「ううん!そんなことない!とっても楽しかった!ただ、私にはまだ早いところばかりで緊張しちゃって...」
本当のドキドキの原因は他にあるんだけど...。

「そうか、メイラの本で勉強してロマンティックなプランを考えたつもりだったんだが、違ったのか...」
私は一日ずっと驚いて、緊張していた。でも、こんな素敵な大人の空間が似合って、ドレスコードも違和感無く着こなしているおとぎ話の王子様が、私の一言でしょんぼりしている様子を見て何だか安心してしまった。

「ふふふ!今日、ずっと大人の男性に見えていたからいつものリオくんが見れて安心しちゃった!」
「いつもの俺?それだと、ロマンティックじゃないだろ...」
「私は今日、ロマンティックな体験がしたいからデートに来たんじゃ無くて、リオくんと過ごしたかったから来たんだよ」

「... 【のあ】はどんな格好悪い俺でもいいと言ってくれるんだな、最初もそうだった。あんな会話も碌に出来ない人間によく話しかけてくれた。ひとみの反応が正常だった。」
「そんな出来た理由じゃないよ!ただねずぬいさんたちを追いかけるのが、その、自分がアリスになったみたいでワクワクしてたの」
「アリス?絵本のアリスか?」

「うん...不思議な学園に来て、不思議な生き物見つけてワクワクしてたの...うう、改めて言うとなんか恥ずかしい!」
「いいじゃないか!偏見無く何でも飛び込んでいけるところが【のあ】のいいところだ!」
お話ししていたらすっかり緊張が解けてきちゃった。とても素敵な場所で、煌びやかな服を着ておめかししているのに、子どもな私たちにはまだ、ただただ2人でお話しする方が合っているみたい。

ひとしきり楽しくお話しをした後、リオくんが黙って、少し時間を置いて、
「【のあ】、聞いて欲しいことがある」
と切り出されてひとみちゃんたちの会話を思い出した。そうだ、今日は...

「君が居なければ、俺は今もあのテントの中だった。【のあ】が素晴らしい世界を教えてくれた。」
そっと手を取られる。

「【のあ】が居ない人生は考えられない、俺は【のあ】の隣で君を守り続けると誓おう」
と薬指にキスをされて、指輪を嵌めてくれた。

「【のあ】、俺の恋人になって欲しい」
幻想的な光が煌めく中、リオくんの金色の髪がいつも以上に美しく輝いて、最初に会った時は考えられないようなほど優しい笑顔で微笑まれて、なんて美しい景色なんだろう、とうっとりしてしまった。


「...は、はい!よろしくお願いします!」
手を握り返して、幸せを噛み締めた。

★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎

不思議な学園で迷い込んだ、無骨なテント。
テントの中に居たのは、ねずみの国のマフィアな王子様。王子様はヘンテコで、私は不思議の国でいっぱいいっぱい大混乱!

大混乱を乗り越えて、私が出会ったのは
運命の王子様でした。

★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎ ★⭐︎

身内乙女ゲーム企画「のあと星の箱庭」
チューチュールートトゥルーEND

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