TSしたダンジョン配信者は無自覚で無双する〜かわいい見た目と超絶スキルで美少女をイレギュラーから救いバズりの嵐を生む〜

マグローK

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第49話 ボスもどき討伐

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 横なぎ。

 即座にのけぞりかえるも、目の前を大斧がかすめた。

「いや、あっぶな」

 前髪にオノが当たっていたらしく、はらはらと散った。一瞬遅れていれば直撃していただろうことがうかがえる。

 ま、そんなギリギリの攻撃も、スキルがあるから効かないのだが、俺はスキルにおごるような探索者にはなりたくない。

「にしても危なかった」

 体勢を立て直してウシ戦士をうかがう。

 初めての命を狙う攻撃は俺を吹き飛ばすことはなかった。

 ウシ戦士もまさかかわされるとは思っていなかったらしく、振り切ったオノの勢いに持っていかれたままの姿勢で、赤い瞳を先ほどとは別の意味で輝かせている。

 そう、それは命を取られる側の怯えた瞳。

 だがこいつは丈夫だ。千島さんの一撃でわかっているが、足元を狙っても倒すことはできない。せいぜいダメージを与えられる程度。
 低い姿勢でいてくれるのはいいが、俺のリーチまでは遠い。かと言って、浮遊じゃのろい。

「『ウィンド』!」

 風によって自分の体を吹き飛ばし、一気に接近。

 浮遊で体感した感覚が生きた。

 これで、あの時と似たような一撃が放てる。どこに弱点があろうが関係ない。

「縦斬り!」

「んなっ!」

 どんな相手でも、困ったら縦にまっすぐ真っ二つにしてしまえばいいのだ!
 復活するようならより細かくすればいい!

 なんだかえりちゃんの素っ頓狂な声が聞こえた気がしたが気のせいだろう。えりちゃんはそんな声出さない。

 そう、気のせいだ。

「よっと」

 今度は一人でしっかり着地。

 ウシ戦士は完全に動きを止めたようだし、おそらくこれで大丈夫だろう。
 ここまでの敵と同じくさらに厄介な置き土産も残していったら散々だが、

「って、おわっ!」

 中にいたウシがいなくなったことにより、身につけていた鎧がどかどかと落ちてくる。

 言ったそばから! 言ってないけど。

 落下物をうまく見定めて右へ左へかわしていく。
 こんなところで押し潰されたら大惨事だ。しかも、攻撃じゃないからスキルも発動しませんとかいったら、それこそ笑えない。

「セーフ」

 改めて上空を確認するが、怪しげな金ピカはもうない。山積みになった金ピカで防具の類は全てらしい。

 どういうわけか、倒したというのにそのまま鎧やオノの方は残っている。

 もしかしたら、このモンスターの装備というわけではないのかもしれない。
 モンスターがモンスターを倒してもアイテムは残っているようだった。ここまでの道でアイテムだけが転がっていることが多々あった。
 そう考えると、残った装備はモンスターの落としたアイテム……?

 これがモンスターたちが縄張り争いをしている本当の理由か?

「やったねしょうちゃん」

「おっとっと。うん」

:あんなデカブツ倒せるのかよ!
:さっすがしょうちゃん
:俺はできるって信じてたけどね

 コメントの反応も上々。

 強敵が多くて派手な戦いはできてないけど、人は、うん……。増えてる。

「無事? 大丈夫? 無理してない?」

「大丈夫だよ。無理してないって」

 そこかしこをペタペタと触って心配してくるえりちゃんに、苦笑いを浮かべていると、同じく苦笑いを浮かべた関先輩に千島さんたちまでやってきた。

「大事ということはわかるが、その、なんだ?」

「関せんぱ、ゆいちゃん! しょうちゃんはこう見えて色々と秘密のある子なんですよ。心配もするでしょう?」

「まあ、さっき見たスキルの量からしてもそうなんだろうけど、女同士でも今のそれは、ちょっと」

「え、そうだったんですか!?」

「いや、する人はすると思うわよ? 別に、仲が良ければ嫌じゃないと思うし……」

:千島さん、しっ
:しょうちゃんは純粋なんだから
:あーあ。バレちまったか

 どういうわけかじっとりとした視線を千島さんへと送るえりちゃん。

 え、てっきり女子はこれくらい普通なんだと思ってたんだけど、俺、なんだかえりちゃんにいいようにされてる?

「と、とにかく! しょうちゃんはすごい。すごいんだって!」

 なんだか誤魔化されている気もするけど、俺も不快なわけじゃない。
 えりちゃんだって心配してくれてのことだろう。多分……。

「ありがとね。俺が同じことするのは問題があると思うけど」

「しょうちゃんはわたしの心配してくれないの?」

 そう言いつつ、純粋そうな目で見つめてくるえりちゃん。

「い、いや。そういうわけじゃないけど、その」

「冗談だよ」

 えりちゃんはケタケタと楽しそうに笑い出した。

 くっ、からかわれた!

「まったく、ここが深層だってこと忘れてるんじゃないかい?」

「そうそう。すぐにアイテムの回収をして」

「キェ、ケエエエエエエ!」

 千島さんの言葉をさえぎるように、謎の奇声。

 ウシは倒したが、まだ炎は燃え盛っていた、はずだった。

 気づくと炎の壁は消えていて、未だ俺たちを取り囲んでいたモンスターたちは、俺たちめがけて迫っていた。

「ブゥン!」

「くぅっ!」

 投げられた何かを弾き返す。

 油断した。

 そうだ。ここは深層。命が吹いたら消えるような場所。
 モンスターたちが狙うのはもちろん俺たちの命。
 邪魔な壁がなくなれば迫ってくるのは道理。

「せっかくしょうちゃんとお楽しみの最中だったのに、邪魔しないでほしいなぁ?」

「さっきはしょうちゃんにトドメを取られたからね。それに、これだけの量なら実験し放題じゃないか」

「あたしもしょうちゃんの前だからか、今なら新技を作れそう」

 なんか戦闘直後なのに、みんなやる気だなぁ。
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