オレの強さは出目しだい!~時々最強 時々最弱 全ては運しだい!

眼鏡羊

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第0章 プロローグ

第1話 帰郷と再会

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ジャリッ

「おー、懐かしい!全然変わってないや!」

今年の春、県外の高校を卒業した俺は、生まれ育った街で就職が決まり地元に帰って来た。高校は全寮制だったので地元に帰って来るのは実に3年ぶりだ。

あの頃大きく感じた正門も少し小さく見える。門の前でそんな事を考えながら物思いに物思いにふけっていると、横から声をかけられた。

「おい、誰か知らんがここは部外者以外立ち入り禁止だぞ。それとも生徒の関係者か?」

ん?もしかしてこの声は・・・

「先生!安藤先生じゃないっすか!全然変わってないですね」

「誰だお前?俺を知ってるのか?」

えっ?先生俺を覚えてないのか?

「何言ってんですか忘れちゃったんですか、俺ですよ俺、
3年前卒業した三矢  盤です。覚えてないですか?」

それを聞いて先生は俺の顔をジロジロ見てから思い出したように言った

「盤?あの盤か?おいおい懐かしいじゃないか!なんだよお前、身長伸び過ぎて全然わかんなかったよ」

思い出してくれたのは嬉しいんだけど背中を叩くのは勘弁して欲しいな

「先生痛いっすよ。実は、高校入ったら20cmも伸びちゃいまして、あの頃は先生の胸ぐらいしか身長なかったですからね。気づかないのも無理ないっすね」

「お前はクラスで一番小さかったからな、チビの印象が強すぎるんだよ」

チビって酷いだろまぁ、確かに俺はクラスで一番小さかったけどさ 

「それで急にどうしたんだ?」

「こっちで就職が決まったんで帰ってきたんですよ。なにせ3年ぶりですからなにもかもが懐かしくて、色々廻ってたら最後に母校を見に行こうかなって思いまして」

「そうか盤は確か、高校は九州の方に行ったんだよな。それに就職決まったのかおめでとう」

笑顔でおめでとうと言ってくれる先生に嬉しくも違和感を覚えてしまう、中学の時はよく悪さして怒られてばっかりだったしな、怒り顏の方が安藤先生って感じがするしな

「それでさ先生ちょっと3年の時の教室見せてもらっていい?ここまで来たらどうしても見たくなってさ。先生、お願い!」

先生は少し困り顏だ

「まぁ、今は春休みの真っ最中だし構わんが、春休みと言っても何人か生徒は来てるんだからナンパとかするなよ」

そう言って先生は俺に軽く睨みを利かしてくる。昔の悪行のせいで俺信用ないな

「分かってるって先生。教室を覗くだけだよ」

「ほんとか~」

「信用してよ先生」

先生は俺の言葉を聞いて疑いながらも校内に入る許可をくれた

「終わったら一応職員室に声掛けに来いよ。来なかったら仕事場に乗り込んで拳骨食らわせに行くからな」

はは、先生はほんと変わってない

先生と別れ校内を進む。相変わらず綺麗に咲いている桜並木、春休みだってのに聞こえてくる野球部の掛け声や吹奏楽部の楽器の音、全部が懐かしい

俺は3階に向かった。俺は3ーB組だったから俺がいた教室は奥から2番目にある

それに3階にはもう一つ楽しみがある。この中学は小高い丘の上に立っている為景色がかなりいいのだ。周りには遮る建物もない為街が一望できる。

廊下の窓から見える桜と少し変わってしまった街をしばらくぼーっと眺めていると、背後から不意に声を掛けられた

「盤兄ちゃん?」

「ん?」

声に反応して振り向いたのだがそこにいた少女に見覚えがない。こんな可愛い中学生に知り合いなんて居たっけ?

「やっぱり盤兄ちゃんだ!3年ぶりだね!元気だった?」

「えーと、俺の事知ってるの?」

そう聞くと少女は驚き、そして少し悲しそうな顏をする。
 
「覚えてないかな?3年ぶりだもんね。身長も伸びたし分かんないよね。・・・夕陽だよ、従姉妹の夕陽」

・・・・えっ?

「えーー!!夕陽ちゃん!?」

えっ?えっ?本当に?

俺の記憶にある夕陽ちゃんは背が俺のお腹ぐらいまでしかなかったし、こんなに・・・可愛くなかった。

いつも会うたびに「空手の練習相手してよ」とか言って、いつも殴られてた記憶しかない。
もちろん体格差もあるから痛くなかったけど・・・少ししか・・・

昔は髪も短くてどっちかというと男の子みたいだったのに
今の彼女は完全に美少女って言ってもおかしくない感じだしさ、そりゃ分かんないって


「いや、その、昔は男の子みたいに髪が短かったし、
身長も伸びてるし、それにこんなに可愛くなかったし。
・・・あっ」

やばいやらかした!と思う前に夕陽ちゃんは俺の胸ぐらを掴んで笑顔で俺を引き寄せた

「ふ~ん、盤兄ちゃんって私の事そんな風に思ってたんだ。へ~、男の子みたい?可愛くない?・・・盤兄ちゃんも言うようになったね」

 胸ぐらを掴む夕陽ちゃんの手は力強く少し息が苦しい。どうやら今も空手を続けているみたいだ。
 
あと・・・顔が近い!

