243 / 253
冒険②
流されて⑭
しおりを挟む
深紅の風が荒れ狂って、獲物を逃がさないように周りを囲んでいた。
観客たちも助けを求めてくる男を逃がすことも出来ずに、
ただ見つめて祈るか、助けを呼ぼうと呻き声をあげる事しか出来なかった。
助けを聞いて駆けつけてきた観客も同じように祝福を受けて、
他の観客を呼ぶだけの存在に変わっていた。
「ギギャギャ。ギギャギャ。ギギギ。ギャギャ。ギギギギ。」
祝福を授からない男は、
身体の周りで廻っている深紅の風から少しでも長く生き残ろうと、
自分の剣と盾を使って必死に抗っていた。
「ドクン。。ドクン。。ドクン。」
祝福をばらまいている女は、真っ黒な身体の表面に深紅の血管が浮き出て、
脈動しながら何かを送っていた。
このまま、全てを呑み込んで終わりそうな世界で、
たった一人だけ、一人だけ残された女のつぶやきから始まった。
「何をして欲しいの?」
腕を上げたまま片目から涙を流している女を見て、
何かを感じたのか、相手に問いかけていた。
「早く。早く押さえているうちに。。ギャハハ。もうすぐだ。」
いつまでも腕を振り上げたままで、
固まったように動かない黒い獣と、美しい女が答えていた。
「私に何かして欲しいの?それとも、何かを伝えたいの?」
明らかに聞いた事の無い獣の声が聞こえたので、繰り返し問いかけた。
「ヤメロ。ヤメロ。やっと、もう少し。もうすぐでだ。
早く。お願い。私が押さえているうちに、お願い。
お願い。。この。。あ。。やめろぉぉぉぉ。」
大きな力で無理やり押さえ付けられているのか、
獣が何かから抜け出そうとして小刻みに震えていた。
「何?何を伝えたいの?
シル。。。。あなたは、まだ。そこにいるの?その中なの?」
必死な女の言葉も途切れ途切れで、
何かを必死に押さえ込んでいる事だけは伝わっていた。
「殺す。ヤメロ。。。く。。やめろおお。。。ま。。ヤメロ。
くそぉぉお。もう少し。もう少しで、この腐った世の中を。。。
眷属達よ。。あの。。ダメよ。。。嫌だああ。やめろぉぉぉぉ。
ダメだ。行かせない。あなたは、ここで終わりよ。ここで終わるのよ。」
(そういえば、一歩も。少しも。。何?何をして欲しいの?
私が。。私に何か出来ること?。。あ。。くま?)
「シル。悪魔なの?ねえ、シル。そこに悪魔?あなたは、悪魔に?」
「ドク。ドクドクドク。ドクドク。」
黒い獣の焦った心を表すように、表面の血管が激しく脈動していた。
「早く。。おねが。。い。こいつが。。。ヤメロ。やめてくれ。
俺の。。もう少しだ。。。ギャハハ。。ごめ。。も。。。。」
「ドッッドッドッド。。ドッドッ。ドドドドド。」
何かを拒絶するように、激しく血液が送り込まれていた。
「アハハは、もう終わりだ。イケええ。眷属達よ。あの女を殺せぇぇ。」
もう流すものが無くなったのか、それとも力尽きたのか、
流れ出していた涙の代わりに、嬉しそうに笑いかけてきた。
「わかった。それが、貴方の探し物。これを探して旅をしていたのね。」
「。。。もう、大丈夫。」「ごめんなさい。友達は返してもらうわ。」
さっきまでの泣き顔とは違い、二人とも嬉しそうに笑っていた。
「天を覆う慈愛の神よ。私の友を救う光。光をこの場に。。
邪悪なる者を退ける光で友を救って。
イレイス・ブランデットおぉぉぉぉ。
消えろ悪魔あああ。消えてしまぇぇぇぇ。」
立ったままで動けない獣に触れて、
包んで友を奪おうとした悪魔に向かって魔法を放った。
「ぎやあああああああああ。。オノレ。何故だ。何故だ。何故。
嫌だ。嫌だ嫌だ。ぃぃぃいぎゃああああ。。。。いやあああ。
ピシ。。ピシピシ。。ピシピシ。」
「シル?。。。。。(私のシル。。。私のよ。)」
ひび割れ始めた皮の隙間から、美しい身体が透けて見えてくる度に、
獣の臭いが薄らいで、新しい獣の匂いが濃くなってきた。
「あ。。。と。。あと少し。もう少し。。。。。もう少しだったのに。
イヤだ。。きえたくない。た。。す。。ケテ。。。た。。。。。
ビキ。。。ビキビキ。。。ビギビリ。。バリイイイン。」
獣の声が女から消えると、全身を拘束していた皮に大きな亀裂が入り、
新しく生まれ変わる様に、剥がれて床に降り積もっていた。
「パラ。。パラパラ。。。あ。。ありがとう。。ありがとう。 (???)
