配信初心者の私、プロ指示厨の言いなりで気づけば百合ハーレム完成!?

マグローK

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第17話 慕ってくれるクールっ子

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 少し小走りで学校から帰ってくると、自宅の前に人の影。
 まるで誰かを探しているような感じで中をのぞいているのは青髪ショートカットの女の子。

「あれ? 静奈ちゃんだ」

 私の家については、昨日、何かあった時のためにメッセージで共有していたけど、まさか何かあったのかな?
 私はちょっとだけ胸の内にヒヤリとしたものを感じて急いで走った。

「静奈ちゃん? どうしたの? 何があったの?」

「の、のぞみちゃん!?」

 私が慌てて話しかけると、静奈ちゃんがちょっとだけ跳んで振り返ってきた。
 2度ほどぱちぱちとまばたきしてから、静奈ちゃんは見たことないほど目とお口を開けてしばらくの間固まったまま私のことを見て動かなくなっちゃった。

 気絶していないか確かめるためにも私は静奈ちゃんの眼前で手を振ってみた。

「お、おーい?」

「はっ」

「ごめん。驚かせちゃったかな」

「う、うん。どうも」

 目を泳がせながらもいつもの調子を取り戻し始めている静奈ちゃん。
 せっかくならもうちょっといたずらして別の表情を見てみたいところだけど、昨日の帰りですでにめんどい絡みをしてしまっているので、ここで縁を切られないためにセーブ。

「中をのぞいてたみたいだけど、私に急用? 待ち合わせは昨日のダンジョンで大丈夫だったけど、何かあったかな?」

「いや、そうじゃないけど、せっかくならダンジョンまで一緒に行けたらなって」

 ほう。ほうほう。
 にゃんじゃいな。それは嬉しくなっちゃうな。

 何? 私とおしゃべりしたかったってこと? それでわざわざ来てくれたの?

 うふ。うふふふふ。

「どうしたの? 急にニヤニヤして」

「いやぁ。なんでもないよぉ。静奈ちゃんに何かあったんじゃないかって心配しただけ」

「そ、そう? それにしてはやけに嬉しそうに見えるけど」

「だったらよっぽど私が安心したんだよぉ」

 後輩に頼られるってのも憧れだったけど、一緒に行きたいなんて嬉しいに決まってるじゃないか。
 いやぁ、完全に我が世の春って感じ。

「でも、準備がなー。すぐ終わるけど、ここで待たせるのも変だし……そうだ。上がって上がって」

「悪いよ」

「いいからいいから。中学生が遠慮しない」

 私は静奈ちゃんの背中を押しながら家へ連れ込み、もとい招待した。
 といっても、我が部屋の中に大人ぶれるようなものもそんなポイントもない。
 自室に招いて部屋でも見ていてもらうだけだ。
 待たせすぎる訳にはいかないし、重畳寺先輩も待たせることになるのでさっさと準備!

「あっ」

 私がおもむろに制服を脱ぎだすと静奈ちゃんは恥ずかしそうに視線をそらした。

「別に私のことは気にしないで部屋を見てていいよ?」

「でも見えちゃう」

「本当に気にしなくてもいいんだけど……」

 とはいえ、このまま気にしないでと言い続けたら、私が見せたいみたいになりそう。
 それはそれで変な感じになるよなぁ……。

「そうだ。昨日私が見ちゃったからこれでおあいこってことにしない?」

 ぺろっと舌を出すと今回ははにかんでくれた。

「それならわかった」

 やっぱりちょっとだけ打ち解けてきたかな?

「ありがと。じゃ、ちょっと待っててね」

 私が着替えに戻ると、異様に静奈ちゃんの視線が私に集中し出した。
 なぜだか開き直ったかのように私のことをガン見してきている。

 え、なんで?

「さすがにそこまでみられるのは恥ずかしいかも……」

「のぞみちゃんって肌綺麗」

「静奈ちゃんほどじゃないよ」

「ワタシ、そんなこと言われたことない」

「そうなの? えーすべすべで綺麗じゃん」

「ひゃあっ」

 仕返しとばかりに飛びついてみると静奈ちゃんの体がビクッと跳ねた。

「触られ慣れてないの? 敏感だねぇ」

「びっくりしただけ」

「そ?」

 ふふっと笑って私は準備に戻った。

 ちょっとだけさびしそうな顔をしていると思い込みそうになったけれど、調子に乗ってはいけない。
 姪っ子ちゃんみたいにしつこくしすぎて会うたび背中を蹴られる関係とかにはなりたくない。




 待ち合わせ場所である昨日のダンジョン前まで静奈ちゃんと一緒に向かった。
 道中、ダンジョンとは関係のないプライベートな話もできて、より静奈ちゃんの緊張が解けてきた気がする。

 私が中学生だった頃って、高校生がとんでもなく大人に見えたからなぁ。普通に話せるくらいになれたのは超絶進歩じゃなかろうか。
 ま、静奈ちゃん大人っぽいから私が手玉に取られてるだけかもだけど。

「重畳寺せんぱーい」

 見えてきた重畳寺先輩の姿に手を振るも、仁王立ちのような姿勢で手を振り返してくれない。
 ちょっとドキッとしたけど、近づいてみても人違いではなかった。
 しかし、私たちが視界に入った時から険しく眉間にシワを寄せている。

 見た目が幼いからあんまり似合わないけど、どうしたんだろう。

「あの。重畳寺先輩?」

 私がおそるおそる顔をのぞいてみると、への字口をした重畳寺先輩が目を見開いた。

「遅い。何道草食ってるのよ」

「ごめんなさい」

「で、どうしてあんたはのぞみと一緒に来てる訳?」

 重畳寺先輩にすごい剣幕のまま聞かれたものの、静奈ちゃんは不思議そうにただ小首をかしげた。

「待ち合わせしたから?」

「静奈ちゃんがうちに来てたんだけどね?」

「そうだっけ? うん。そう」

「はあああ?」

 なぜかちょっとだけ怒ってるみたいな調子で重畳寺先輩は眉根をつり上げながらビシッと私たちに人差し指を突き出してきた。

「どうやって!」

「連絡先を交換したんですよ」

「いつ?!」

「いつってあの後です。私が静奈ちゃんと帰ってる時。ねー」

「うん」

 またしてもなぜだか重畳寺先輩はプルプルと肩をふるわせ出した。
 まるで心底怒っているみたいに顔まで真っ赤にして私の胸ぐら、というか小さすぎてお腹の辺りを掴んできた。

「な、なんですか。落ち着いてください。」

「これが落ち着いていられるかっての。まだあたし、あんたの連絡先教えてもらってないけど?」

「大先輩に対してまだ数回しか会ってないのに連絡先を交換するのは失礼かなって」

「失礼じゃないわよ。聞きなさいよ。あたしも忘れてたんだから。教えなさいよ」

「いいんですか?」

「いいでしょ」

「でも、DMでも連絡はできますよ?」

「あれは別だから!」

 思わぬ連絡先交換を果たし、ちょっとホクホクした気持ちになっていると、重畳寺先輩による怒りの矛先は静奈ちゃんへと向かった。

「なにワタシは関係ありません。みたいにしてるのよ」

「ワタシ?」

「あんた以外いないでしょ。あんたのも教えなさいよ」

「え?」

「え? じゃない。あんたの方がより緊急性高いでしょ。外部の大人はあんまり信頼できないかもしれないけど、せめてわたしのことくらいは頼りなさい」

「重畳寺ちゃん……」

「……ねえ、なんかわたし舐められてない?」

「そうですか?」

 平常運転だと思うのだけど、何か変わったことでもあったかな。
 重畳寺先輩はため息をつくと、何かを諦めたのか静奈ちゃんと連絡先を交換し始めた。
 みんなで連絡先を交換し合う。
 探索ぼっちだっただけに感激だ。

「さてと。それで、目的地にはどうやって行くの? 昨日のあんたのうわさじゃないけどまさか走って行くとか言わないでしょうね」

「言いませんよそんなこと」

 まだ謎の都市伝説扱いされているのは心外だ。
 私だって人目につかない移動方法を心得ているというのに。

 私は笑いながら重畳寺先輩と静奈ちゃんを俵のように担いだ。
 すると、手足をぶらぶらさせながら右側で重畳寺先輩が暴れ出した。

「なんでまた暴れるんですか」

「いや、急に何するのよ。なんの真似?」

「飛ぶんですよ」

「と、飛ぶ……?」

 重畳寺先輩の動きが一瞬固まった隙を見逃さず、私はダンジョンの離陸地点から思いっきり飛び上がった。
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