恥ずかしさと気まずさで顏を赤くし、顏を背けてしまう

「ちょっと盤兄ちゃん!どっち向いてんの!ちゃんとこっち見てよ!」

「いや、見たいんだけどなんというか、か、顔が近いかなと・・・」

「顔が近い?・・・な、何言ってんの!こ、これは盤兄ちゃんを問い詰めようとしただけでわざとじゃないんだから!」

いや、なんで夕陽ちゃん頬を赤らめながら、さらに腕に力をこめてんの!落ちる、本当に落ちるから!

「わ、分かってるからそろそろ力を緩めてもらえると嬉しいんだけど。ちょっと苦しい」

「あ、ごめん盤兄ちゃん」

そう言ってようやく手を離してくれた。・・・最近の女の子って怖い!

「はぁ、はぁ、ありがともう少しで落ちるとこだったよ。」

「ふんっ!私の悪口を言った盤兄ちゃんが悪いんだからね!」

顏を背けながら文句を言う夕陽ちゃんの頬は赤く染まったままだ。・・・ほんと、可愛くなったもんだ

「それにしてもなんで夕陽ちゃんが中学校に居るの?確か今年から高校生じゃなかったっけ?」

「そうなんだけど、今日は後輩に指導頼まれてたの」

「へ~、後輩に指導、夕陽ちゃん慕われてるんだね」

軽い気持ちで言ったのだが、夕陽ちゃんは頬だけじゃなく顔全体を赤くしながら背中をバシバシ叩いてきた

「もう!別に慕われてなんてないよ!恥ずかしい事言わないで!」

「いたっ、ごめん、ごめんって。あとほんと勘弁して下さい背中痛いです」

「なによ、これぐらいで!ほんと盤兄ちゃんは軟弱なんだから!」

この痛さは絶対軟弱だとか関係ないって!

「それで、盤兄ちゃんはなんでここにいるの?」

「さっきこっちに帰って来たんだ。向こうの高校卒業してこっちで就職が決まったんだよ。」

俺の返答を聞いて夕陽ちゃんはなぜか嬉しそうにしている

「へ、へ~、そうなんだー。じゃ、じゃあこれからはずっとこっちにいるの?」

「ん?いるよ。やっぱ地元が一番だしね、なんか安心出来るんだよ。」

「ふ~ん、そうなんだ。これからずっといるんだ・・・・・よかった」

?最後の方は聞き取れなかったがやはり夕陽ちゃんは嬉しそうにしている。

わからん、なんか喜ばせる様な事言ったか?


そんな事を考えていると不意にチャイムがなった。チャイムを聞いた夕陽ちゃんは急に慌てだした

「あっ!ごめん盤兄ちゃんちょっとここで待ってて、すぐ戻って来るから!」

そう言って夕陽ちゃんは教室が並ぶ廊下を走り出そうとした

「どうかしたの?」

「3年の教室に友達待たせてるの!その子も今日部活に指導に来てたんだけど一緒に帰る約束してるの忘れてた!」

「じゃあ、俺先に帰ってるよ」

俺がそう言うと少し怒った顏で夕陽ちゃんが振り向いた

「いいからそこで待ってる!勝手に帰ったら家まで押しかけて殴るから!」

「は、はい、分かりました」

夕陽ちゃんの迫力につい敬語になってしまった
それに殴るからって・・・。見た目は可愛くなったのに中身はあんまりかわってないらしい。俺は苦笑いを浮かべながら走っていく夕陽ちゃんの背中を見ていた

ふと、腕時計を見ると15時を少しまわったところだ。春の暖かさを感じながら外の景色を眺め夕陽ちゃんが友達を連れてくるのを待つ事にした


・・・・・30分後


時計を見ると夕陽ちゃんが友達を迎えに行ってからもう30分もたっている

さすがに遅すぎる。そう思い夕陽ちゃんが入って行った教室へと向かった

教室に着きドアを開け中を確認するが夕陽ちゃんの姿はない。

「もしかして、人にあんな事言っといて先に帰ったのか?でも、そんな事する子じゃないしな。」

呟きながら教室の中に入ると視界の隅に何か入る

「これは?」

視界の隅に入った物は2つのカバンだった。1つは夕陽ちゃんのカバンだろう。3年前、夕陽ちゃんにねだられてあげたキーホルダーが付いている

カバンだけここに置いてどこかに行ったのか?そう思いカバンに近づいた時だった。足元が光始める

「えっ!」

光はあっという間に変な模様となる

「う、動けない」

光の中から出ようとするのだが体が動かない。それでもなんとかしようともがいていた時だった

足元の光が弾ける様に教室を包む。そして何故か俺の意識が薄れていく

「なんだ・・・・・これ・・・」

そう呟き盤は教室の床に倒れこんだ。教室に広がった光は倒れた盤に絡みつく様に集まっていき、盤を繭の様に包むと次の瞬間散ってしまった

だが、光が消えた後には盤の姿はない

ただ、2つのカバンが残されているだけであった・・・・




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