ハラスメントオーバー

なたり

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侵襲

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ソファにうつ伏せになるよう言われ、身体を回転させて言う通りにした。
なるべく従った方がいい。逆らうと余計嫌なことをされる。

しかし、尻を高く上げさせられているこの格好は屈辱どころじゃない。

「マジで殺す……ひっ!?」

何か液体が尻にかけられた。
それを塗り広げるように矢弘は弘通の尻を撫でる。

「おい……」

嫌な予感がした。

「ぁ……ッ!?」

つぷ、と細い何かがアナルに入ってくる。
矢弘の指だって分かった。

「おい、何してんだ……」
「まだ分かんねぇの?」

何指か知らないがそれはゆっくりとアナルの奥まで入ってきた。
中で拡げるように動かされて顔が熱くなるのを感じる。
死にたい。マジで死にたい。
矢弘の指が俺の尻の穴に入れられてる。

怒りを上回るほどの羞恥心が弘通を蝕んで、思考力を低下させる。


「ぁ……っ、やだ……やめろよ……、」

指が一度抜かれて、また奥まで挿入される。
何度も抜き挿しされてだんだんと慣らされていく。
抵抗の声は弱かった。
こんな事態は初めてで、どうすればいいのか分からないのだ。

「キツいな、もう一本挿れるぞ」
「嘘、ぁ……ッ」

拡げた入り口に二本目が侵入してくる。
プライドはズタズタだった。

ピストンが繰り返される。
今のところ痛みはないが、俺はどうなってしまうんだろう。

「痛くない?」
「痛くはない……」

中の二本の指が、探るように壁を擦る。
ピストンされながら色んなところを擦られて、急な刺激に弘通は声を上げた。


「アっ……」
「……どうした?弘通」

自分から出た聞いたことない声に顔を真っ赤にして驚愕する。
何だ今のは。俺の声じゃない。

矢弘は口角を上げ、弘通が声を上げた一点を重点的に狙い擦り上げる。

「ぁっアっ、!や、っぁあ!」

初めてのアナルでの快感に弘通は混乱する。指でアナルをピストンされて気持ち良くなるなんて、あり得ない。

「まて、まって、!ぁ、っあぁん」
「弘通、腰が揺れてるぞ」

死にたい。
けど恥ずかしがってる場合じゃない、気持ち良すぎてイってしまいそうだ。その方がヤバい。

「まて、やめろ、イく、や、あぁっ」
「またイくの?」
「だまれ、やだ、イく、いく、」

矢弘は容赦なく前立腺のみを指で擦り上げて弘通を絶頂へ誘った。

「やだ、ぁ、っあぁぁぁッ」

再び弘通は射精した。アナルをきゅうきゅうと締め付ける収縮に、矢弘は性急に指マンを再開した。







「ひぅ……っ!ぅ、あ、ぁっあっ、」

俺は泣いてない。負けてない。

弘通は自分に言い聞かせながら、矢弘がどんな顔をしているのか想像した。
いつものあの極悪面だろうな。
俺の顔は見られたくないけど、アイツの顔は見えた方がいい。
顔が見えないと何だか不安になる。


いつの間にか三本に増えた指は弘通のいいところを何度も抉る。
前はギンギンに張り詰めてまた絶頂が近くなっているのを感じた。

もう3回はイったよな……?これ、いつ終わるんだ。もう限界は突破している気がする。

「弘通、気持ち良い?」
「っるせぇ」

未知の体験に体力を蝕まれる中、安心材料は矢弘の声だ。聞き慣れた声は耳触りがいい。

「そろそろ良いかな」
「んぁ……ッ」

指が抜かれてアナルがきゅぅ、と収縮する。
惜しむような動きに矢弘は目を細めたが、弘通は声を抑えられなかったことに顔を赤くした。


「ぁ……」

指じゃない何か、太くて硬いモノがあてがわれた。
本能的に察する。

あぁ、俺マジでコイツにヤられるんだ。
もはや大して抵抗する気力は起きなかった。ここまでされてる時点で決まっていたことだ。


嫌悪感というより憤りが湧く。
こんな嫌がらせに、どうやったら俺は同程度の仕打ちをしてやれるんだろう、コイツに。
既に復讐のやり方を思案していると、先端がゆっくり挿入される。

「あ、ぁ……っ」
「痛い?」
「うるせぇ……!」

気を遣われる感じも腹が立つ。勝手にやってとっとと終われば気も楽なのに、矢弘は俺を傷つけないように随分丁寧に行為をする。
実際、指で執拗に解されたそこは、痛みなく矢弘のそれを飲み込む。

プライドはボロボロに傷つけられてるけどな!!


「ゆっくり息しろ」

一番膨らんでるところが収まると、矢弘はゆっくりと、けど確実に腰を押し進める。

「弘通」

ずん……っ、と奥まで全部挿入してから、矢弘は弘通の耳に唇を寄せた。

「ごめんな?」
「っ~~~」

笑いを含んだ声で囁かれて中のペニスを締め付ける。
ムカつく、ムカつく。
目の前がよく見えない。頭が馬鹿になってる気がする。上手く考えられない。
そういや俺酒飲んだんだ。もう結構酔いは覚めたと思ってたけど、やっぱりシラフとは違う。
だってなんか心臓がドクドクしてるし、体が熱い。頭がぼんやりして自分が今どうなってるのかもよく分からなくなってくる。


「……マジで、後で覚えてろよ」

なるべく低い声で脅したつもりだが、上擦ってしまった。
震えていたかもしれない。

「あぁ、お前こそへばるなよ」
「ッ耳元で喋んな!」

馬鹿にしたような言い方に腹が立って顔だけ振り返ると、至近距離で矢弘と目が合った。


その顔は想像通り憎たらしい笑みを浮かべていたが、それでいて見たことないほど艶めいていた。
色気が爆発している。何だコイツは。


「テメ……っ、近ぇよ!」
「はぁ?今更何だよ」

眉を寄せるその表情すら色っぽく見えて弘通は焦って顔を背けた。
矢弘は小首を傾げ、弘通の赤い耳を見つめるとニヤリと目を細めた。

「照れてんの?」
「違ェよ!!」
「素直になれよ弘通」
「うるせ……ッ!つか、そうやって近づくな、!」
「ん?何で」

矢弘は弘通の耳を甘噛みながら訊く。
はぁ……っ、と甘い吐息を吐いて、弘通はぼんやりした瞳で眉を寄せた。

「奥っ、に、っん……、キてるから……っぁ」


矢弘が弘通に近づこうと体を前に倒すたび、その剛直が弘通の奥を押し潰していた。


「……奥好き?」
「んあぁ……っ」

ぐちゅ、ぐちゅ、と細かなピストンを奥に何度も繰り返される。

ぎゅぅっと締め付けてくるナカに矢弘は息を詰める。

「動くぞ」
「っ、ふぅ……ッ」

ズルゥ、とギリギリまで抜かれて、ぞわぞわとした快感が背中を走る。

(駄目だ、俺、負けそう。)

弘通は生まれて初めての快感に唇を噛んだ。




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