1 / 2
1
しおりを挟む
目が覚めると周りは真っ暗であった。何もないただ黒い空間。
下を見ると服が見えた。暗いけど自分の着ている服は分かった。黒色のシャツである。どうやら私は座っているようだ。
今度は目線を上げて辺りを左右見る。その細い目で確かめるように。
すると奥から何かが見えた。それは遠くて分からないが私の前に向かって来ている。
近くまで来るとはっきりとわかった。
女である。それも裸の女だ。そいつは平然と歩いている。
そして私の目の前まで来た。その裸の女は知っている人であった。だがその知っている女とは違う女だった。身体は同じでも中身が違う者だとすぐに分かった。
私はその女を細い目で睨むようにしばらく見つめる。
そして私は声を出した。
「お前は誰だ?」
女は少し不気味な笑みをする。
「——お気づきのようね」
「誰だと言っている⁉︎」
「あなたの知る者よ」
「知る? 嘘をつけ!」
「いいえ知っているわ、あなたなら」
「ふざけているのか」
「あなたが一番嫌う者よ」
それを聞いて全てが分かった。
「——神……」
「ええ」
「ここは何処だ?」
「それはあなたが想像する所です」
目線を逸らしてもう一度周りを見た。やはり真っ暗である。ここは夢なのかそれとも自分自身が死んだのか或いはこの神と名乗る裸の女に連れて行かれたのか謎であるが、そんな事よりも気になることがあった。
「まぁいい——、で、私に何のようだ?」
「あら、冷静ですねー」
「何がだ?」
「自分の立場に驚かない上ここに女の裸体を目の前にして興奮しないのね」
「むしろ今目の前に神がいることに興奮しているよ」
「おや? 神の存在を信じるのですね?」
「勿論、神の存在は肯定している。だがその神々の行為には否定するがね——」
すると女は少し笑う。
「フフフフフ、よく我の前で言えますこと」
「それが用だろ」
「ええ、あなたのその捻くれた性格にね」
「捻くれてる? むしろ考えた結果がそうだから行動しているだけだ」
「あなたの事はご存じです。神への信仰心が無くそれどころか神を否定する者であると」
「信仰しなくて何が悪い? 神を否定して何が悪いと言うのかね?」
「何故このような事をするのですか?」
「単に神が嫌いなのではない。あなた方のその傲慢なる行為とこの社会に与えた影響に私は深く失望したのだ」
「傲慢とは失礼な、我々はこの世界を創造し、生命を授けた。あなたにも——」
「ほう、では創造したのならば生命を消してもいいと言うのかね? ノアの方舟のように」
「地の人間共は堕落していた。悔やんだのは我々だ」
「それはあなた方の責任ではないか。それも人間以外の生物も洪水で流し消した」
「だが後に再び全てへの生き物を打ち滅ぼさないと誓った」
「バベルの塔はどうだ?」
「人間が我々を超えようとした。それは一つの民と一つの言葉だからこのような過ちを犯したのである。だから人間の言葉を乱した」
「人間が神を超える事は問題か?」
「当然だ、知と力を持つことで人間はその知と力を大きく暴走させて全てが壊滅する事になりかねない」
「確かにあなたの言い分には一理あるが、人間が力と知を持つのは生きる為に幸福を求めるからだ。力は命を守り、知は正しいとは何か考える。その為に学問があるのだ」
「いや人間は知と力を己の欲望に変えて、それ満たす事ばかりして乱れてく。ソドムとゴモラの民のように」
「民らの性の乱れが原因というだけで町の全生命を燃やし消すあなた方も私利私欲に走っているではないか」
「無礼な、人間よ」
「無礼なのはどちらだ? あなた方は自分勝手でありそれに気づいていない——」
気がつくと私は少しずつ声を荒げていた。その声が周囲へとこだまのように響く。それでも女は微動だにしなかった。
下を見ると服が見えた。暗いけど自分の着ている服は分かった。黒色のシャツである。どうやら私は座っているようだ。
今度は目線を上げて辺りを左右見る。その細い目で確かめるように。
