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第1話
2代目怪盗無事デビューなるか?
しおりを挟む「なあ…マジで言ってんの?」
「ああ、本気だ。」
「いや、ほんとさありえないだろ。」
本当にありえない。
「なんで静華と同じ部屋なんだよ!!!!」
何故か俺と静華は同じ部屋ということになってしまった。
「部屋がないんだ仕方ないだろ?それとも俺と寝るか?」
「は?冗談じゃない、父さんはリビングで寝ろよ。」
「え、ひどい……」
父さんは明らかに凹んでる。それよりも問題は……
「静華はいいのか?」
「……何が?」
「いや、俺が同じ部屋ってこと。」
「……別に。部屋がないのは仕方ないし、従兄弟なんだから気にする必要は無い。」
あ、そういう考え方か。
「お前がいいならいいんだけどさ。」
昨日は静華が俺のベッドで寝て俺は1人でリビングで寝た、おじさんは父さんの部屋で寝たっぽい。さすがに女子をリビングに寝かせるわけには行かないからな。
「さて、それじゃぁ、始めるぞ慧人。」
「はいはい。」
これから2人の引越しの荷物を運ぶ。
俺の部屋にはベッドをふたつ置く広さはないから二段ベッドを買うことになった。
まずは1段目を父さんと運ぶ。
「慧人くん、大丈夫?僕が代わろうか?」
おじさんが心配そうに言う。多分、俺じゃ運べないと思ったんだろう。
「大丈夫!俺力持ちだから。」
「そうそう、片手でも行けるよな。」
父さんがふざけて片手で持って揺らす。
「できるけどさ、急ぎたいからふざけんなよ。」
俺は父さんとそくさくと荷物を運んでいく。
おじさんと静華は2人とも自分のパソコンを持っていた。
不思議な親子だなぁ。
約1時間ほどで片付けは終わった。
2人は元々荷物が少ないから早めに終わった。
さて、問題は……
「誰が上で寝るんだ?」
たったそれだけか?と思った人も多いだろう。
何を言う。
二段ベットの場合の大事な問題だ。
「……どっちでもいい。」
「なら俺上がいい!」
二段ベットの上ってすごく憧れてたんだよな!
そしてそのあと数時間だったんだが……
俺はベッドの上でだらけてて、静華はと言うと、ずっとパソコンに向かっている。タイピングっていうのか?打つ速さが見えないくらいに早い。
俺的にパソコン打つの早い奴は頭がいいってイメージあるんだよなぁ。
「なぁなぁ。」
俺は二段ベッドで頭を打たないように起き上がり、飛び降りて音を立てずに着地した。
「……猫みたいね。」
「それは褒めてるのか?貶してるのか?」
「……さぁ。」
人を動物扱いするなよ。
「なぁ、パソコンって楽しいのか?」
何時間もパソコンいじってるから楽しいのかなと思って聞きたくなったんだよな。
「……楽しいというか、パソコンはただの道具だし、使い方によってはとても便利になるよ。」
うーん便利かぁ。よくわかんないなぁ。
「パソコンってゲーム出来んの?」
「……ソフト入れれば。私入れてない。」
「そっかあ。いつもどんなことしてんの?」
なんか質問攻めしてしまってる気がする。
まぁ、一緒に住むんだしいいよな。
「……調べ物とか、大学や外国の教授と話したり、読書とかもよくする。」
「大学の人とか外国の人と話せんの?すげえな!」
「……」
静華がパソコンから視線を上げて少し驚いた目で俺の方を見た。
なんか俺変な事言ったか?すごいって思ったから言っただけなんだけど……
「俺、なんか変な事言った?」
「……いや、特に……」
それだけ言うとすぐにパソコンに目を落としていた。
一体なんなんだ。
ー数時間後ー
「おーい、慧人。静華ちゃん。夕飯だ!」
父さんがリビングから大きな声で呼ぶ。
「はーい!今行く!」
「……」
俺と静華は部屋を出てリビングに向かう。
父さんの作った飯すごく美味いんだよなぁ。さすが料理人って感じだ。
リビングに行くと、父さんとおじさんが隣り合わせに座ってたから、俺と静華が父さんたちの向かいで隣り合わせに座った。
『いただきます。』
今日は程よい甘さの卵焼きに、父さん特製ローストビーフ、塩気の効いた味噌汁に、ポテトサラダと和食と洋食が組み合わさっていた。
「ん~。やっぱり父さんの作る飯は美味いな!!」
「今日は引越し祝いでケーキもあるぞ。」
