週末の金曜日

立樹

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「もういいから、続きを話せよ」

「ああ、それでさ、企画部に行って事情を話して、もう一度送ってもらうようにお願いしたんだけれど、『失くした? 大事ってわかっていながらどういうことだ!』って言われて、何度も謝ってやっと出してもらったんだ」
「そうだったんだ」

「そう。けどさ、よく考えてみてくれ、重要書類だと分かっているメールを削除なんてしないだろ?」
「まあな。俺なんか来たメールに目を通してそのまんまだからな」
と言うと、青木は、
「佐藤らしいな」
と笑った。

「その後、残業して遅くまで作業していたから、ここ数日の寝不足で、猛烈な眠さに襲われたわけ。眠気覚ましにコーヒーを買いに自販機のある休憩所まで行ったら、お前がいたんだよ」
思い出さないか?と言うような顔で俺の顔を見てくる。

俺は、腕を組んだまま、そんな事があったか?と、アルコールでぼーっとする思考を集中させる。
「俺がいて、何かあったのか?」

それを聞いた青木がクスクスと笑う。
「あったっていうもんじゃないよ」

「……?」

「俺が、廊下を歩いていたら、休憩室の方から、『ドン!』って、壁にぶつかる音が廊下に響いた後、怒鳴り声が聞こえてきたんだ」

「な、なんて」
なんとなく、イヤな予感がする。きっと、俺がなにかしたんだろう?

理不尽な事が多く、あの頃は血の気も多かったから、先輩や同僚によく食って掛かっていた覚えがある。

背中の筋が冷える。

「よく覚えているよ。あの時、佐藤はこう言っていたんだ――」
青木は席を立ち、カバンから小型のレコーダーを出して、操作した後に、テーブルに置いた機械から俺の怒鳴る声が聞こえてきた。
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