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「お腹空いてるだろ」
出た声はかすれていた。
さっきの涙で鼻水が垂れそうになり鼻をすすると、抱きしめている手に力が入った。
「どうして、川浪さんが泣いてるんですか?」
「……」
「悲しい夢でも見ましたか?」
それはそう思うだろう。昨日泣いて寝たのは杉山なのに、起きてみたら隼大が泣いているのだ。自分が杉山の立場だったら動揺する。
安心させるように、背中を軽く叩いた。
「違う。その反対だ」
「……?」
「夢をな。俺がさまだ小学生でさ。懐かしい夢を見たんだ」
抱きついていた杉山が顔を上げた。
眉間に皺が寄っている。
変な事を言ったのかと、眉を上げた。杉山は恐る恐るといった様子で口を開いた。
「あの。聞いてもいいですか?」
「ああ」
何を聞かれるのかと、身構える。
「ご両親は、その……」
ああ。亡くなったと思ったのか――。
「生きてるよ。けど、五年ぐらい帰っていないし、最初は頻繁にあった連絡も来なくなったな。杉山は?」
「祖母が一人」
「一緒にくらしているのか?」
「去年の冬に倒れてから、身体に麻痺が残ってしまって。一日中、つきっきりというわけにもいかず、他に頼れるような親族もいませんから、今は老人ホームで過ごしてます。小さい頃、父親と離婚して母親が出ていっても、おばあちゃんがいたから今の僕がいるんです。僕にとっては、おばあちゃんがお母さんでした」
「……、そっか」
何かをずっと我慢しているように見えた。
きっと、子どもの頃から、我慢してきたのかもしれない。
それが不憫に見えるわけではなく、そこに杉山の強さを感じた。
目を細める隼大に、ニコリと笑うと、
「僕がどうして川浪さんに憧れているか気になりませんか?」と、訊ねた。
「気になって当たり前だろ。俺みたいなやつはどこにでもいるだろ? 特別な何かがあるわけじゃないし」
杉山は首を振った。
「覚えてませんよね。川浪さんにとってはほんの些細な事だったかもしれませんが、僕にとって、心の支えになる言葉を言ってくれました」
「そんな、大それたことなんて言ったか?」
訝し気にみると、頭を隼大の胸につけ言葉を継いだ。
「おばあちゃんが倒れた時、ぼくは営業先だったんです。その事を会社に戻る途中、知りました。連絡もしないで全部ほったらかして、病院に行きました」
「それは、そうだろう。大事な身内だったら尚更だ」
「はい。けれど、それが上司に伝わっていなくて、僕をよく思っていない同僚が、サボったと言ったようでした」
「それって、業務連絡の問題だろ?」
杉山に非があるように思えず、ムッとした。声を尖らせて言うと、微かに笑う声がした。
「けれど、僕も伝えていなかったのが悪かったので」
そこで言葉を切ると、隼大を見た。その目は怒りではなく優しく笑っていた。
「上司が一方的に怒っていて、理由も聞く気がない状態で。きっと、僕が目障りだったんでしょう。他の同僚が須藤りしていく中で、川浪さんが上司に『急ぎの用事』と言ってぼくを連れ出してくれました」
首を傾げる。おぼろげな記憶が、言った言葉と共に輪郭を持ち始めた。
「急ぎの用事は嘘で、その時に言ってもらった言葉を今も覚えてます。『負けるなよ』だったんです」
怒られている姿と、耐えている顔に上旬の声が浮かんできた。
「ああ!あの時の」
「思い出しました?」
「南田のおっさん、説教長くて有名だからな。よく怒っているし、嫌われてるよな。そうそう、あの時、俺、杉山が怒られている横を三往復したんだよ。でもまだ怒られてて、すれ違う人が振り向いていくだけでさ、気の毒になってな」
「あの時のあの言葉。僕にとっては大きくて。あれ、おばあちゃんの口癖だったんです。意識が戻るか分からないし、家に帰っても誰もいない。今までおばあちゃんがしてくれてたこと全部、しなくちゃいけなくて、怒られて辛いより、そっちのほうが辛くて……だから、『負けるな』って……」
上げた顔を、もう一度、ギュッと顔を胸に押し付ける。
「杉山、意外に敵が多いな」
「周りなんて敵ばっかですよ。いい顔して近づいてきても、目的はぼくに近寄ってくる女性だったり、逆にぼく自身だったり。裏で悪口言ってるか」
乾いた声に苦笑した。
「荒んでるな」
「だから、言われないように目をつけられても、その上に自分を置くようにしてました」
