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第32話 収益化!
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「おっじゃましまーすっ!」
「ど、どうぞ……」
あぁ……!
さっきどうして断れないんだ、とかそんなこと思ってたのに、結局断りきれなかった。
どうして……どうしてっ……!
「どうして連れてきてしまったんだ……どうして入れてしまったんだ……」
「ふふん! わたしに口説かれて落ちなかった子は一人もいないよ」
「俺、口説かれてたのか?」
まあ、どうせスキルとかで勝手に特定されるんだろうし、こうして自分から招く方がまだいいか。
とはいえ、俺の家には特別面白いものもないのだが。
「しょうちゃんの家って汚いね。一人暮らし?」
「グフッ、き、汚い……? ひ、一人暮らしだけど……」
「やっぱり、これは世間に見せられないなぁ」
「見せないよ?」
プライベートルームは人に見せるように構築してないから。
元々誰かが来ることなんて想定していない。
片付けは、自分が使いやすい程度にはしているつもりなのだが、えりちゃんからすれば汚い……。
そこそこ片していたはずなんだが、汚い……。
「き、汚いって、そりゃ、えりちゃんのところよりかは雑然としてるだろうけど、そもそも部屋の広さが違うし、第一最近は色々あって」
「いいからいいから。わたしに任せておいて」
えりちゃんはどこからともなくエプロンを取り出し、髪をポニーテールにまとめてテキパキと動き始めた。
どうしてこんな時だけ頼りになる人みたいになるのだろう。
俺が未だ玄関で突っ立っているのをいいことに、せっせと片付けを始めている。
「いや、母親か!」
「ママって呼んでいいよ?」
「い、いい……」
「照れちゃってーかわいいよねー」
「くぅ」
完全に遊ばれてる。
だが、確実に片づいていく光景を見ていると、汚いということが言いがかりじゃなく事実だということを受け入れるしかなく、反論できない。
悔しい!
「ふぅ。ひとまずこんなところかな」
「すげぇ。この家こんなに足の踏み場あったんだ」
「そうでしょ?」
なんということでしょう。とつい言いたくなるほど部屋が見違えてしまった。
日々の生活に追われて身の回りの管理すらできていなかったとは……。
「そういえば、SNSに詳しくないからネットも詳しくないのかと思ったけど、パソコンはあるんだね?」
「まあ、使いこなせてるとは言えないけど……あっ、そういえば、収益化? 通ってたよ?」
「本当!? よかったね! やってきた甲斐あったじゃん。しょうちゃんの活躍が認められたんだ!」
「いや、半分以上えりちゃんのおかげだけ」
「そんなことないよ! えー。そっかー。じゃあこれからは投げ銭も飛んで来るんだ」
「泥棒とかに投げてたってやつ?」
「何が?」
え? 投げ銭って違うの?
なんか鋭利だから投げてた昔のお金とかじゃないの?
いや、そんな話は収益化からつながってこないか。
じゃあ、投げ銭ってなんだろう。
「まあ、何もないけど、来たんだったらゆっくりしてってよ。片づけてもらっちゃったしさ」
「うん。そのつもり!」
遠慮はないみたいですね。
でも、本当に何もないんだよな。
友だちと遊べるものとかも持ってないし、片してくれたお礼ができない……。
「お礼とかはいいよ。その代わり、ちょっとウロウロさせて?」
「うん?」
「はぁ!」
なんだかパジャマで戻ってきた。
ふんわりといい匂いがしてくる。
いや、は?
「しょうちゃんも入ってきたら?」
「は?」
「そのままやる?」
「何を!?」
「雑談配信。せっかく収益化通ったならお試しで」
うーん……確かに、配信の先輩がいる場所でやった方がいいか。
でも、風呂?
うーん……。
「わかった。待ってて!」
勢いのまま一緒に入ろうとか言われなかったからよしとして、さっさと入ってさっさと出る。
今さら自分の体を気にしたりはしない。
だが、出るとそこにはかわいらしい服が置かれていた。
やられた。
「うんうん。似合ってるよ」
「やられた!」
部屋の模様替えまでされている。
まるで第二のえりちゃんの部屋のように俺の部屋がファンシーに! 女の子の家みたいだ!
「これでイメージが崩れないでしょ?」
「い、イメージ?」
「さあいこう!」
いつもいつも流されるまま、今回も始まる配信。
「ど、どうも。しゅ、収益化通りました。しょうちゃんです。今日は家です」
:うおおおおお! おめでとー!
:いつもと違う雰囲気だ!
:やっと投げ銭できるぜ!
:いつも見てます!
なんだか色とりどりのカラフルなコメントが出るようになった。
それに、小さく数字が、書いてある、よう、な……。
「そしてわたしが、ってしょうちゃん?」
「ひゃ、ひゃひゃ」
「い、いいのんです! 大丈夫? のぼせちゃったの?」
「だ、大丈夫。だいひょうぶ!」
お、俺に渡していい額じゃない。これが投げ銭? 金? マジで俺に?
「み、みんな! 無理しちゃダメだからね!」
:推しに貢ぐのは当たり前!
:ここくらいしか使い道ないからなぁ
:むしろもっと貢がせて
なぜかコメントの勢いが増した。
俺はここから先のことをはっきりと覚えていない。
何か色々と話した気はするのだが、意識がふわっふわしていて記憶にない。
「ど、どうぞ……」
あぁ……!
