TSしたダンジョン配信者は無自覚で無双する〜かわいい見た目と超絶スキルで美少女をイレギュラーから救いバズりの嵐を生む〜

マグローK

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第25話 女性救出!

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「……ひっ」

「やっぱり人の声がしてるよ。助けないとじゃない?」

 誰の声かはわからないが、確実に人の声だった。
 タイミング悪くモンスターの大量発生に巻き込まれた探索者は俺たち以外にもいたみたいだ。

「ゆいちゃん聞こえました?」

「いいや? モンスターの声じゃないのかい?」

「いいえ、人の声です。俺に見えてる反応からしても、まだ大量発生は収まっていないと思う。他のところで一人、巻き込まれている人がいる。だから多分、聞き間違えじゃないと思う」

 どういうわけか、えりちゃんも関先輩も、俺のことを変なものでも見たような顔で見てきた。
 大量発生の規模が普通じゃないということだろうか。それとも、被害が大きいということか。

「俺たちが行けば対処できると思う」

「しょうちゃんにはどこまで見えてるの?」

「えっと、一応、中層全体を把握しようと思えばできるくらいかな? やったことないけど、他の層もわかるかもしれない」

「他のことしながら?」

「うん」

「ゆいちゃん、同じスキル持ってたとしたらできます?」

「無理だろうな。一体どんな情報処理能力なんだ」

「うん?」

 なんだか話がいつの間にか俺のスキルの話になっているが、助けには行くんだよな?

:しょうちゃんは共通スキルの地図と索敵がセットなのかな? 当たりだな
:いやいや、あれって本人の能力次第だから
:スキルってあれば使えるんじゃないの?
:スキルと本人の肉体の組み合わせでスキルの引き出せ具合が変わるんですよー
:つまり、いいのんと同じスキル持ってても一般人じゃ何もできないってわけ
:マジか……二人の反応はそういうことなのね

 コメント欄を横目に見ながらモンスターの大群に接近。勝手にえりちゃんのすごさに震えつつ、壁越しに様子をうかがう。

「本当だ。いる」

「あの量でやられていないところを見るに、相当な手練れだろう。しかし、巻き込むことを考えると安易にワタシたちのスキルは使えないというわけか」

「どうしよう。俺も人にターゲットしないで攻撃する練習なんてしてない」

「普通そんな練習しようと思う人いないけど……しょうちゃんって天然?」

「テンネン?」

 耳慣れない言葉を右から左に受け流し、状況を整理する。

 モンスターはT字路の三方から探索者を囲むように向かっている。
 関先輩の指摘通り、すさまじい数を相手にしながら一歩も引く様子がないところを見ると、相当な強者ということは俺でもわかる。
 だが、だんだんとヤリの動きがにぶくなっているのが見える。

 くぅ。もどかしい。どう向かえばいい。
 飯屋さんだったらモンスターだけ吹き飛ばしながら現場に行くだろうに。

「しょうちゃんって壁走りはまだ無理だよね?」

「まだっていうか無理だよ?」

「わかった。ゆいちゃん、わたしたちの足場の向きだけ変えて救助に向かいましょう」

「なるほど? 面白い。そのような使い方もできるスキルということだな?」

「はい。じゃあ、いきます」

「足場の向きを変えるって何? うぉお!?」

 突然、俺の体は壁に落下した。
 今まで床だった場所が床じゃなくて壁になったかと思ったら、壁だと思っていた場所が壁じゃなくて床になった!?
 足場が九十度変わってしまった!

「何したの? これ何したの?」

「さっき言った通りだよ」

 なんだかよくわからないが、これでモンスターを気にせず助けに行ける。

「大丈夫ですか?」

「今のところは。少しテンパってしまって……げ、幻覚?」

「戻すの忘れてた」

「もう大丈夫だとも」

「さて、ここからは任せて」

:あれ? ちょっと待て、あの人に見覚えが
:いや、まさか、な
:探索者で配信者でこんなことって……

 コメントの反応が気になるが今は戦闘。
 ヤリなのに足元からも湧き出てきて、懐に入られてしまったということなのだろう。

 でも、見かけからしてケガ程度、致命傷は負ってなさそうだ。
 改めて真ん中に立たされても、先ほど俺たちが対処した時より数が多い。
 今は着地と同時に吹き飛ばしたことで距離があるが、すぐに近づいてくる。

「これを放置はよろしくないね」

「せっかくのサンプルだ。予定と違うが、ワタシの力を確かめる機会にしよう」

 二人ともやる気はばっちりみたいだ。

「俺も、できる限りのことをするかな?」

 背後では、また別の魔法やスキルらしい土と斬撃の嵐がモンスターを襲っている。

 俺も、

「『ウォーター』! 『アイス』! 『ウィンド』! あ、あれ?」

 思ったほど威力が出なかった。動きを止めるくらいしかできなかった。
 短時間に連続して使うってのはもう少し練習が必要かもしれない。

「全て氷らせたの?」

 いやいや、凍らせただけなんですよ。だけ……。

「ええい! 剣で叩っ斬ってやる。動きが止まってるなら十分。俺も少しはこの体に慣れてきたしな。いくぞ!」

 凍っているせいか謎の悲鳴も聞こえてこない。
 その代わり、モンスターは叩くだけでその体ごと粉々に砕け散った。
 動いてないので当たり前だが、一匹たりとも逃さず全てを切る。

「ふぅ」

 案外基礎魔法は使えるのかもしれない。

 さて、女性の手当てがまだだ。

「ケガの方は大丈夫ですか?」

「ええ。これくらいなんともないわ。ありがとう。助けられてしまったわね。本当に、すごい子たちがいるもの、ね……」

 なんとも不自然に言葉を切って止める女性。

 あれ、そういえばどこかで見たことがあるような気が……。
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