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DIY、祭りに現れる
緊急納品 前篇
しおりを挟む生産ギルドで特級会員である証明印が刻まれたカードを提示し、迷宮に関する情報を開示してもらう。
すると俺の予想以上に、豊富な情報が受付嬢の口頭で伝えられる。
「──以上がこの生産ギルドで集められた、情報のすべてです。何か質問はございますでしょうか?」
「……意外と多いのですね」
「生産職の方の中には、直接素材を採りに行く方がいますので。そうして発見した情報をこちらに持ち込んでくれるのです」
「なるほど……それででしたか」
そういう意味では、俺もその類いと同じことをしているだろう。
唯一にして絶対的に違うのは、その迷宮を完全に独占していることだけだ。
さて、情報を集め終えたので出ていこうとする俺を──受付嬢が引き止める。
「あ、あの……一つ、ギルドから依頼を頼みたいのですが……」
「依頼ですか? 私は通常の依頼は受けられないと前の町で伝えられたのですが……」
「え゛っ? しょ、少々お待ちください!」
どうやら事情を教えてもらっていなかった受付嬢は、特級会員という点だけで依頼を出そうとしていたようだ。
すぐに確認をすると奥に入ると、顔を真っ青にして戻ってくる。
「もも、申し訳ございませんでした!」
「ああ、いえいえお気になさらず。私もずいぶんと慣れましたので」
「そ、そういうわけにはいきません! どうかご容赦を!」
「……『SEBAS』、ギルドカードに何か書かれているのか?」
前に一度見ていたのだが、特級会員になってからはまだしていない。
そうなると、何かメッセージでも用意されているかと疑いたくなる。
《──いえ、変化はございません。しかし旦那様、『超越者』扱いを伝える方法は依頼受注のはず》
(あー、それだけで反応するのか。あの街の受付嬢は、いつも俺に容赦ないからすっかり忘れてたよ)
指定依頼OO。
これは『超越者』に関わることだという符丁なのだが、まったく使っていなかったのでさっぱり忘れていた。
俺の場合はこちらではなく、ギルド長に届ける薄めた蘇生薬に関する依頼の方がよく話に出ていたからな。
「あの、ツクル様……一つ、お願いをしてもよろしいでしょうか?」
「内容によりますね」
「実は回復薬が足りておらず、その補充をしていただきたいのです。これは依頼の例外に該当する緊急的なモノですので、納品だけは可能となります」
「…………なるほど、分かりました」
緊急時の納品は、作られた品の品質さえ良ければどのランクの会員のアイテムだろうと受け入れてもらえるというものだ。
なるほど、これを逆手に取ればいちおう依頼ができるのか。
しかし、事情を聴かないとな。
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