ドサ。。アハハ。ありがとう。助かったわ。(終わった。終わった。)」
美しい傷一つ無い真っ白な身体を、
助けてくれた女にすがりつくように、倒れ込みながら抱きついていた。
「友達でしょ。(友達よ。だって。私は命の。恩人。)」
(よかった。よかった。すくえたの?シル。これで救えたの?
私は、恩人よね。そうよね。安心していいわよ。私は、恩人。。ふぅ。
うふふふふふふ。恩人だよね。じゃあ、これぐらい。
はあああああ。よかった。ドキドキ。いい匂い。気持ちいい。
このまま。これから。。。ハア。。すうっっ。。ハアア。。すぅぅぅ。
離したくない。シルは、私の。ハアハア。このまま。。)
シルの柔らかく張りのある美しい身体を、
髪も手も。脚も。背中も。首筋。唇。むね。お尻。
もちろん、隠された場所も。。。全てを。全部。
全てを確かめたい気持ちに、必死に抗っていた。
。
(私は、命の。。だって。。でも、ダメよ。ダメって。)
「ちゅぅぅう。(アハハ)」「。。。(ヒイイイ。。いやあああ。)」
(お礼。お礼でしょ。でも、シル。はあああああ。シル。シルシル。
ドキドキ。違う。違うのシル。ドキドキドキドキ。揉みたい。舐めたい。
このまま。このまま。シル。。シル。いいよね。だって、私は。。)
突然のキスに抗っていた心は溶けて、
シルの身体を喜ばせようと、欲望通りに愛撫を始めていた。
「くちゅ。。グチュ。。」
(はあああああ。すごい、張りも。スベスベ。はあ。
感じてる?私も。私も。シル。シルもだよね。
だって、こんなに。こんなに。。熱くって、舐めたい。味わいたい。
私も。。私もなの。シル。シル。。)
「ギャッギャ。ギリギリ。。ギン。。ギン。ギャッギャ。」
。
「アアン。チュ。ジュルジュル。」「ハアハア。ぅゥ。うん。アアア。」
裸の女を離したくないと、片手で強く抱き寄せたまま、
残った手と身体を使って、必死に愛撫していた。
。
「ギギ。ギギャ。ギギャ。ギギギギギギ。」
「(マスター。あの子、そろそろ限界で、死にますよ。)」
「あっ。。ごめん。ごめん。。」「えっ。シル?」
「キン。ガラガラ。ギギン。ガラガラ。」
全裸に眼鏡だけの痴女が、
何かを忘れてたように呟いて、寂しそうな女から身体を離していた。
「。。。。。。。ハアハア。。ハアハア。」
抗っていた男は、嵐が終わったと安心して膝を着いていた。
「ハアハア。。」「ドサ。。。おわり」「いてええ。」
二人の自慰を見ている事しか出来なかった観客たちも、
身体の拘束が外れて安堵していた。
「おわった」「やばい」「いい身体だよな」「俺はガキじゃないけど」
「すげえな」「傷一つもない」「パイパン。」「綺麗な身体だよな」
安堵した観客も、さっきまで二人が抱き合う姿しか見えなかったので、
さっきまで気になっていた場所を、無遠慮に近づいて覗き込んでいた。
「。。。。えっ?」
「イヤ。。うっぐ。。」「アハハ。ごめんね。」「やばい?」
シルの悲しそうな視線と、観客のバツの悪そうな視線が交差した 。
「???。え。????」
自分の姿を見てから観客の顔を見ると、
観客達が真っ赤な顔のまま、視線だけをすぐに外していた。
「きゃああああ。いやあああああああ。見ないでぇぇぇぇ。」
周りを牽制するように、シルの絶叫が周りを満たしていた。
「ヒュン。。ヒュンヒュン。」
「ヒック。イヤよ。イヤよ。イヤ。ひっっひっひ。いやあああ。」
全裸を見せている事が恥ずかしいのか?