「まじ!!やったあ!」
父さんの作るスィーツは俺の大好物だ。
「静華はコーヒーと紅茶どっち飲む?父さんの作るカイザーメランジュすごく美味いぞ。あ、紅茶ならダージリンとか、もちろんブラックコーヒーも美味い。うちは豆から引いて作るから。父さんが。」
俺、結構コーヒーとか紅茶好きなんだよな。別に特に紅茶についての歴史とかを知ってる訳では無いけど。美味いし。
「慧人君はよく知ってるんだね。」
「美味しいからね!」
「……ブラック。」
静華が静かに答えた。
「分かった!父さん!今日は俺もコーヒー入れるの手伝うよ!」
「……入れれるの?」
静華に怪訝そうな目で見られた。
失礼だな。
「父さんがよく留守にする時は自分で入れてたよ。父さんほどまでとは言わないけど入れられる。せっかくの引越し祝いだから手伝いたいんだよ。」
そうこう話しているうちに食べ終わり、父さんと静華はブラックコーヒー、おじさんはアインシュペナー、俺はカイザーメランジュをお供に父さんの作った、チーズケーキ、フォンダンショコラ、ショートケーキのケーキセットを美味しく食べた。
「そういや、仕事ってまだなのか?」
父さんの洗った食器を布巾で拭きながら父さんに聞く。
まぁ、継いでからまだ2日目だけど、仕事は気になる。
「まぁ待て、暫くは2人のチームワークを深めてもらうために2人仲良くなってくれ。」
「なれるかなぁ……」
ちょっと不安だけど、チームワークのためにはそれなりに仲良くないとダメだもんな。頑張ろう。
俺は食器洗いが終わって風呂に入って、部屋に戻った。
部屋にはもう風呂に入ったあとの静華がパソコンを弄ってた。
仲良く……仲良く……
そう言えば本が好きって言ってたな。多分マンガではないよな……うーん……
「なぁ、お前さ、どんな本が好きなんだ?」
俺は隣にある自分の机に座って、聞いてみた。
「……日本の人でいえば、太宰治とかが好き。あとはシャーロック・ホームズも好きかな。」
「へぇ、俺の友達と趣味似てるんだな。」
あいつと仲良くなれるんじゃね?
「……今日は質問が多いね。どうかしたの?」
こちらを見ずにパソコンを向きながら俺に聞いてくる。
「んー。どうって言うか、パートナーになるわけだし一緒に暮らすわけだから、お互いのことを知って、仲良くなりたいじゃん?」
「……そういうものなんだ。」
そそ、そういうもんだよ。
「慧人~来い!」
父さんだ。なんだろ。
「ああ、今行く。」
俺は1人で部屋を出た。
呼ばれたのは父さんとおじさんの部屋だった。
「なんだ?」
父さん愛用の丸いちゃぶ台に父さんとおじさんが座ってて、俺は勧められて二人の向かい側に座った。
「静司から、お前に話と頼みがあるらしい。」
「へぇ、何?できることならやるよ!」
俺はおじさんに力強く言う。
「ありがとう。実は、静華はね、幼稚園生の頃に高校上級の数学式をパズル替わりに解いてるくらい頭がよかったんだ。」
「幼稚園で数学式!?」
今の俺でも絶対にできる気がしない。
「幼稚園生の頃にはIQが200くらいあったんだ。」
「それってどれくらい凄いの?」
「普通の人は100前後だよ。」
それって……
「普通の人と2倍ってこと!?すげえじゃん!」
凄いなぁ、憧れる。
「あはは。みんなが慧人君みたいに考えてくれたらいいんだけどね。周りからは不気味がられて……いじめられていた。」
え、いじめって……
「なんで頭いいだけで虐められなくちゃいけないんだよ!!!凄いことじゃん!」
俺は思い切りちゃぶ台を叩いた。
「君みたいなのが近くにいたら良かったんだけどね。それもあってあの事件があったから。」
あの事件。それは俺の母さんと静華の母さんが旅行先で事故で死んだ時のこと。
俺も静華も6歳くらいで、俺は父さんにしがみついて大泣きしてた。
その時静華は泣いてなかったし、表情が全く変わらない無表情のままだった。
あの時からあんまり話さなくなったんだよな。
「その時、僕は部屋にこもってしまって、静華はからに閉じこもるようになってしまっていた。」
だからあんなに無表情なのか…
「慧人君には、静華のからを壊してあげて欲しいんだ。」
俺にそんなことできるかは分からない。でも……
そこまで言われたらやるしかないだろ!