どうしてこんなにも察しがいいのかと感じていた、その理由はこれだったのか。
「おばあさんは、もう大丈夫なのか?」
「おかげさまで。でも、麻痺が残っているせいで、前のようには動けません。ぼくもずっと家にいることができませんから、仕方なく」
「そっか」
「でも、これで良かったと思っています。おばあちゃんは僕に負担をかけたくないって、自分の事は自分でしたいって思っている人で、きっと、僕が世話することに耐えれない。自分の始末は自分でつけるって言うんです。それって、勝手だと思っちゃうんですけど、おばあちゃんらしくって」
ハハッと笑う声が儚く聞こえた。その声ごと、きつく抱きしめた。
「俺は杉山に教えてもらったことがある」
「え?」上げそうになる顔を腕で抑え込む。
抱きしめたまま言った。
「人との関りなんていらないと思っていた。誰が何をしようとどうでもよかった。けど、昨日、杉山から堂岡の事を聞いた。堂岡と張り合っていたのは俺だけだったんだ。向こうは俺と一緒の目線でみていなかったんだ。人との関わり合いで生まれるものもあると知った」
回した腕に力を入れ「ありがとう」と言った。
「ぼくは、人の目を気にしない川浪さんが好きだったんです。こんな風に生きられたら楽だろうって。でも実際は違っていて……」
「幻滅した?」
「いえ、なんとかしたくなって」
「それで押しかけてきたって」
こくんと頷く。
「じゃあ、食べようか」
「はい」
ベッドからでると、カーテンから差し込んだ光に杉山は眩しそうに目を細めた。
振り向き、笑う姿はずっと見ていたいと願うほどに――美しかった。
寝られるからというエゴではなく、隣にいて、隣でずっと笑っていて欲しかった。
「川浪さん?」
動かない隼大に首を傾げた。
ベッドから起き上がると側に寄った。
泣いていた面影はもうない。
なのに、どうしてこれほどに愛おしいのだろう。
頬に手を添えると、驚きの表情で隼大を見返した。
「隣にいて……」
「……」
杉山の喉仏が上下に動く。
「杉山。隣にいてほしい」
驚きの顔が、徐々に赤く染まり泣き笑いの顔に変わっていく。
添えた手に自分の手を重ね、言った。
「側にいます」と――。
完
出た声はかすれていた。
さっきの涙で鼻水が垂れそうになり鼻をすすると、抱きしめている手に力が入った。
「どうして、川浪さんが泣いてるんですか?」
「……」
「悲しい夢でも見ましたか?」
それはそう思うだろう。昨日泣いて寝たのは杉山なのに、起きてみたら隼大が泣いているのだ。自分が杉山の立場だったら動揺する。
安心させるように、背中を軽く叩いた。
「違う。その反対だ」
「……?」
「夢をな。俺がさまだ小学生でさ。懐かしい夢を見たんだ」
抱きついていた杉山が顔を上げた。
眉間に皺が寄っている。
変な事を言ったのかと、眉を上げた。杉山は恐る恐るといった様子で口を開いた。
「あの。聞いてもいいですか?」
「ああ」
何を聞かれるのかと、身構える。
「ご両親は、その……」
ああ。亡くなったと思ったのか――。
「生きてるよ。けど、五年ぐらい帰っていないし、最初は頻繁にあった連絡も来なくなったな。杉山は?」
「祖母が一人」
「一緒にくらしているのか?」
「去年の冬に倒れてから、身体に麻痺が残ってしまって。一日中、つきっきりというわけにもいかず、他に頼れるような親族もいませんから、今は老人ホームで過ごしてます。小さい頃、父親と離婚して母親が出ていっても、おばあちゃんがいたから今の僕がいるんです。僕にとっては、おばあちゃんがお母さんでした」
「……、そっか」
何かをずっと我慢しているように見えた。
きっと、子どもの頃から、我慢してきたのかもしれない。
それが不憫に見えるわけではなく、そこに杉山の強さを感じた。
目を細める隼大に、ニコリと笑うと、
「僕がどうして川浪さんに憧れているか気になりませんか?」と、訊ねた。
「気になって当たり前だろ。俺みたいなやつはどこにでもいるだろ? 特別な何かがあるわけじゃないし」
杉山は首を振った。
「覚えてませんよね。川浪さんにとってはほんの些細な事だったかもしれませんが、僕にとって、心の支えになる言葉を言ってくれました」
「そんな、大それたことなんて言ったか?」
訝し気にみると、頭を隼大の胸につけ言葉を継いだ。