それとも、いつもの様に視線を集めたいのか?
全身をまるめて、ふさぎ込むようにしゃがんでいると、
深紅の剣が意志を持ったように脈動して、刀身が剥がれて飛び始めた。
「シル?。。ダメよ。。ダメったら。とめて。ダメよ。」
(この剣は生きているの?あの悪魔とは違って、今も生きているの?)
泣いている?シルの肩に手を添えて、止めさせようと身体を揺すっていた。
「ギャン。。ギンギン。。」
「はあああああ?やめろぉぉぉぉ。。俺は関係ないぞ。
俺は見ていない。俺は違う。あっち行け。あっちだって。
合格。シル。合格だって。だから、とめろ。合格だああ。」
襲ってきた破片に驚いて、抗いながら観客に向かって叫んでいた。
「誰か、毛布でも。洋服でも取ってこい。
本日のC級昇進試験は終了。終了だ。早くしろって。終わりだぞ。」
襲われている男に驚いて、試験官も周りを見て叫んでいた。
「あはは」「シルちゃん。見えないよ」「見えない、見えていないよ。」
被害者が一人だけなので、周りから嬉しそうな笑い声が聞こえていた。
「見ちゃダメぇぇぇぇ。いやあああ。」
観客のヤジも逆効果で、俯いたままで大声で叫んでいた。
「ヒュン。。ヒュン 。」
シルの声に反応して、新しい破片が被害者に飛んで行った。
「ギン。。えっ?俺は。。」「だから。早く。シルも、とめて。」
新しい被害者と観客の笑い声が混じっていた。
「ギンギン。。おわった。シルさん。おわり。ギガ。ギイン。
早く。洋服。早く。早くしてくれえぇぇ。ギン。」
疲れきった身体で、必死に抗おうと飛んでくる深紅の破片から逃げていた。
。。
全裸に胸元の許そうなロングワンピースを着たシルが、宿で休んでいた。
(マスターすみません。そろそろ限界です。暴走前に、お願いします。)
(そうねえ。今回は沢山働いちゃったから。。でも、襲っちゃうのは。。。
もう、襲っちゃう?もういっかな、でも先輩も来るし。。でも。。
今も、うーん。宿にも。。。。隣もかな。
アハハ。沢山いるから、少しつまんでも。つまんじゃおうかな。)
(マスター。その子じゃなくて。。出来れば、申し訳ないですが。
その剣を使うのなら、この前みたいに。。。(アレです。あれを。))
(あーー。。相棒も好きよね。扉を閉めてなかったのも?)(。。。)
(無駄に飛ばしていたよね。)(。)
(まあいっか、そっか、そうしましょう。ちょうど、いい子がいたわね。
だって、あの子がイケナイ。うふふ。あんなに触ってくるから。アハハ。
うふふふふふふ。寝かさないからね。じゃあ、てーーーんい。)
流されて⑭
観客たちも助けを求めてくる男を逃がすことも出来ずに、
ただ見つめて祈るか、助けを呼ぼうと呻き声をあげる事しか出来なかった。
助けを聞いて駆けつけてきた観客も同じように祝福を受けて、
他の観客を呼ぶだけの存在に変わっていた。
「ギギャギャ。ギギャギャ。ギギギ。ギャギャ。ギギギギ。」
祝福を授からない男は、
身体の周りで廻っている深紅の風から少しでも長く生き残ろうと、
自分の剣と盾を使って必死に抗っていた。
「ドクン。。ドクン。。ドクン。」
祝福をばらまいている女は、真っ黒な身体の表面に深紅の血管が浮き出て、
脈動しながら何かを送っていた。
このまま、全てを呑み込んで終わりそうな世界で、
たった一人だけ、一人だけ残された女のつぶやきから始まった。
「何をして欲しいの?」