「俺に任せてよ!できるかはわからないけど、俺、頑張るからさ!」
「ありがとう。助かるよ。」
おじさんはとても嬉しそうだった。
「じゃあ!」
俺は部屋に戻った。もう夜の10時。そろそろ寝……
プルルルル
家の固定電話が鳴った。
こんな時間に誰だろ。
俺は部屋から出て電話に出た。
「もしもし?」
『あ、慧人?』
「あぁ、ケンか?」
田中ケン。小学生からの幼なじみだ。
「何の用だ?こんな時間に。」
『いや、明日、ひとみと一緒に、美術館に行かないかって。』
「ひとみと?」
夢原ひとみ。ひとみもケンと同じく幼なじみ。よく三人で行動してた。
「いや、お前が美術館とか……ククッ」
『ひとみが行きたい行きたいってメールうるさいんだよ。でも男女二人きりとか嫌だろ?』
「まぁ、そうだな……あ、そうだ、俺の従兄弟がさ、昨日からうちに越してきてんだけどさ、誘っていいか?同じ中学行くわけだし、ひとみも女子一人よりはいいだろ。」
『え、お前従兄弟とかいたのか。全然いいぞ、ひとみには俺から言っとく。』
あれ、言ってなかったっけ。まあいいや。
「こっちもOKされるかはわかんないけど、よろしく!」
『あぁ、じゃあ明日、篠山公園に8時に集合な!電車乗るから金忘れんなよ?』
「電車に乗らなくても美術館にはいるのに金いるだろ。」
俺は電話を切って部屋に行った。
「なぁ、静華。」
「……何?」
静華はパソコンに目を向けたまま声だけで答えた。
「明日、俺の友達と美術館行くんだけど、どう?篠山町立美術館なんだけど。」
断られちゃうかな。どう見てもインドア派って感じだし。
「……いいよ、行く。」
予想外の返事が返ってきた。
「まじ!?じゃあ、篠山公園に8時に集合だから6時半くらいには起きて準備しよう、電車乗るけど大丈夫?」
「……大丈夫。」
よっしゃ、これで少しは仲良くなれたらいいな。
「じゃあ俺父さんたちに知らせとくな!」
その後、父さんたちに話して、目覚ましをセットしてから眠りについた。
静華は俺が寝る時はまだパソコンいじってたから、いつ寝たのかは分からない。
ー翌朝ー
「ふあぁぁ。」
俺は頭を打たないように起き上がって、少し体を伸ばしてから音を立てずに飛び降りた。
静華はまだスースーと寝息を立てて寝ている。
てっきり俺よりも早く起きるような真面目な人かと思ってたけどこういうとこ見ると、親近感湧くな。
「おーい、朝だよ、起きろ。」
「ん……」
静華はすごく眠そうな顔で起き上がる。
「もしかして……お前朝弱い?」
「……悪い?」
眠そうに答える。
「いや、俺てっきり、静華って真面目で近寄り難いと思ってたから、親近感湧いてちょっと嬉しいなって!」
静華は少し驚いてたみたいだけど、俺はそんなことは気にせずに静華を連れてリビングに行った。
朝ごはんは定番の程よい甘さの卵焼きに、ウインナー、それからトマトサラダに味噌汁だ。うちでは好きなものを食べた方が元気になるってことで朝はパンとご飯どっちも用意されてる。
「今日はパンの気分だからパンにしよっと。静華は?パン?ご飯?」
「……パンで。」
俺は俺の分と静華の分のパンを取って二人分のブラックコーヒーを入れた。
「……覚えてたんだ。」
「いや、さすがに昨日のことだぞ?」
と、まぁ、ほとんど話さずに朝ごはんを終え、着替えたり荷物をまとめたりと準備を進めていた。
「あ、慧人君、静華、今日は篠山町立美術館に行くんだよね。」
「うんそうだよ!」
出かける直前におじさんに声をかけられた。
「じゃあ、この宝石が展示されてると思うから見といてくれるかな、次の仕事だから下見にと思ってさ。」
と、写真と宝石についての詳細の書かれた紙を渡された。
「分かった!俺が持ってたらなくしたりクシャクシャにしたりしちゃいそうだから静華持っててよ。」