「おばあちゃんが倒れた時、ぼくは営業先だったんです。その事を会社に戻る途中、知りました。連絡もしないで全部ほったらかして、病院に行きました」
「それは、そうだろう。大事な身内だったら尚更だ」
「はい。けれど、それが上司に伝わっていなくて、僕をよく思っていない同僚が、サボったと言ったようでした」
「それって、業務連絡の問題だろ?」
杉山に非があるように思えず、ムッとした。声を尖らせて言うと、微かに笑う声がした。
「けれど、僕も伝えていなかったのが悪かったので」
そこで言葉を切ると、隼大を見た。その目は怒りではなく優しく笑っていた。
「上司が一方的に怒っていて、理由も聞く気がない状態で。きっと、僕が目障りだったんでしょう。他の同僚が須藤りしていく中で、川浪さんが上司に『急ぎの用事』と言ってぼくを連れ出してくれました」
首を傾げる。おぼろげな記憶が、言った言葉と共に輪郭を持ち始めた。
「急ぎの用事は嘘で、その時に言ってもらった言葉を今も覚えてます。『負けるなよ』だったんです」
怒られている姿と、耐えている顔に上旬の声が浮かんできた。
「ああ!あの時の」
「思い出しました?」
「南田のおっさん、説教長くて有名だからな。よく怒っているし、嫌われてるよな。そうそう、あの時、俺、杉山が怒られている横を三往復したんだよ。でもまだ怒られてて、すれ違う人が振り向いていくだけでさ、気の毒になってな」
「あの時のあの言葉。僕にとっては大きくて。あれ、おばあちゃんの口癖だったんです。意識が戻るか分からないし、家に帰っても誰もいない。今までおばあちゃんがしてくれてたこと全部、しなくちゃいけなくて、怒られて辛いより、そっちのほうが辛くて……だから、『負けるな』って……」
上げた顔を、もう一度、ギュッと顔を胸に押し付ける。
「杉山、意外に敵が多いな」
「周りなんて敵ばっかですよ。いい顔して近づいてきても、目的はぼくに近寄ってくる女性だったり、逆にぼく自身だったり。裏で悪口言ってるか」
乾いた声に苦笑した。
「荒んでるな」
「だから、言われないように目をつけられても、その上に自分を置くようにしてました」
どうしてこんなにも察しがいいのかと感じていた、その理由はこれだったのか。
「おばあさんは、もう大丈夫なのか?」
「おかげさまで。でも、麻痺が残っているせいで、前のようには動けません。ぼくもずっと家にいることができませんから、仕方なく」
「そっか」
「でも、これで良かったと思っています。おばあちゃんは僕に負担をかけたくないって、自分の事は自分でしたいって思っている人で、きっと、僕が世話することに耐えれない。自分の始末は自分でつけるって言うんです。それって、勝手だと思っちゃうんですけど、おばあちゃんらしくって」
ハハッと笑う声が儚く聞こえた。その声ごと、きつく抱きしめた。
「俺は杉山に教えてもらったことがある」
「え?」上げそうになる顔を腕で抑え込む。
抱きしめたまま言った。
「人との関りなんていらないと思っていた。誰が何をしようとどうでもよかった。けど、昨日、杉山から堂岡の事を聞いた。堂岡と張り合っていたのは俺だけだったんだ。向こうは俺と一緒の目線でみていなかったんだ。人との関わり合いで生まれるものもあると知った」
回した腕に力を入れ「ありがとう」と言った。
「ぼくは、人の目を気にしない川浪さんが好きだったんです。こんな風に生きられたら楽だろうって。でも実際は違っていて……」
「幻滅した?」
「いえ、なんとかしたくなって」
「それで押しかけてきたって」
こくんと頷く。
「じゃあ、食べようか」
「はい」
ベッドからでると、カーテンから差し込んだ光に杉山は眩しそうに目を細めた。
振り向き、笑う姿はずっと見ていたいと願うほどに――美しかった。
寝られるからというエゴではなく、隣にいて、隣でずっと笑っていて欲しかった。
「川浪さん?」
動かない隼大に首を傾げた。
ベッドから起き上がると側に寄った。
泣いていた面影はもうない。
なのに、どうしてこれほどに愛おしいのだろう。
頬に手を添えると、驚きの表情で隼大を見返した。
「隣にいて……」
「……」
杉山の喉仏が上下に動く。
「杉山。隣にいてほしい」
驚きの顔が、徐々に赤く染まり泣き笑いの顔に変わっていく。
添えた手に自分の手を重ね、言った。
「側にいます」と――。
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