超能力者なので、特別なスキルはいりません!

ごぢう だい

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初クエスト2

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「ぶぅめらんぶぅめらん♪ ぶぅめらんぶぅめらん♪ きっと~アナタぁはぁもどってくるだろぉ~♪」
 昭和の名曲、西城秀樹の「ブーメラン・ストリート」を歌を口ずさみながら、害鳥退治をする私。
 害鳥に悩まされてる農家は、昨日の一か所だけではなかった…。今退治してる他にも、あと二か所ある。馬に乗れないので歩いて来たが、二時間以上掛かった。けどまぁ歩くのは嫌いじゃないので散歩のような感覚で、割と楽しんで歩いてこれた。
 ブーメランを放り投げて、モノの五分もしない内に、三十羽近くいた害鳥が半分に減った。そのまま念動力でブーメランの動きをコントロールする。
「ぶぅめらんぶぅめらん♪ ぶぅめらんぶぅめらん♪ きっと~アナタぁはぁもどってくぅるぅだぁろおぉぉ~♪」
 っつーても私平成生まれだから、昭和ヲタクを自負していても、この歌はサビの部分しか知らないんだよなぁ…。と、そんな事を考えてコントロールしてたら、全部狩れた。さて、戦利品の右足を集めに行こうか……。そうしないとまぁたサラにタダ働きをさせられる。
 雑貨屋で買ったナイフを使い、狩り落とした害鳥を探しながら右足だけを切っていく。っつか、狩るよりこっちのが時間掛かってない? 二十八羽の足を集めるのに、これまた二時間近く掛かった。時計を確認すると午後一時過ぎになっていた。これでは時間的効率が悪い…。何かいい方法はないだろうか?
 そんな事を考えながら、依頼者から依頼達成の証明の血判を貰い、次の畑へと移動する。そう言えばお昼ご飯用意するの忘れてたなぁ。空きっ腹を抱えて一時間、次の畑に到着する。
 前の畑では、せっかく狩った獲物が全部見つけられなかった。なので今回はッブーメランを放り投げながら、念動力で飛んでる害鳥を一か所に集める。歌う曲は昭和の名アニメ劇場版「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」のエンディング曲。松谷裕子の「愛はブーメラン」のサビ。
「もーしかぁーもーしかぁー♪ ああぁいはっもしかしぃーてぇー♪ ほーりぃっなぁーげたっぶぅ……」めらん~……。
 十羽くらいいた害鳥退治がサビを歌いきってないのに終わってしまった……。仕方ないので戦利品を集めに行く…。十一羽いた……。そして依頼達成のサインを貰って次の畑に移動する。
 次の畑には三羽くらいしかいなかった。依頼書には二十羽近くと書いてあったのに、他の畑で狩り過ぎたのか……。とりあえず無言でブーメランを放って三秒くらいで終わらせる。そして依頼達成サインを貰ってギルドに向かう。
 三つの依頼をこなして終わったのは、午後四時を少し回った時間だった。一番遠い畑から先にこなしたので、ギルドまでは歩いて一時間くらいだろう。足取りも軽く、意気揚々と歩く私であった。
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「わあぁぁっっ! カオルコさん凄いですっっ!!」と、依頼報酬担当のリーンが目を輝かせてキュートな尻尾を左右にブンブン振りながら言う。かわええ…。
「初クエストで、しかもワンランク上の依頼を一日で三つこなしてくるなんて、もしかしたらこのギルド始まって以来の快挙ですよっ!!」尊敬の眼差しで見てくるイヌっ娘リーン。ああああっっっ、もぉっ!! 可愛すぎて今すぐ押し倒してモフりてぇっ!!! っと、気付くとネコ娘のネネまでが目を丸くして驚いてる。これわっ! リリと仲良くなるチャンスかもっ!!
「凄い事ではあるが、初ではないなっ!!」と、階上から水を挿すサラ。なぁんでそんな事言うのよっ!! せっかくリリとも仲良くなれるチャンスだったのにっ!!
「今から約二百年ほど前に、恐ろしく強い冒険者がこの村に現れたんだ。町の広場の名前にもなってる」誰だよ? 知らねぇよっ! とやさぐれる私。
「この村に住み着いた悪党ども二十人以上を一人で蹴散らし、何処へともなく去って行ったサンジューローと言う名の剣士の冒険者だ」
 訊いてねーよ……。って、サンジューロー? モロ日本人の名前じゃんっ!!それに二百年前って言ったら江戸時代の頃だよね? ……三十郎さん…。侍だったのかな? 私の前にもそんな人がこの世界に来てたのかぁ…。同じ日本人としてちょっと感慨深い…。
「と言うわけで、カオルコ、ちょっとギルマス室まで来いっ!」難しい顔をしたサラが手招きをする…。やな予感がした……。
------------------------------------
「全く…、お前と言うヤツは……」ソファに座りながら溜息交じりに言うサラ。
「あのぅ……、私何かやらかしました……?」恐る恐る尋ねる私。
「やらかしたどころの話じゃない…。大問題だ……」頭を抱えながらサラ。
 私にはさっぱりとその大問題とやらが思いつかない…。「何が問題だったんでしょう……?」と訊いてみる。
「そんなに委縮する事はない…。こうなってしまったのはギルマスである私の方に大きな責任がある……」
 神妙な顔で言うサラ。
「カオルコ…、今後は加減を考えて行動してくれ……」
「へっ?」素っ頓狂な声がでる。
「へっ ではない! お前に今日渡した依頼書はどれもE級の依頼だっ! 今日から冒険者になったお前が一日でこなしちゃマズい依頼なんだっ!!」
「…………」その依頼を渡したのそっちじゃんっ! ムッとして無言になる私。
「昨日のお前の実力を見て、最初に注意しなかったコチラにも大きな責任がある…。だがな…、カオルコよ…。突出した力は目立ちすぎて、今後のお前の危険になりうるんだ……」目を見ながら静かに言うサラ。まだぷす剥れてる私。
「今回の報酬はちゃんと払う…。けどカオルコ、明日からは自重してくれ…、出ないと私の権限でもお前を守り切れなくなる……」真剣な目のサラ。ちゃんと私の事を心配してくれてるんだ……。
「自重してくれないと、こっちで誤魔化すのも手間だし、そうなったらカオルコ。お前に回ってくる依頼は地図の描き写しだけになるぞ?」真剣な目が意地悪な目に変わっていくサラ。心許すとコレだ…。こんなイタズラな表情をする。この先も付き合いが続く限りは、きっとサラの事は嫌いになれないんだろうなぁ……。ちょっと悔しい…。悔しくてサラから顔を背けてしまう。
「ところで…」と、次の話題を切り出すサラ。「さっき言ったように、それと昨日この目で見たように…、っと、その前に、ギルマスと言う役職と私の名に誓って言うっ! 絶対に他言はしない。カオルコ。お前の能力は何なのだ?」
 ついにその質問が来た……。
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