1時間くらい経ったからか、静華はもういつもの無表情に戻ってた。
「分かった。」
静華は丁寧に折りたたんで肩下げに入れた。
美術館に行くんだからと俺たちは荷物は小さめの肩下げにしてる。財布が入るくらいだ。
静華はスマホ持ってるから持ってくみたいだけど。
俺は持ってなくて、今度買ってもらうことになったんだ。
中学生になるんだし必要だろうっていう父さんの考えと、パートナーになるなら連絡が着いた方がいいって言う静華の考えで今週中には買ってもらえる。
「じゃあ、行ってきます!」
俺は静華と2人で篠山公園に向かった。
ー篠山公園ー
「わりぃ!遅れた!」
事実上は2分前に着いたのだが、2人はとっくの昔に来ていたようだった。
「よぉ!慧人、そこにいるのが従兄弟?」
ケンが元気そうに話しかけてくる
「そうだ、従兄弟の静華。」
静華は無言で少しお辞儀をした。
「おい、美人じゃねえか、ひとつ屋根の下とか羨ましいなぁおい。」
ケンに、肩を組まれて言われた。
「いや、たしかに可愛いと思うけど、従兄弟だし、羨ましいってなんだよ。」
「お前ほんとそういうのに疎いよなぁ。」
意味がわからない。
「こんにちは。私はひとみ、よろしくね。」
ひとみが静華に挨拶をしていた。
「……よろしく。」
相変わらず無愛想だなぁ。少しくらい笑えば絶対もっと可愛いのに。
「さぁ、早く行かないと電車遅れるぞ。」
俺はそう言って駅に向かって歩いていった。
30分くらい電車に乗って、篠山町立美術館に着いた。
「美術館なんて遠足とか修学旅行以来だなぁ。」
本当に久しぶりに来た。正直あんまり興味ないから。
「静華は美術館とか好きなのか?」
着いてきてくれるくらいだし、興味はあるんだろうな。
「……美術品は結構すき。ゴッホとか。レンブランドとかも。」
うーん。よくわかんないけど興味あるなら良かったや。
「嫌々来たわけじゃなくてよかったよ。」
そんな会話をしながらみんなで順路に向かって見ていった。
「色んな作品あって楽しかったぁ、3人ともありがとうね!」
「いや、別に、それなりに楽しかったぜ。」
これで解散だな。
「あ、俺と静華はもう少し見ていくから2人は先に帰っててくれよ。」
「そうか?分かった、また学校でな。」
「またねぇ、慧人、静華ちゃん。」
「ああ、また学校で。」
2人が帰ったのを見て、俺と静華はおじさんに言われた宝石の下見に行った。
「……宝石の名前は漆黒の星(ブラックスター)2年ほど前に盗まれた宝石を加工されたものとお父さんは予想してるみたい。」
無表情でスラスラと説明してくれる。本当に助かるなぁ。
「結構はいつにするんだ?」
「……明後日の深夜。」
「りょーかい。」
俺たちは下見を終えて電車の中である程度の説明を受けて帰った。
基本的俺が実践担当、静華がナビ担当となってる。俺は勉強は全く出来ないから。静華は人並みには運動できるらしいから2人でやらないといけない時には行動してもらうけど、今回は俺一人でやることになった。
そのあとの2日間は各自準備をした。と言っても俺はいつもの訓練を少し多くやっただけだけど。
ー決行当日ー
「慧人着替えたか?」
「おう、今行く。」
俺は部屋でブラックのコスチュームに着替えていた。
コスチュームはとてもシンプルで全体的に黒と灰色、赤でできてる。赤は手首のリストバンド、あとは服のワンポイントになってる。
上の服にはフードが着いていて、黒色のスカーフも付けた。顔が見られたらいけないからな。
あとは静華とおじさんが作った、ビデオカメラ付きのシステムゴーグル。マップや、情報なども見れるようになってる上に暗視スコープ付きらしい。
下は短パンに丈夫なストッキング的なのを履いてる。
女の子みたいでやだとは行ったのだが、怪我をしないためらしい。
