誰とでも寝る黒ギャルビッチな彼女が僕の『彼女』になるまで

あむあむ

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第三話

雨の日は官能的ではない1

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 雨が好きだ。
 水滴と風が奏でるメロディーは夢の中へと心地よく誘ってくれる。
 窓際でぼーっとしながら外を眺め、のんびりとした時間が過ぎていった。
 そして、気が付けば授業は終わり、教室内は人の声で溢れ出す。
 俺はふと、彼女の席に視線を向けた。

 誰も座っていない椅子、綺麗に片付けられた机。
 一緒に買い物に行ってから3日間、茜さんは学校を休んでいる。
 特段珍しい事ではない。彼女が学校を休むのはよくあることだった。
 その内ひょこっと姿を現し、この間のような関係に戻れるはずだ。

「……はぁ」

 と、心の中で思ってはみるものの。
 嫌な予感は絶えず心を蝕み続ける。
 孤独を感じてしまっていた。
 周りで仲良さそうに話す男子、女子。
 その中に混ざりたい訳じゃない。

「茜さん……」

 彼女と話がしたい。
 最早、誤魔化しが効かない程、願ってしまっている。

『おにぃがどうしたいか、だよ』

 林檎の言葉が何度も頭を往復していた。
 俺が、彼女とどうなりたいか。
 恋人になりたい? 違う、そうじゃない。
 きっかけはどうであれ、俺は茜さんの事を「素敵な女性だ」と知ってしまった。

「茜がいないと、オカズが少なくて困るよなー」
「アイツ、マジでエロいからちゃんと毎日学校に来て欲しいわ」
「関わりたくはないけどな」

 何となく聞いていた男子達の会話に苛立ちを覚える。
 けど、怒りを露わにし強く否定する程、彼女の事を知っているわけではない。
 男らしくないって言われるかもしれないけど、事実だ。

 それに、俺だって男。彼女のエロさはよく理解している。
 でも、だからこそ、茜さんの事は茜さんとして知りたかった。

「……だぁー……もう」

 好きな雨音さえも、苛立ちを増長させる要素になってしまっている。
 このままじゃ駄目だ、スマホを開き茜さんに連絡した。

『体調、大丈夫か?』

 勇気を振り絞って送った一文。
 だけども三限から放課後に至るまで、既読すらつかない。
 いつもなら、5秒で返事が返って来るのに。
 やっぱりあの日から何かがおかしい。
 あの時見せた表情が、記憶に焼き付いている。

 急がなければ。
 確証のない焦燥感に襲われた。

 俺が、どうしたいか。
 今、ハッキリと、堂々と答えれるのはこの言葉だろう。

「茜さんと友達になりたい」

 ならば、やるべき事は一つ。
 友達になる為に最初にやること、それは──

「なぁお前ら」
「楠の方から話しかけて来るなんて珍しいな。どうした?」
「……茜さんの家、どこにあるか知らないか?」
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