さっきどうして断れないんだ、とかそんなこと思ってたのに、結局断りきれなかった。
どうして……どうしてっ……!
「どうして連れてきてしまったんだ……どうして入れてしまったんだ……」
「ふふん! わたしに口説かれて落ちなかった子は一人もいないよ」
「俺、口説かれてたのか?」
まあ、どうせスキルとかで勝手に特定されるんだろうし、こうして自分から招く方がまだいいか。
とはいえ、俺の家には特別面白いものもないのだが。
「しょうちゃんの家って汚いね。一人暮らし?」
「グフッ、き、汚い……? ひ、一人暮らしだけど……」
「やっぱり、これは世間に見せられないなぁ」
「見せないよ?」
プライベートルームは人に見せるように構築してないから。
元々誰かが来ることなんて想定していない。
片付けは、自分が使いやすい程度にはしているつもりなのだが、えりちゃんからすれば汚い……。
そこそこ片していたはずなんだが、汚い……。
「き、汚いって、そりゃ、えりちゃんのところよりかは雑然としてるだろうけど、そもそも部屋の広さが違うし、第一最近は色々あって」
「いいからいいから。わたしに任せておいて」
えりちゃんはどこからともなくエプロンを取り出し、髪をポニーテールにまとめてテキパキと動き始めた。
どうしてこんな時だけ頼りになる人みたいになるのだろう。
俺が未だ玄関で突っ立っているのをいいことに、せっせと片付けを始めている。
「いや、母親か!」
「ママって呼んでいいよ?」
「い、いい……」
「照れちゃってーかわいいよねー」
「くぅ」
完全に遊ばれてる。
だが、確実に片づいていく光景を見ていると、汚いということが言いがかりじゃなく事実だということを受け入れるしかなく、反論できない。
悔しい!
「ふぅ。ひとまずこんなところかな」
「すげぇ。この家こんなに足の踏み場あったんだ」
「そうでしょ?」
なんということでしょう。とつい言いたくなるほど部屋が見違えてしまった。
日々の生活に追われて身の回りの管理すらできていなかったとは……。
「そういえば、SNSに詳しくないからネットも詳しくないのかと思ったけど、パソコンはあるんだね?」
「まあ、使いこなせてるとは言えないけど……あっ、そういえば、収益化? 通ってたよ?」
「本当!? よかったね! やってきた甲斐あったじゃん。しょうちゃんの活躍が認められたんだ!」
「いや、半分以上えりちゃんのおかげだけ」
「そんなことないよ! えー。そっかー。じゃあこれからは投げ銭も飛んで来るんだ」
「泥棒とかに投げてたってやつ?」
「何が?」
え? 投げ銭って違うの?
なんか鋭利だから投げてた昔のお金とかじゃないの?
いや、そんな話は収益化からつながってこないか。
じゃあ、投げ銭ってなんだろう。
「まあ、何もないけど、来たんだったらゆっくりしてってよ。片づけてもらっちゃったしさ」
「うん。そのつもり!」
遠慮はないみたいですね。
でも、本当に何もないんだよな。
友だちと遊べるものとかも持ってないし、片してくれたお礼ができない……。
「お礼とかはいいよ。その代わり、ちょっとウロウロさせて?」
「うん?」
「はぁ!」
なんだかパジャマで戻ってきた。
ふんわりといい匂いがしてくる。
いや、は?
「しょうちゃんも入ってきたら?」
「は?」
「そのままやる?」
「何を!?」
「雑談配信。せっかく収益化通ったならお試しで」
うーん……確かに、配信の先輩がいる場所でやった方がいいか。
でも、風呂?
うーん……。
「わかった。待ってて!」
勢いのまま一緒に入ろうとか言われなかったからよしとして、さっさと入ってさっさと出る。
今さら自分の体を気にしたりはしない。
だが、出るとそこにはかわいらしい服が置かれていた。
やられた。
「うんうん。似合ってるよ」
「やられた!」
部屋の模様替えまでされている。
まるで第二のえりちゃんの部屋のように俺の部屋がファンシーに! 女の子の家みたいだ!
「これでイメージが崩れないでしょ?」
「い、イメージ?」
「さあいこう!」
いつもいつも流されるまま、今回も始まる配信。
「ど、どうも。しゅ、収益化通りました。しょうちゃんです。今日は家です」
:うおおおおお! おめでとー!
:いつもと違う雰囲気だ!
:やっと投げ銭できるぜ!
:いつも見てます!
なんだか色とりどりのカラフルなコメントが出るようになった。
それに、小さく数字が、書いてある、よう、な……。
「そしてわたしが、ってしょうちゃん?」
「ひゃ、ひゃひゃ」
「い、いいのんです! 大丈夫? のぼせちゃったの?」
「だ、大丈夫。だいひょうぶ!」
お、俺に渡していい額じゃない。これが投げ銭? 金? マジで俺に?
「み、みんな! 無理しちゃダメだからね!」
:推しに貢ぐのは当たり前!
:ここくらいしか使い道ないからなぁ
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俺はここから先のことをはっきりと覚えていない。
何か色々と話した気はするのだが、意識がふわっふわしていて記憶にない。
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