腕を上げたまま片目から涙を流している女を見て、
何かを感じたのか、相手に問いかけていた。
「早く。早く押さえているうちに。。ギャハハ。もうすぐだ。」
いつまでも腕を振り上げたままで、
固まったように動かない黒い獣と、美しい女が答えていた。
「私に何かして欲しいの?それとも、何かを伝えたいの?」
明らかに聞いた事の無い獣の声が聞こえたので、繰り返し問いかけた。
「ヤメロ。ヤメロ。やっと、もう少し。もうすぐでだ。
早く。お願い。私が押さえているうちに、お願い。
お願い。。この。。あ。。やめろぉぉぉぉ。」
大きな力で無理やり押さえ付けられているのか、
獣が何かから抜け出そうとして小刻みに震えていた。
「何?何を伝えたいの?
シル。。。。あなたは、まだ。そこにいるの?その中なの?」
必死な女の言葉も途切れ途切れで、
何かを必死に押さえ込んでいる事だけは伝わっていた。
「殺す。ヤメロ。。。く。。やめろおお。。。ま。。ヤメロ。
くそぉぉお。もう少し。もう少しで、この腐った世の中を。。。
眷属達よ。。あの。。ダメよ。。。嫌だああ。やめろぉぉぉぉ。
ダメだ。行かせない。あなたは、ここで終わりよ。ここで終わるのよ。」
(そういえば、一歩も。少しも。。何?何をして欲しいの?
私が。。私に何か出来ること?。。あ。。くま?)
「シル。悪魔なの?ねえ、シル。そこに悪魔?あなたは、悪魔に?」
「ドク。ドクドクドク。ドクドク。」
黒い獣の焦った心を表すように、表面の血管が激しく脈動していた。
「早く。。おねが。。い。こいつが。。。ヤメロ。やめてくれ。
俺の。。もう少しだ。。。ギャハハ。。ごめ。。も。。。。」
「ドッッドッドッド。。ドッドッ。ドドドドド。」
何かを拒絶するように、激しく血液が送り込まれていた。
「アハハは、もう終わりだ。イケええ。眷属達よ。あの女を殺せぇぇ。」
もう流すものが無くなったのか、それとも力尽きたのか、
流れ出していた涙の代わりに、嬉しそうに笑いかけてきた。
「わかった。それが、貴方の探し物。これを探して旅をしていたのね。」
「。。。もう、大丈夫。」「ごめんなさい。友達は返してもらうわ。」
さっきまでの泣き顔とは違い、二人とも嬉しそうに笑っていた。
「天を覆う慈愛の神よ。私の友を救う光。光をこの場に。。
邪悪なる者を退ける光で友を救って。
イレイス・ブランデットおぉぉぉぉ。
消えろ悪魔あああ。消えてしまぇぇぇぇ。」
立ったままで動けない獣に触れて、
包んで友を奪おうとした悪魔に向かって魔法を放った。
「ぎやあああああああああ。。オノレ。何故だ。何故だ。何故。
嫌だ。嫌だ嫌だ。ぃぃぃいぎゃああああ。。。。いやあああ。
ピシ。。ピシピシ。。ピシピシ。」
「シル?。。。。。(私のシル。。。私のよ。)」
ひび割れ始めた皮の隙間から、美しい身体が透けて見えてくる度に、
獣の臭いが薄らいで、新しい獣の匂いが濃くなってきた。
「あ。。。と。。あと少し。もう少し。。。。。もう少しだったのに。
イヤだ。。きえたくない。た。。す。。ケテ。。。た。。。。。
ビキ。。。ビキビキ。。。ビギビリ。。バリイイイン。」
獣の声が女から消えると、全身を拘束していた皮に大きな亀裂が入り、
新しく生まれ変わる様に、剥がれて床に降り積もっていた。
「パラ。。パラパラ。。。あ。。ありがとう。。ありがとう。 (???)
