19 / 60
第19話 クラスでの評価!
しおりを挟む
ああー! 思考を整理したい!
配信もモンスターも、なんだかイマイチ理解が追いついていない気がするけれど、なんとかなった。多分……。
しかし、配信したことで確実に世間に対して俺の顔がバレたのだが……。
そんなことがあっても日常は続く。
「ああー」
俺は新しい制服を見ながら目をつぶる。
えりちゃんからしっかりと女子の制服を押し付けられた。
今までのものは、もうサイズが合わないから着られないため仕方がない……。
それは理解できるのだが……。
「装備に比べれば多少マシだ」
男のスカートってのもまあ、文化的にあるだろうし、そもそも和服はスカートみたいなものだし……。
自分に納得させるための論理が大量に渦巻いているが、なんかこう違うじゃん。制服がってのは!
とか思いながらも着ているのだが、えりちゃんの教え方、服に関してはめちゃくちゃ上手かったせいか、まるでこれまでも着ていたかのように自然と着られてしまった。
下着も、少し慣れてきている自分がいる。
恐ろしい……。
何か刷り込まれているのか……?
「バカなこと考えてないで学校行こ」
「うおー! 英雄だ! 我らが大英雄だ!」
「いいのんを助けてくれた神!」
「あれ高梨くんだったんだね。あ、今は高梨ちゃん? いや、しょうちゃんだよね!」
「えぇっ!? え、え?」
教室まで来ると、スキルで隠していてもさすがに俺を個体認識しているらしく、今までえりちゃんを取り囲んでいたような人だかりが俺の周りにできてしまった。
配信の時のコメントばりに、大量の言葉を一斉に浴びせられて、どっから処理すればいいのかまったくわからん!
「はいはい! しょうちゃん困ってるでしょー!」
えりちゃんが手を叩くだけで集団は静かになり、動きは止まり、俺はえりちゃんに背中を押されるまま人混みを出ることができた。
「……しょうちゃん、えりちゃん呼び、いい!」
なんだか今まで感じたことのない熱っぽい視線を浴びて背筋がゾワっとしたが、俺は無事席にたどり着いた。
「あ、ありがと」
「これくらい気にしないで」
「えっと、おはよう」
「おはよう桃山くん。突然だけど、わたしと席変わってくれるかな?」
「も、もちろん!」
桃山くんは喜び勇んで荷物を持ってどこかへ行ってしまった。
これがカリスマ。
「ふふん!」
そして、なぜか俺を抱きしめながら、クラスメイトたちを見て鼻を鳴らすと、俺の隣の席に座った。
これは、なんだろう?
「これでわたしは晴れてしょうちゃんの隣の席だね」
「確かに、えりちゃんが近くにいてくれた方が気がラクかな」
「そうでしょそうでしょ?」
任せてとばかりに胸を張っている。
えりちゃんは朝から元気だな。
ただ、人に囲まれることにまったく慣れていないことを思えば、頼りになるというのは、事実言葉の通りだ。
世間への対応というか、周囲への対応はえりちゃんの方が心得ているはず。
いや、でもさっきのはちょっとまずかったんじゃ……?
ちらっと入口の方を見ると、未だ集まっているクラスメイトたちは、俺たちを見て何やらヒソヒソと話している。
「……やっぱり」
「何が?」
「ううん」
確か、身体能力だけでなく、五感も強化されるスキルもあったはず。
こういう時どうすればいいか知るためにも、耳を澄まして……。
「なあ、このクラスすげーよな」
「ホント。高校生探索者がいるってだけですごいのに二人もいるってヤバいよ」
「しかも、二人とも高校生なのにもうトップみたいなものでしょ?」
「憧れちゃうなぁ」
あれ……?
「しかも、あんまし嫌な感じじゃないしな」
「こういうのって、たいていすぐ天狗になったりするのにね」
「伊井野さんは元から人ができてるし」
「高梨くんなんか、元から静かだったけど、それが今となってはちょっとかわいくない?」
「それ、何目線?」
あれあれ……?
こそこそと話しているから、てっきり悪口でも言っているのだと思ったのだが、俺やえりちゃんのことを悪く言ってなさそう……。
むしろ、いいように言われている?
盗み聞きとかして疑ってた俺が悪いやつじゃん。反省しよ。
「どしたの? 赤くなって」
「ち、近っ! い、いや」
「なになに? ぼーっとしちゃって」
「その、えりちゃんて距離近くない? 俺、男だよ?」
「だから?」
「え?」
「別に近くに寄りたいなぁって思うのは、誰に対してもおかしなことじゃないでしょ?」
「でも……」
「ははーん。さては特別な理由がないと人に触っちゃダメとか思ってるな?」
「いや、俺がやったら痴漢だって、ひゃ、ちょ、やめ!」
「ほらほらほらー。こうやってじゃれたことないでしょー」
「ちょ、くすぐったい。やめ。は、ははははは!」
ああ。なんで高校生にもなって人にくすぐられるなんて……。
まじで死んだ。あれは死んだ。
思い出すだけでなんかぞわぞわする。
本当に、びっくりすることばっかりだ。
まあ、ありがたくはあるんだけどな。えりちゃんのおかげで正気を保てている気がするし。
「ふぅ」
ちょっと一息つこうと、今は、学校の中でも人の少ない静かな場所に来ているのだが。
「誰かいる」
いつも俺の一人で過ごす聖域に珍しく誰かいる。
しかも、なんだかブカブカの制服を着た人がいる。
小さい、女子、かな?
まるで俺を見ているみたいだ。
遠目から見て何だか怖そうな雰囲気だし、ヤンキーってやつかな?
避けよ……。あ、やばい、気づかれたっぽい。
配信もモンスターも、なんだかイマイチ理解が追いついていない気がするけれど、なんとかなった。多分……。
しかし、配信したことで確実に世間に対して俺の顔がバレたのだが……。
そんなことがあっても日常は続く。
「ああー」
俺は新しい制服を見ながら目をつぶる。
えりちゃんからしっかりと女子の制服を押し付けられた。
今までのものは、もうサイズが合わないから着られないため仕方がない……。
それは理解できるのだが……。
「装備に比べれば多少マシだ」
男のスカートってのもまあ、文化的にあるだろうし、そもそも和服はスカートみたいなものだし……。
自分に納得させるための論理が大量に渦巻いているが、なんかこう違うじゃん。制服がってのは!
とか思いながらも着ているのだが、えりちゃんの教え方、服に関してはめちゃくちゃ上手かったせいか、まるでこれまでも着ていたかのように自然と着られてしまった。
下着も、少し慣れてきている自分がいる。
恐ろしい……。
何か刷り込まれているのか……?
「バカなこと考えてないで学校行こ」
「うおー! 英雄だ! 我らが大英雄だ!」
「いいのんを助けてくれた神!」
「あれ高梨くんだったんだね。あ、今は高梨ちゃん? いや、しょうちゃんだよね!」
「えぇっ!? え、え?」
教室まで来ると、スキルで隠していてもさすがに俺を個体認識しているらしく、今までえりちゃんを取り囲んでいたような人だかりが俺の周りにできてしまった。
配信の時のコメントばりに、大量の言葉を一斉に浴びせられて、どっから処理すればいいのかまったくわからん!
「はいはい! しょうちゃん困ってるでしょー!」
えりちゃんが手を叩くだけで集団は静かになり、動きは止まり、俺はえりちゃんに背中を押されるまま人混みを出ることができた。
「……しょうちゃん、えりちゃん呼び、いい!」
なんだか今まで感じたことのない熱っぽい視線を浴びて背筋がゾワっとしたが、俺は無事席にたどり着いた。
「あ、ありがと」
「これくらい気にしないで」
「えっと、おはよう」
「おはよう桃山くん。突然だけど、わたしと席変わってくれるかな?」
「も、もちろん!」
桃山くんは喜び勇んで荷物を持ってどこかへ行ってしまった。
これがカリスマ。
「ふふん!」
そして、なぜか俺を抱きしめながら、クラスメイトたちを見て鼻を鳴らすと、俺の隣の席に座った。
これは、なんだろう?
「これでわたしは晴れてしょうちゃんの隣の席だね」
「確かに、えりちゃんが近くにいてくれた方が気がラクかな」
「そうでしょそうでしょ?」
任せてとばかりに胸を張っている。
えりちゃんは朝から元気だな。
ただ、人に囲まれることにまったく慣れていないことを思えば、頼りになるというのは、事実言葉の通りだ。
世間への対応というか、周囲への対応はえりちゃんの方が心得ているはず。
いや、でもさっきのはちょっとまずかったんじゃ……?
ちらっと入口の方を見ると、未だ集まっているクラスメイトたちは、俺たちを見て何やらヒソヒソと話している。
「……やっぱり」
「何が?」
「ううん」
確か、身体能力だけでなく、五感も強化されるスキルもあったはず。
こういう時どうすればいいか知るためにも、耳を澄まして……。
「なあ、このクラスすげーよな」
「ホント。高校生探索者がいるってだけですごいのに二人もいるってヤバいよ」
「しかも、二人とも高校生なのにもうトップみたいなものでしょ?」
「憧れちゃうなぁ」
あれ……?
「しかも、あんまし嫌な感じじゃないしな」
「こういうのって、たいていすぐ天狗になったりするのにね」
「伊井野さんは元から人ができてるし」
「高梨くんなんか、元から静かだったけど、それが今となってはちょっとかわいくない?」
「それ、何目線?」
あれあれ……?
こそこそと話しているから、てっきり悪口でも言っているのだと思ったのだが、俺やえりちゃんのことを悪く言ってなさそう……。
むしろ、いいように言われている?
盗み聞きとかして疑ってた俺が悪いやつじゃん。反省しよ。
「どしたの? 赤くなって」
「ち、近っ! い、いや」
「なになに? ぼーっとしちゃって」
「その、えりちゃんて距離近くない? 俺、男だよ?」
「だから?」
「え?」
「別に近くに寄りたいなぁって思うのは、誰に対してもおかしなことじゃないでしょ?」
「でも……」
「ははーん。さては特別な理由がないと人に触っちゃダメとか思ってるな?」
「いや、俺がやったら痴漢だって、ひゃ、ちょ、やめ!」
「ほらほらほらー。こうやってじゃれたことないでしょー」
「ちょ、くすぐったい。やめ。は、ははははは!」
ああ。なんで高校生にもなって人にくすぐられるなんて……。
まじで死んだ。あれは死んだ。
思い出すだけでなんかぞわぞわする。
本当に、びっくりすることばっかりだ。
まあ、ありがたくはあるんだけどな。えりちゃんのおかげで正気を保てている気がするし。
「ふぅ」
ちょっと一息つこうと、今は、学校の中でも人の少ない静かな場所に来ているのだが。
「誰かいる」
いつも俺の一人で過ごす聖域に珍しく誰かいる。
しかも、なんだかブカブカの制服を着た人がいる。
小さい、女子、かな?
まるで俺を見ているみたいだ。
遠目から見て何だか怖そうな雰囲気だし、ヤンキーってやつかな?
避けよ……。あ、やばい、気づかれたっぽい。
10
あなたにおすすめの小説
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?
嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】
ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。
見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。
大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!
神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。
「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる