夏目の日常

連鎖

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二人の日常

問題解決①

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 いつもの時間に会社に出社して、今は退社時間だが、
 オフィスビルに仮住まいしている山崎探偵事務所で、
 海斗は難しい顔をして、昨日のことを思い悩んでいた。

(どうすれば可愛いかなぁ。はぁ、なっちゃんは、なんでも似合うよなぁ。
 
 やっぱり超ミニスカートで。。くい込んだショーツがいいかなぁ。
 ロングスカートにして。。その時はノーパンだよなぁ。
 ショートパンツもいいなぁ。キレ上がった股布に。お尻ワァア。

 そうだブラジャー。夏目さん。Dとか言ってるけど。あの大きさでD?
 ブラジャーって小さいと痛いから、揉んだ時に確認かなぁ。はぁハァ。

 そ。。そうだ。みずぎもぉお。ビキニ。やっぱりセパレート!イヤ。。)

「バシン。。鈴木ぃい。なぁぁに、暗い顔しているんだぁ。悩み事かぁ?
 聞いてやるから、おまえも、パァーっと、一緒に繰り出すかぁあ?」

 この男は、探偵事務所のオーナー兼社長、山崎寛也。

 彼が海斗をこの探偵事務所に誘った張本人で、
 山崎の話し方は明るく、相手によってはお調子者に見られるが、
 本当は真面目で誠実な性格をした男だった。

 その山崎は海斗の学校OBで、
 就職活動中は、彼も色々と相談にのって貰っていたので、
 父親との年齢が近い50代の彼を、師匠と呼んで慕っていた。

 もちろん、山崎の過去に何か特別な事があったのかもしれないが、
 海斗と同じく、警察官僚のエリートを退職して探偵業を始めた、
 とても可哀想で、もう少し頑張れたら良かったね。。。と、
 普通の感覚なら思ってしまうような、よく見られるキャラクターだった。

 なぜエリートの道をやめたのか、
 そしてなぜ海斗を誘ったのかは、よく分からないが、
 不思議なことに、社長の山崎は海斗の面倒をよく見ていた。

「師匠。聞いてくださいよぉお。うぅぅ。ペラ。聞いてくださいよぉおお。
 これ。コレが当たったんです。これですぅぅ。ペラペラ。」
「宿泊券?へぇぇ。良かったじゃないか。いいゾ、楽しんでこいよ。」

「でな。アイコちゃん。覚えているかぁ。あの子がなぁあ。」

「良かった。じゃないんですよ。うぅぅ。しっっしょお。違うんですよ。」
「ああ、泣くなよ。おまえ。また泣くのかよ。またかよぉお。
 酒も入っていないのに、本当にすっげえヤツだな。」

「でも。しっしょぉおおおお。なつめさんがぁああ。なつめさぁあん。
 なっちゃんがぁああ。うぇぇえ。なっちゃん。。なっちゃァあん。」

 またいつものように、相手に泣きつくという海斗の特技を使って、
 相談に乗ってもらおうと、山崎にすがりついていたのだが、
 異性なら、カッコイイ海斗の話を聞いてくれるかもしれないが、
 
 同性相手には効果が薄いようで、

「わかった。相談なら店で聞くから、さあ行こう。あ゙っあああ。イイか。
 異性からの意見も、聞く必要があるだろ?必要だろ?ひつようだなァ。
 店に行ったら一緒に聞いてやるから、いいだろ?さあ行こうなぁぁ。」

 相談に乗るのはついでで、
 飲み屋に海斗を連れていくことが本命のような答えだった。

「僕。。。。お金が、無いんですよ。び。。びんぼう。。なんです。。」
「ああ、いつもと一緒だ。俺が全部もってやるから。それなら、いいだろ?
 いいよね。さあ行こうじゃないか。ぐい。行こうなぁ。ぐいぐい。」
「はい。それなら、いいですよ。アイコちゃんデスよね。
 しっしょう。アイコちゃん?何があったんですか?アイコ。。ちゃん?」
「まあ、気にするな。いいから。いいから、行こうなぁ。さあ行こうか。」

 海斗としても、
 夏目から言われた課題の答えが出る前に、家に戻る度胸もなかったし、
 自分の飯代や酒代まで浮くので、店に行くのはいいのだが、
 アイコという名前が、なぜか心に引っかかっていた。