ドサ。。アハハ。ありがとう。助かったわ。(終わった。終わった。)」
美しい傷一つ無い真っ白な身体を、
助けてくれた女にすがりつくように、倒れ込みながら抱きついていた。
「友達でしょ。(友達よ。だって。私は命の。恩人。)」
(よかった。よかった。すくえたの?シル。これで救えたの?
私は、恩人よね。そうよね。安心していいわよ。私は、恩人。。ふぅ。
うふふふふふふ。恩人だよね。じゃあ、これぐらい。
はあああああ。よかった。ドキドキ。いい匂い。気持ちいい。
このまま。これから。。。ハア。。すうっっ。。ハアア。。すぅぅぅ。
離したくない。シルは、私の。ハアハア。このまま。。)
シルの柔らかく張りのある美しい身体を、
髪も手も。脚も。背中も。首筋。唇。むね。お尻。
もちろん、隠された場所も。。。全てを。全部。
全てを確かめたい気持ちに、必死に抗っていた。
。
(私は、命の。。だって。。でも、ダメよ。ダメって。)
「ちゅぅぅう。(アハハ)」「。。。(ヒイイイ。。いやあああ。)」
(お礼。お礼でしょ。でも、シル。はあああああ。シル。シルシル。
ドキドキ。違う。違うのシル。ドキドキドキドキ。揉みたい。舐めたい。
このまま。このまま。シル。。シル。いいよね。だって、私は。。)
突然のキスに抗っていた心は溶けて、
シルの身体を喜ばせようと、欲望通りに愛撫を始めていた。
「くちゅ。。グチュ。。」
(はあああああ。すごい、張りも。スベスベ。はあ。
感じてる?私も。私も。シル。シルもだよね。
だって、こんなに。こんなに。。熱くって、舐めたい。味わいたい。
私も。。私もなの。シル。シル。。)
「ギャッギャ。ギリギリ。。ギン。。ギン。ギャッギャ。」
。
「アアン。チュ。ジュルジュル。」「ハアハア。ぅゥ。うん。アアア。」
裸の女を離したくないと、片手で強く抱き寄せたまま、
残った手と身体を使って、必死に愛撫していた。
。
「ギギ。ギギャ。ギギャ。ギギギギギギ。」
「(マスター。あの子、そろそろ限界で、死にますよ。)」
「あっ。。ごめん。ごめん。。」「えっ。シル?」
「キン。ガラガラ。ギギン。ガラガラ。」
全裸に眼鏡だけの痴女が、
何かを忘れてたように呟いて、寂しそうな女から身体を離していた。
「。。。。。。。ハアハア。。ハアハア。」
抗っていた男は、嵐が終わったと安心して膝を着いていた。
「ハアハア。。」「ドサ。。。おわり」「いてええ。」
二人の自慰を見ている事しか出来なかった観客たちも、
身体の拘束が外れて安堵していた。
「おわった」「やばい」「いい身体だよな」「俺はガキじゃないけど」
「すげえな」「傷一つもない」「パイパン。」「綺麗な身体だよな」
安堵した観客も、さっきまで二人が抱き合う姿しか見えなかったので、
さっきまで気になっていた場所を、無遠慮に近づいて覗き込んでいた。
「。。。。えっ?」
「イヤ。。うっぐ。。」「アハハ。ごめんね。」「やばい?」
シルの悲しそうな視線と、観客のバツの悪そうな視線が交差した 。
「???。え。????」
自分の姿を見てから観客の顔を見ると、
観客達が真っ赤な顔のまま、視線だけをすぐに外していた。
「きゃああああ。いやあああああああ。見ないでぇぇぇぇ。」
周りを牽制するように、シルの絶叫が周りを満たしていた。
「ヒュン。。ヒュンヒュン。」
「ヒック。イヤよ。イヤよ。イヤ。ひっっひっひ。いやあああ。」
全裸を見せている事が恥ずかしいのか?