すると奥から何かが見えた。それは遠くて分からないが私の前に向かって来ている。
近くまで来るとはっきりとわかった。
女である。それも裸の女だ。そいつは平然と歩いている。
そして私の目の前まで来た。その裸の女は知っている人であった。だがその知っている女とは違う女だった。身体は同じでも中身が違う者だとすぐに分かった。
私はその女を細い目で睨むようにしばらく見つめる。
そして私は声を出した。
「お前は誰だ?」
女は少し不気味な笑みをする。
「——お気づきのようね」
「誰だと言っている⁉︎」
「あなたの知る者よ」
「知る? 嘘をつけ!」
「いいえ知っているわ、あなたなら」
「ふざけているのか」
「あなたが一番嫌う者よ」
それを聞いて全てが分かった。
「——神……」
「ええ」
「ここは何処だ?」
「それはあなたが想像する所です」
目線を逸らしてもう一度周りを見た。やはり真っ暗である。ここは夢なのかそれとも自分自身が死んだのか或いはこの神と名乗る裸の女に連れて行かれたのか謎であるが、そんな事よりも気になることがあった。
「まぁいい——、で、私に何のようだ?」
「あら、冷静ですねー」
「何がだ?」
「自分の立場に驚かない上ここに女の裸体を目の前にして興奮しないのね」
「むしろ今目の前に神がいることに興奮しているよ」
「おや? 神の存在を信じるのですね?」
「勿論、神の存在は肯定している。だがその神々の行為には否定するがね——」
すると女は少し笑う。
「フフフフフ、よく我の前で言えますこと」
「それが用だろ」
「ええ、あなたのその捻くれた性格にね」
「捻くれてる? むしろ考えた結果がそうだから行動しているだけだ」
「あなたの事はご存じです。神への信仰心が無くそれどころか神を否定する者であると」
「信仰しなくて何が悪い? 神を否定して何が悪いと言うのかね?」
「何故このような事をするのですか?」
「単に神が嫌いなのではない。あなた方のその傲慢なる行為とこの社会に与えた影響に私は深く失望したのだ」
「傲慢とは失礼な、我々はこの世界を創造し、生命を授けた。あなたにも——」
「ほう、では創造したのならば生命を消してもいいと言うのかね? ノアの方舟のように」
「地の人間共は堕落していた。悔やんだのは我々だ」
「それはあなた方の責任ではないか。それも人間以外の生物も洪水で流し消した」
「だが後に再び全てへの生き物を打ち滅ぼさないと誓った」
「バベルの塔はどうだ?」
「人間が我々を超えようとした。それは一つの民と一つの言葉だからこのような過ちを犯したのである。だから人間の言葉を乱した」
「人間が神を超える事は問題か?」
「当然だ、知と力を持つことで人間はその知と力を大きく暴走させて全てが壊滅する事になりかねない」
「確かにあなたの言い分には一理あるが、人間が力と知を持つのは生きる為に幸福を求めるからだ。力は命を守り、知は正しいとは何か考える。その為に学問があるのだ」
「いや人間は知と力を己の欲望に変えて、それ満たす事ばかりして乱れてく。ソドムとゴモラの民のように」
「民らの性の乱れが原因というだけで町の全生命を燃やし消すあなた方も私利私欲に走っているではないか」
「無礼な、人間よ」
「無礼なのはどちらだ? あなた方は自分勝手でありそれに気づいていない——」
気がつくと私は少しずつ声を荒げていた。その声が周囲へとこだまのように響く。それでも女は微動だにしなかった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
麗しき未亡人
石田空
現代文学
地方都市の市議の秘書の仕事は慌ただしい。市議の秘書を務めている康隆は、市民の冠婚葬祭をチェックしてはいつも市議代行として出かけている。
そんな中、葬式に参加していて光恵と毎回出会うことに気付く……。
他サイトにも掲載しております。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる