ピンチの美少女に憑依して勝手にバズらせていたら、助けた美少女に住所特定されたんだが

マグローK

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第49話 ヒキニートと推しと探索少女と

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 後日。

 問題のありそうなヒデー野郎こと秀郎は甘露の実家に引き取られたらしい。何をどうされるかは知らないが、俺は伊野尾が気絶させて以降その姿を見ていない。実験台とかにされてないといいが、まあ、文句も言えまい。その辺は甘露の実家がなんとかしてくれているだろう。

 今は、甘露の秘密基地で目を覚ましたところだ。
 今日は、特に誰も着替えていなかった。別に期待していたわけではない。
 代わりと言ってはなんだが、甘露と伊野尾の二人がすでに起きていて、何やら話をしている様子だった。なぜだか甘露の目がギラリと光っているように見え、一瞬、背筋がぞわぞわしたが、まだ寝起きなせいで俺の体はなかなか動き出さない。
 まじ眠い。

「……あんなのどこで手に入れたの? ヒキさんってアイドルとかやってないよね?」
「……やってないはず」
「……写真もあまり撮ってないみたいだし、データも全然出てこないのに、どうやったの?」
「……わ、わたしのスキル」
「スキルで? どんな?」
「……念写、かな。イメージしたものを写し出すスキルで。わたしにとっては魔法の一種なんだけど」
「じゃあじゃあ、まだあるの?」

 甘露に詰め寄られ、こくこくとうなずく伊野尾。
 なんだかぞわぞわした悪寒が続け様に全身を通り過ぎた。
 同志とか言っていたが、あの甘露だ。こっそり手を出しかねない。
 俺は少しあったまってきた体を起こした。

「何してんだ?」

 俺が声をかけると、二人してビクッとした。それからなぜか顔を見合わせると、申し合わせたように2人同時に俺のほうを見た。

「ヒキさんおはようございます」
「比企、おはよう」

 何かを隠しているように背中に手を回したようだが、なんだろう、またしても聞かないほうがよさそうな予感がする。これがガールズトークってやつか……。

「おはようさん」

 聞き出すのを諦め、軽く体を動かしつつ立ち上がると、二人はこそこそと何やら話しながら、俺のほうをチラチラ見てきていた。

「なんだ? 寝癖か?」
「いや、なんでもないですよ」
「そうそう。なんでもないよ」

 甘露も伊野尾もやっぱり様子がおかしいが、まあ、やっと俺を警戒するつもりになったかということでよしとしておこう。

「それで? 伊野尾はこれからどうするんだ?」

 またしても二人は顔を見合わせてから、甘露がなぜか胸を張った。

「ま、また私に向かってくればいいわ。それまで好きなようにしてくれて構わないし」
「そんなことされたら俺がたまったものじゃないいと思うんだが」

 しかし、俺の発言はスルーされ、挑発的な発言を受けた伊野尾は、嬉しそうに甘露を見てうなずいた。

「うん! 比企もいずれ振り向かせて見せるからね」
「ん? まあ、せいぜい頑張れよ」

 俺の背後に何かいるのかと思って振り返ったが、特に何もなかった。
 伊野尾の言葉は何かの暗示かもしれない。魔法使いなんだからな。いつかどこかで振り返らないと行けない時がくるのやもしれん。

「あれ、好きなようにしていいってどういうことだ?」
「それは、当分テンコちゃんは居候ってことですよ」
「そういうこと。よろしくね、比企」
「おう」

 どうやら仲間が一人増えたらしい。
 この秘密基地も騒がしくなるな。
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