あとは少し不思議な形の手袋とか……って服の話はもういいな。早くみんなのとこに行こう。
「着替えたぞ。」
「似合ってるぞ、慧人。」
「兄さんと違って細いからね。」
父さんは昔からごつかったらしく、俺とは全く違う服だったらしい。
「静華も似合ってるな。」
静華も、自分が動かないといけなくなった時のために俺と似た服を着てる。その上に白衣を羽織ってるけど。
俺との通信のために、マイク付きのヘッドホンを首にかけてる。
もちろんパソコンは常備。
「さぁ、怪盗ブラックとしてのデビュー戦。張り切ってこいよ!」
「怪我とかはしないようにね。」
父さんとおじさんに言われる。
「ああ!頑張ってくるよ!」
「……うん。」
上から普通の服を着て目的地まで行く。
目的地は一昨日に行った篠山町立美術館。
篠山町立美術館まで走って向かう。
『……準備はいい?』
「もちろん。」
耳に付けてるインカムから静華の声が聞こえる。
静華は少し離れたビルの屋上でナビをする。
俺は美術館の近くの木に登り待機。
『……失敗したら終わりだよ。』
「分かってるって。」
そう。失敗して捕まれば、俺も静華も父さんたちも終わりになる。気を引き締めないと。
『……5…4…3…2…1……GO』
静華の合図とともに俺は木から音を立てずに飛び降り、門の近くの物陰に行く。
警備員は2人。俺は催眠薬入のゴム玉を指弾で打つ。
ゴム玉は警備員額にあたりパンッと割れて、警備員は眠る。
「ごめんな、少し眠っててくれよ。」
俺は一言いい警備員からカードキーを取る。
門を飛び越えて裏口の前に立つ。
『周りに気配は?』
俺は周りの気配を探る。
「ない。」
『じゃあ、カードキーで中に入って。そのあとはダッシュで宝石のあるところに直行して。』
「了解。」
俺は言われた通りにカードキーでドアを開ける。
もう一度中に人がいないことを確認して、俺は中に入りゴーグルに映るマップを見ながら猛ダッシュでブラックスターに向かう。
「中には警備員はいないのか?」
全く人の気配がしない。
『おそらく、ブラックスターについてバレてると思ってないのでしょうね。ここのオーナーはセキュリティに自信があるみたい。ほら。』
静華の話で前を向くとレーザーがたくさん仕掛けられていた。
『少しでも当たったら警報がなり、前後のシャッターが閉まり閉じ込められる。避けていける?』
「余裕。」
俺は急いで、かつ、慎重にレーザーの間をくぐりぬける。
これくらいなら父さんがよく森で縄を付けて、縄に少しでも当たったら端についてる鈴がなるようにして、練習してた。
俺は余裕で突破してブラックスターの前に立つ。
『ケースを無理やり開けても警報がなり、閉じ込められる。だからさっき渡した機械で動かさないように穴を開けて。』
「了解。」
美術館のケースに穴を開けるのは少し気が引けるがそんなことは言っていられない。
俺は慎重に機械で穴を開けた。
穴を開けることに成功し、俺はブラックスターを取り出す。
「綺麗だ……」
『見とれてる時間はないよ。』
つい見とれてしまったが早く戻らないと。
俺はブラックスターをポシェットの中に入れる。
そのあとは来たとおりに戻り、カードキーを警備員さんに返す。怪盗ブラックのカードも忘れずにな。
そのあとは警察の前にブラックスターと証拠を置いて、上から私服を着て静華と合流。
「お疲れ様。」
「ああ、完璧なナビありがとうな。」
俺たちは無事、デビュー戦を切り抜けたんだ。
俺たちは家に向かい歩き出す。
「あいつらだな。」
「ああ、しくじるなよ。」
背後でそんな会話をしてる怪しげなヤツらのことに全く気づかずに……
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