「[夏目さん。今日は、突然の泊まり仕事になりました。]
 [ご飯は、いりません。海斗]」

 いつもの様に、泊まりの仕事が入ったとメッセージを送っていた。

「[お仕事ご苦労様です。身体に気おつけて、愛しの夏目より。]」

 定型文なのだろうか、
 いつもの様に、送った瞬間に夏目からメッセージが戻ってきた。

「かぁあああ。ばあさんへの、ラブラブメッセージかよぉ。あははは。

 おまえなら、もっと若いのが、誰だってつき合って貰えただろ?
 ソレなのに、約一周前のババァと結婚って、本当に。もったいねぇなあ。

 ああ、もったいねぇえ。俺ならよォ。いやアァアぁ。もったいねえぇ。」

 夏目が年上だと馬鹿にする山崎や、
 もちろん、先輩の奥さんの方が彼女よりも年上で、
 しかも、子供が数人いたはずなので、
 つき合う、つき合わないという以前の問題だと思うのだが、
 その話題で彼女に謝ってもらおうとしても、
 海斗にとっては、意味が無いと理解していた。

 意味が無いと思っている理由は、
 山崎がいつも、一緒に飲みに行こうと毎回誘ってくるので、
 家庭に何か問題があるのではないかと感じて、
 その話題を避けるようにしていた。

「夏目さんの魅力を知らない、師匠は、いいんですよ!いいんですよぉお。
 はぁぁぁ、可愛らしい。可憐で。。そして美しい。スッゴイんですぅう。
 本当に、完璧な女性なんですよ!」

「月一しかヤラセないババァなんて、怖くって無理だねぇ。月イチって。
 本当は、裏で何かしているんじゃないかぁあ?」
「とっても可愛いんですよ、すっごく可愛いんです。スッゴイ可愛いから。
 ああ、感じちゃうぅとか言ってくれて、とっても嬉しいんですよ。」

「ああ、ババァのオマンコが名器ってやつだろ?良かったなぁ。あはは。
 お前もヤリチンなのになぁ。。。。。。。まあいい、さっさと行くぞ。」
「師匠。待って下さい。ししょぉおったら。
 ちゃんと、相談に乗ってくださいねぇえ。しっしょぉ。まってっ。。」

 海斗は容姿端麗で、学業も一流の大学を卒業していた。

 こうした背の高いイケメンが、
 運動をしていないのに、服の上からでも分かるほどに身体が引き締まり、
 それに加えて、甘く透き通った綺麗な声で語りかけ、
 演技だと思いたいが、女に対する甘え方や仕草が、
 老練な詐欺師かと思うぐらいに天才的で、山崎から見ても完璧だった。

(はあぁ。海斗。お前さぁあ。ホストでもすれば。はぁあ。いいよなぁ。)

 山崎は中年で、デブデブ一歩手前のダラしない体型で、
 声もダミ声なので、少し張った声を出すと、

「ウルサイ」「ダマレ」「キエロ」「キモイ」「ゴミ」「ウゼエんだよ」

 といった言葉を掛けられることが多く、仕事としては重宝していたが、
 王子様のような男が目の前に現れると、
 釈然としない、モヤモヤとして決して晴らす事の出来ない感情を、
 相手に感じてしまうのは、仕方がないことだった。

 。

 二人の行きつけという程には来ている、
 おっぱいキャバクラ「ナンバーわん」に、二人で来ていた。

「連れてきたよぉお。あいちゃん。」
「ちゅ。ヒロちゃんありがとぉお。グイ。ぼぉん。ボオン。ぼぉおん。」

(やったぞぉ。抱きついてくれたぁ。胸もすごぃい。いやぁ可愛いなぁ。)

 おっパイキャバクラなので、アイコと呼ばれるこの女でも、
 夏目よりも大きい、Fカップの巨乳で、
 グイグイと腕に押し付けられる柔らかい感触に、
 山崎は嬉しそうに、デレデレとした蕩けた顔で喜んでいた。

 山崎の腕に胸を押し付けているアイコの年齢は、
 化粧もあってわかりづらいが、
 二十代前半??三十代?十代後半?という感じで、
 完璧な美人顔と、完璧な胸とお尻、残念な身長なのはわかるが、
 年齢については、山崎が考えても、何故かよくわからなかった。

「きゃあ。カイくん来たァア。
 カイくん、今度遊ぼうよぉお。今すぐに遊ぼうってぇえ。カイクゥン。」
「え。この前は、お前だったじゃないか。」
「ふざけんなよ!ブタが。次は私が選ばれるんだよ!」
「ぎゅうううう。カイくん。かいくぅうん。
 もぉお。忘れないでって言ったよねぇ。もう忘れたのぉ?もぉおおお。」
「カイくんきたぁあ。」
「えっ。カイくん。わたしもぉ。私もぉおお。」
「ぐぎゅう。カイクゥン。ハアハア。かいくぅうん。」

 こういうイケメンが店に来ても、お客に遠慮してお触りなどしないで、
 遠目に見たり、会釈して挨拶や、軽く声をかける程度だと思うが、
 何故か海斗の周りに一斉にキャストが集まり、
 全員が身体を彼に押し付けて、選ばれようと必死にアピールしていた。


 問題解決①
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