それとも、いつもの様に視線を集めたいのか?
全身をまるめて、ふさぎ込むようにしゃがんでいると、
深紅の剣が意志を持ったように脈動して、刀身が剥がれて飛び始めた。
「シル?。。ダメよ。。ダメったら。とめて。ダメよ。」
(この剣は生きているの?あの悪魔とは違って、今も生きているの?)
泣いている?シルの肩に手を添えて、止めさせようと身体を揺すっていた。
「ギャン。。ギンギン。。」
「はあああああ?やめろぉぉぉぉ。。俺は関係ないぞ。
俺は見ていない。俺は違う。あっち行け。あっちだって。
合格。シル。合格だって。だから、とめろ。合格だああ。」
襲ってきた破片に驚いて、抗いながら観客に向かって叫んでいた。
「誰か、毛布でも。洋服でも取ってこい。
本日のC級昇進試験は終了。終了だ。早くしろって。終わりだぞ。」
襲われている男に驚いて、試験官も周りを見て叫んでいた。
「あはは」「シルちゃん。見えないよ」「見えない、見えていないよ。」
被害者が一人だけなので、周りから嬉しそうな笑い声が聞こえていた。
「見ちゃダメぇぇぇぇ。いやあああ。」
観客のヤジも逆効果で、俯いたままで大声で叫んでいた。
「ヒュン。。ヒュン 。」
シルの声に反応して、新しい破片が被害者に飛んで行った。
「ギン。。えっ?俺は。。」「だから。早く。シルも、とめて。」
新しい被害者と観客の笑い声が混じっていた。
「ギンギン。。おわった。シルさん。おわり。ギガ。ギイン。
早く。洋服。早く。早くしてくれえぇぇ。ギン。」
疲れきった身体で、必死に抗おうと飛んでくる深紅の破片から逃げていた。
。。
全裸に胸元の許そうなロングワンピースを着たシルが、宿で休んでいた。
(マスターすみません。そろそろ限界です。暴走前に、お願いします。)
(そうねえ。今回は沢山働いちゃったから。。でも、襲っちゃうのは。。。
もう、襲っちゃう?もういっかな、でも先輩も来るし。。でも。。
今も、うーん。宿にも。。。。隣もかな。
アハハ。沢山いるから、少しつまんでも。つまんじゃおうかな。)
(マスター。その子じゃなくて。。出来れば、申し訳ないですが。
その剣を使うのなら、この前みたいに。。。(アレです。あれを。))
(あーー。。相棒も好きよね。扉を閉めてなかったのも?)(。。。)
(無駄に飛ばしていたよね。)(。)
(まあいっか、そっか、そうしましょう。ちょうど、いい子がいたわね。
だって、あの子がイケナイ。うふふ。あんなに触ってくるから。アハハ。
うふふふふふふ。寝かさないからね。じゃあ、てーーーんい。)
流されて⑭
0
あなたにおすすめの小説
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
完結(R18 詰んだ。2番目の夫を迎えたら、資金0で放り出されました。
にじくす まさしよ
恋愛
R18。合わないと思われた方はバックお願いします
結婚して3年。「子供はまだいいよね」と、夫と仲睦まじく暮らしていた。
ふたり以上の夫を持つこの国で、「愛する夫だけがいい」と、ふたり目以降の夫を持たなかった主人公。そんなある日、夫から外聞が悪いから新たな夫を迎えるよう説得され、父たちの命もあり、渋々二度目の結婚をすることに。
その3ヶ月後、一番目の夫からいきなり離婚を突きつけられ、着の身着のまま家を出された。
これは、愛する夫から裏切られ、幾ばくかの慰謝料もなく持参金も返してもらえなかった無一文ポジティブ主人公の、自由で気ままな物語。
俯瞰視点あり。
仕返しあり。シリアスはありますがヒロインが切り替えが早く前向きなので、あまり落ち込まないかと。ハッピーエンド。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる