TSしたダンジョン配信者は無自覚で無双する〜かわいい見た目と超絶スキルで美少女をイレギュラーから救いバズりの嵐を生む〜

マグローK

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第31話 こいつはデート?

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 制服でうろうろする女子の図。

 俺はそれをはたから見て、どうして着替えないのだろうとか思ったものだが、俺が今それだ。
 感想は、慣れない。
 そして思う、どうして着替えないのだろう。

「なんだかそんなにモジモジしてると……」

「い、行こうか!」

 えりちゃんが変な性癖に目覚めそうだったので俺の方から手を引いた。

 あれから放課後が来てしまった。どこかへ行くみたいだが、どこへ行くのかわからない。
 それに、正直行くアテはまったくない。

 街に繰り出すとか、買い物へ出かけるとか、そういったことはこれまで必要最低限しかしてこなかった。
 とか考えつつも、えりちゃんに言われた通り、周囲の目線や自分の体の動きを意識する。

 なるほど、次に自分の打てる手を日常からシミュレーションするのは、ダンジョンへ行ったとしても生かせる能力な気がしてきた。

「しょうちゃん、どこ行くの?」

「え、決めてないの?」

「いや、考えがあるのかなって思ってたんだけど、その様子だとないみたいだね」

「うん」

 俺にはない。あるわけがないのだ。

「じゃあ、お買い物しよ?」

「買い出しじゃなくて?」

「ショッピング!」

 言い方が違うだけで同じじゃないのか?

 まあ、すでに持っているのに服を買い足したりしている人間がいるのだし、若干ニュアンスが異なるのかもしれない。

「ここは女の子の先輩としてわたしが引っ張っていってあげましょう」

「ああっ、ちょっと?」



 勢いのまま入った謎の店。
 俺にとって馴染みのないものが大量に置かれている。

「ナニコレ?」

「アクセサリーかな? つけたりしない?」

「いや、俺がつけてたらキモいでしょ」

「キモくないよ。ほら、これとかかわいいんじゃない?」

「えぇ……」

 いくら見た目が美少女でも、中身が俺なのだという情報があるだけでダメというのは実証済みだ。

 そう、中身も重要なのだ。見かけだけではいかんのだ。

 よっぽどえりちゃんの方が俺より美少女だし、性格もいいし、中身もいい……

「ほら、似合ってる。って、ん? どうしたの? わたしの顔に何かついてる?」

「え、あぁ。ううん?」

 改めて見とれてしまっていた。
 ここ最近少し忘れていたが、えりちゃんは美少女だ。とてつもなく、それはもう俺が接することができる相手じゃないほど。

 いやいや落ち着け。深呼吸深呼吸。

 ん? なんだか耳に違和感。

 なんか挟まれてる!?

「え、ちょ、何これ」

「痛い? でも、すぐ慣れるよ」

「いや、そういう話?」

「穴開ける方がいい?」

「え、穴開けるの?」

「店員さーん! これくださーい」

「いや、穴ってなに? なにこれ? 怖い!」

 イヤーリングでイヤリング? 俺、初めてのアクセサリー。
 別にこれをつけたからと言って探索時に能力が上がるわけではないらしい。それなのになぜか買ってもらってしまった。
 えりちゃんからのプレゼントをポイっ、とするわけにはいかない。

「似合ってるよ」

「ありがとう……」

「照れてる」

「違っ……うぅ」

「ふふん!」

 えりちゃんのテンションが上がった。俺以上に楽しそうだ。
 どうして俺が……。

 揺れてるせいで見られる箇所が増えたような気がしないでもない。

 そうか。これもまた視線誘導、探索の時のテクニックなのか。やはり、一流は普段から意識を欠かさない。
 そうやって見てみると、えりちゃんは揺れるものを多く身につけている気がする。
 俺はなんて短絡的な思考しかできてなかったんだ。

「ありがとうえりちゃん!」

「どうしたの急に? でも、どういたしまして。せっかく喜んでくれたみたいだし、次はあそこ!」

 えりちゃんが指さす先は服屋だった。

 制服なのに?



「これかわいい!」

「いや、似たようなのあるよ? まだほとんど着てないし」

「えー違うじゃん。あ、これはどうかな?」

「えりちゃんは何着ても似合いそうだけど」

「そうじゃないのに。あ、しょうちゃんはこれなんかいいんじゃない?」

「お、俺はいいよ。えりちゃんからもらったのあるって言ったじゃん」

「ほら!」

 本当に人の話聞かないよな。

 まあ、これだけの集中力があるからこそ、これまで生き延びてこられたのだろう。

 いや待て、そうか。ここでの教訓は他人の目ばかり気にしない集中力か。
 でも、これまでの話と矛盾する。

「似合ってる! ね、試着室あるから来てみてよ」

「いや、そこまでは」

「お願い。ね?」

「……そこまで言うなら」

「やったー! ほら、ほら善は急げだよ」

「いや、え?」

 カーテンをシャッと閉められた。

 うわあああああ。

 やってしまった。思わず断れなかった。最近は目線が同じくらいなだけに、見上げられたら心が揺れてしまった。
 ええい! 着てやる。着て……。

「ど、どうすか……」

「きゃー! 似合ってる!」

 いつにも増して女の子っぽい服。

 制服は制服、探索の時も一応は武装。

 だが、今来ているのはなんというか、お嬢様の服とでも形容できそうな服。

「わたしのも買ってっちゃおうかな?」

「も、って何」

「おそろいってこと」

「どうして!?」

 制服に戻ろうとカーテンに手を伸ばす俺の手を、えりちゃんがすかさず掴んできた。

「いいじゃん着て帰ろ?」

「い、嫌だ。覚悟がいる。俺だってこれ着るの勇気出したんだから」

「かわいいよ?」

「えりちゃんの前だけでいい」

「わたしの前だけなら着てくれるの?」

「そうは言ってない」

「あ、あの! いいのんとしょうちゃんですか?」

「え?」

 二人組の女子高生。
 その手には色紙とペン。
 どうして気づかれた?

 いや、少し騒ぎすぎた。やっぱり人の目を気にしないのも必要か。

 さて、この場はどうやって切り抜けよう。

「そうだよ」

「えりちゃん!?」

「キャーッ! やっぱり。ね? 言ったでしょ?」
「うん。本当だった。あ、あの。サインもらってもいいですか?」

「いいよ」

「やった! あの、二人分お願いします」

 サラサラっと書いて俺にパスするえりちゃん。
 いや、俺サインとかないよ? それに、

「……ねえ、書くの?」

「……書くよ?」

「……じゃあ、何書くの? こういう時」

「……サインだよ。ほら、いいのん! ってかわいいでしょ?」

 読めない。いつも思うが読めない。
 俺もしょうちゃんと書いて二人に返した。

 ああ、頼まれると弱い。どうしてNOと言えないのか……。

「ありがとうございます! 家宝にします」

「しなくていいけど」

「そういうこと言わない。どうぞどうぞ。気をつけてね」

「はい! ありがとうございました!」

 嬉しそうに女子高生二人は去っていった。

 こんなことなら、気配だけじゃなくて見た目まで変えておけば……

 そうだ!

「えりちゃん。スキルで俺の性別戻したりとかできないの?」

「試したことはあるけど、ユニークスキルでカエルになった人は無理だったよ? 身体能力強化とかは止められたんだけど、多分見た目が変わるスキルは無理じゃないかな? できてもわたしがいないとだし」

「そっか……」

 ムリか……

「そうなるとやっぱり家のがラクだなー」

「しょうちゃんって家ではどんななの?」

「普通だよ? え、なにその顔」

「行きたいなぁ」

「なに!? 俺、男だよ?」

「行きたいなぁ!」
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