39 / 104
ー学生時代ー
新しい悩み 3
しおりを挟む
「おはよーございます。」
バックヤードの扉をあけて声をかけてから中にはいる。
事務スペースにあきおさんがいるだけでバックヤードにはほかの誰もいなかった。
「お、りおちゃん、急ぎのやつ出しておいたから、すぐはじめよう。」
あきおさんは何事もなかったかのように私に声をかけた。
正直なところちょっと拗ねていたこともあり、だれも今いないけど、事務的に返事をしようと思いついた。
「あ、はいお願いします。」
あえてあきおさんの顔は見ずに始める。
最近は先に自分で資料をみながら入力をして、店長に最終チェックをしてもらってから送信するようにしているので話す必要はないといえばない。
黙々と入力をしていると、あきおさんがみんながいないのを確認してから耳元で小さな声で言った。
「この間はごめん、最近あの人しつこくってね、邪険にできないからさ・・・」
「そうなんですか。」
間違うといけないから集中しているし、あまり話はしたくない。
あきおさんもそれはわかっているのでそのときはそれ以上何も言わなかった。
あきおさんは入力中いなくてもかまわないのに、今日は後ろでずっとみていた。
最近は本社で入力をたくさんしているからか入力のスピードがあがっていて、思っていたよりはやく置かれていた分の入力が終わった。
各小計をあきおさんにチェックしてもらっていったん終了となる。
急ぎでないものもまだあるけれど、とりあえずいったんあきおさんにチェックしてもらう。
OKがでたので一度休憩をする。
バックヤードにはちょうど総菜部長がはいってきていた。
チラリと私たちのほうをみたけれど、鼻歌を歌いながら総菜部におろす野菜をチェックしはじめた。
それをみてあきおさんが言った。
「りおちゃん、ちょっと話があるから事務所きてくれる?」
「おっ、俺ジャマか?なんならこれもってあっち行くけど。」
総菜部長がお店の総菜調理場にいこうとじゃがいもをかかえた。
「いえ、例の件なんで上の方がいいかと思って。なのでここで続けてください。」
「あー、あれはさっきパートさんたちからりおちゃんきいとったで。」
「えっ?」
ああ、一応私は週イチだからね、さっき聞かなければ知らない状態だったわけで。
「はい、聞きましたよ。このあとはレジはいるから気を付けますね。」
知ってるなら行かなくてもいいだろうと二人きりを回避したくて言った。
「いや、社長からのことづけもあるんで。とりあえず先あがってて。」
「はい。」
ホントに社長からのことづけなんてあるのかな?
たぶん私の態度には気づいてるはず。
でも、今は仕事中でホントに仕事の話かもしれない。
なんとなく憂鬱だったけれど言うことをきいてバックヤードの扉をあけた。
「あらっ、岡野さん!こんにちは!」
げっ・・・・今一番会いたくない人がそこにいた。
バックヤードの扉をあけたところに浜野さんがいたのだ。この感じは偶然を装おってドアが開くのを待っていたのでは。
「あ、こんにちは。お買い物ですか?」
このイヤな気持ちがばれないようににっこりと微笑んで挨拶をした。
「うーん、そうねぇ。。。」
あ、これはすぐ戻って確認?いや、まだあきおさんの名前でてないよね・・・
とか思っていたらあきおさんが扉をあけてでてきてしまった。
「あらー♡前田さん♡ ちょうどよかった!今ちょっといいですか?」
声が一瞬で甘えた声にかわった。
これ、だれでもドン引きですが・・・
あきおさんも彼女を見た瞬間に固まっていた(笑)
「すみません、今から会議なので。」
「あら、そうなの?岡野さんも?バイトなのに?」
怪訝そうに私の顔をちらりとみる浜野さん。
この間見かけたときもそうだったけど、何か気づいているのかな・・・
なんて思いつつ、とりあえず知らん顔で先に事務所の階段を上がった。
「彼女、今本社で社長のサポートにバイトではいってもらっているんですよ。こっちは土曜日だけ手伝ってくれているので会議にもはいってもらってまして。すみません、時間ないので。」
総菜部長も彼女の声をきいてタバコを片手に外にでてきていた。
「あ、こんにちはー。」
微妙に白々しく聞こえるあいさつを耳にしながら事務所に入っていつも私が座る席についた。
「えっ?そうなの?学生でも社長のサポートなんてするのね。できる子は違うのね。うちの子もバイトさせようかしら・・・」
浜野さんの娘さんはまだ高校生であまりいい噂のない学校に通っていた。
中学のときはそんなことなかったのだけれど、家庭環境のせいだったのかもしれない。
「浜野さんとこのおじょうさん? あー、向いてないね、ここの仕事はハードだからきっと無理やわ。岡野さんああみえて根性あるねんで。」
「えー、そうなんですか?バイトの子たち楽しそうにしてるじゃないですか。」
いや、お金があわないと帰れないし、けっこう立ちっぱなしも大変だし。
思ったよりも大変です。みんないい人で働きやすいからきてるけど・・・
2階まで聞こえてくる浜野さんの大きな声にブツブツと事務所の中でかえしていたらあきおさんが事務所にはいってきてカチャリと鍵を閉めていたのだけれど、私はそれに気づかなかった。
総菜部長の声は通らないのでほとんど聞こえないけれど、浜野さんの相手をしてくれているようでそちらに気をとられていたのだ。
「りお・・・」
座っていた私の背後からあきおさんが腕をまわして耳元で私の名を呼んだ。
・・・・やっぱり仕事ちゃうやん。。。。
バックヤードの扉をあけて声をかけてから中にはいる。
事務スペースにあきおさんがいるだけでバックヤードにはほかの誰もいなかった。
「お、りおちゃん、急ぎのやつ出しておいたから、すぐはじめよう。」
あきおさんは何事もなかったかのように私に声をかけた。
正直なところちょっと拗ねていたこともあり、だれも今いないけど、事務的に返事をしようと思いついた。
「あ、はいお願いします。」
あえてあきおさんの顔は見ずに始める。
最近は先に自分で資料をみながら入力をして、店長に最終チェックをしてもらってから送信するようにしているので話す必要はないといえばない。
黙々と入力をしていると、あきおさんがみんながいないのを確認してから耳元で小さな声で言った。
「この間はごめん、最近あの人しつこくってね、邪険にできないからさ・・・」
「そうなんですか。」
間違うといけないから集中しているし、あまり話はしたくない。
あきおさんもそれはわかっているのでそのときはそれ以上何も言わなかった。
あきおさんは入力中いなくてもかまわないのに、今日は後ろでずっとみていた。
最近は本社で入力をたくさんしているからか入力のスピードがあがっていて、思っていたよりはやく置かれていた分の入力が終わった。
各小計をあきおさんにチェックしてもらっていったん終了となる。
急ぎでないものもまだあるけれど、とりあえずいったんあきおさんにチェックしてもらう。
OKがでたので一度休憩をする。
バックヤードにはちょうど総菜部長がはいってきていた。
チラリと私たちのほうをみたけれど、鼻歌を歌いながら総菜部におろす野菜をチェックしはじめた。
それをみてあきおさんが言った。
「りおちゃん、ちょっと話があるから事務所きてくれる?」
「おっ、俺ジャマか?なんならこれもってあっち行くけど。」
総菜部長がお店の総菜調理場にいこうとじゃがいもをかかえた。
「いえ、例の件なんで上の方がいいかと思って。なのでここで続けてください。」
「あー、あれはさっきパートさんたちからりおちゃんきいとったで。」
「えっ?」
ああ、一応私は週イチだからね、さっき聞かなければ知らない状態だったわけで。
「はい、聞きましたよ。このあとはレジはいるから気を付けますね。」
知ってるなら行かなくてもいいだろうと二人きりを回避したくて言った。
「いや、社長からのことづけもあるんで。とりあえず先あがってて。」
「はい。」
ホントに社長からのことづけなんてあるのかな?
たぶん私の態度には気づいてるはず。
でも、今は仕事中でホントに仕事の話かもしれない。
なんとなく憂鬱だったけれど言うことをきいてバックヤードの扉をあけた。
「あらっ、岡野さん!こんにちは!」
げっ・・・・今一番会いたくない人がそこにいた。
バックヤードの扉をあけたところに浜野さんがいたのだ。この感じは偶然を装おってドアが開くのを待っていたのでは。
「あ、こんにちは。お買い物ですか?」
このイヤな気持ちがばれないようににっこりと微笑んで挨拶をした。
「うーん、そうねぇ。。。」
あ、これはすぐ戻って確認?いや、まだあきおさんの名前でてないよね・・・
とか思っていたらあきおさんが扉をあけてでてきてしまった。
「あらー♡前田さん♡ ちょうどよかった!今ちょっといいですか?」
声が一瞬で甘えた声にかわった。
これ、だれでもドン引きですが・・・
あきおさんも彼女を見た瞬間に固まっていた(笑)
「すみません、今から会議なので。」
「あら、そうなの?岡野さんも?バイトなのに?」
怪訝そうに私の顔をちらりとみる浜野さん。
この間見かけたときもそうだったけど、何か気づいているのかな・・・
なんて思いつつ、とりあえず知らん顔で先に事務所の階段を上がった。
「彼女、今本社で社長のサポートにバイトではいってもらっているんですよ。こっちは土曜日だけ手伝ってくれているので会議にもはいってもらってまして。すみません、時間ないので。」
総菜部長も彼女の声をきいてタバコを片手に外にでてきていた。
「あ、こんにちはー。」
微妙に白々しく聞こえるあいさつを耳にしながら事務所に入っていつも私が座る席についた。
「えっ?そうなの?学生でも社長のサポートなんてするのね。できる子は違うのね。うちの子もバイトさせようかしら・・・」
浜野さんの娘さんはまだ高校生であまりいい噂のない学校に通っていた。
中学のときはそんなことなかったのだけれど、家庭環境のせいだったのかもしれない。
「浜野さんとこのおじょうさん? あー、向いてないね、ここの仕事はハードだからきっと無理やわ。岡野さんああみえて根性あるねんで。」
「えー、そうなんですか?バイトの子たち楽しそうにしてるじゃないですか。」
いや、お金があわないと帰れないし、けっこう立ちっぱなしも大変だし。
思ったよりも大変です。みんないい人で働きやすいからきてるけど・・・
2階まで聞こえてくる浜野さんの大きな声にブツブツと事務所の中でかえしていたらあきおさんが事務所にはいってきてカチャリと鍵を閉めていたのだけれど、私はそれに気づかなかった。
総菜部長の声は通らないのでほとんど聞こえないけれど、浜野さんの相手をしてくれているようでそちらに気をとられていたのだ。
「りお・・・」
座っていた私の背後からあきおさんが腕をまわして耳元で私の名を呼んだ。
・・・・やっぱり仕事ちゃうやん。。。。
0
あなたにおすすめの小説
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる