TS転生したら、カードゲーム系アニメのノリで美少女令嬢とダンジョン探索してた

マグローK

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第30話 大波乱? 探索者資格第二次試験!

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 急な瞬間移動は肉体への負荷が大きいのか、周りを見ても多くの者は体力を奪われた様子だった。

 あちこちで屈強そうに見える人たちが、フラフラしていたり、地面に座り込んだりしている。

 それでも、場所がダンジョンだけに、神殿みたいな控え室にいた時より、気負っていないような気がする。

 改めて隣の嶺さんを見てみたが、最初の印象では大丈夫そうに見えた嶺さんも、ふらついているように見える。
 若干だが顔色も悪そうだ。

「嶺さん、大丈夫?」

「大丈夫ですよー」

 声に覇気がない。

 転移とやら、慣れないと危険なのかもな。

 僕の体力も、案外消耗させられている。
 これまでのことから、みふだちゃんにかなり手荒に振り回されて、体力はついたものだと思っていたけれど、また別の体力が求められているのかな?
 このまま試験が続くとなると、支障が出てしまうかもしれない。

 何かないかと思考を巡らせていると、装備の一部が輝いているのが目に入った。
 たしか、カードを入れていた場所。
 取り柄出してみると、ウィッチのカードが輝いていた。

 こんな状況で出せとか言わないよな。

「それ、ダンカ?」

 隣から米村さんが聞いてきた。

 体を寄せ合ってのぞき見るようにしてきている。
 ダメです。そんな事をしてはダメです。
 冷静さを失ってしまいます。

「し、知ってるの?」

「それはもちろん知ってますよ。どこへ行っても買えませんもの。もしかして歴さん、ダンカプレイヤーなんですか?」

「そう、なんだけど……」

「今回の試験が終わったら教えてほしいです」

「もちろん。構わないよ」

「約束ですよ?」

 指切りまでしてしまった。
 本当にかわいい。
 とはいえ、ここで何かを教えるのは、他の受験者に手の内がバレそうで嫌だな。

 でも、ウィッチの訴えを無視する訳にもいかないだろう。
 モンスターたちとの関係は良好であるべきだ。
 まあ、ここ最近、少しあしらってしまっていただけに、応答するのはちょっと緊張する。

 僕はウィッチのカードをじっと見つめていた。すると、少し熱くなったかと思うと、頬にくっついてきた。
 カード本体よりも柔らかい感触がほほに当たった。と思うと同時、体に何かが流れ込んでくるような感覚がある。

「お話しされてるんです?」

「いや、そうじゃないんだけど……」

 でも、今までに感じた事のない感覚だ。

 どういう訳か頭がスッキリしてきた。体のだるさが取れて、体力が戻ってきたように感じる。どういうことかわからないけど、ウィッチが体力を分けてくれたってことか……?
 まさか、空気が読めるように成長したのか?
 モンスターの社会を形成していく中で、社会性を身につけたか……、感動してしまうね。

「顔色がよくなりました。それがダンカの力? スキルカードというものですか?」

「ううん。これはモンスターの方」

「モンスターの力をカードの状態で引き出すなんて、それは高等技術と聞いたことがありますが」

「そうなのかな?」

 覚えていたらみふだちゃんにでも聞いてみよう。

「おほん!」

 大きな咳払いの音で、受験者たちの注意は一箇所に集まった。
 当然、試験官のおじさまの方だ。
 隣にいる助手らしい女性も気になるが、どうやら取り仕切っているのはおじさまらしい。
 おじさまが話し出したところで、僕らはそろって顔を向けた。

「さて、二次試験の内容だが、内容は探索者同士の戦闘。目的としては、暴走した探索者を止められる実力も持ってほしいというところだ。仮免から探索者となるの君らには、よりその態度を強くを求める」

 会場がざわざわし出した。
 詰まるところ、デスゲーム。

「嶺さんと戦わないとかな?」

「嫌です。どうにか一緒に残りましょう」

 と言っても、ルール次第でどうなるかはわからない。

 周りの探索者も近くの探索者を警戒している様子。

 だが、一帯は何やら様子がおかしいようだった。
 その中心にはずるずると何かを引きずる音を響かせる1人の男の姿があった。
 男は、先ほど喧嘩していた傷だらけの男。

 男は、ニタリと笑い、引きずっていた男を試験管に向かって投げ飛ばした。

「そういうと思って2人ぶっ飛ばしてきた。あと何人やればいい?」

 してやったり、という顔の男を前にして、試験官のおじさまはため息をついた。

「話を聞け!」

「ぐっは……」

 そして、次の瞬間には、暴れてた男が吹き飛ばされ、壁に埋まっていた。
 かなりの実力者のようだけど、一瞬でやられた……?

「今から組み合わせを発表する。勝者が残る形式だ。くれぐれも、あの男のように無用な戦いは避けるように」

 どうやら今回も転移するらしい。
 しかし今度は、足元に魔法陣のようなものが展開され、発光し出した。

「別だといいね」

「はい」

「えぇ、組み合わせは転移先で確認せよ」

 一瞬で場所が別のダンジョン内へ変わった。

 目の前には、先ほどの壁に吹き飛ばされていた男。
 肩のあたりに小石を乗せたままの様子だった。
 そんな滑稽な見た目でも、あからさまに不機嫌そうに男は僕をにらんできた。

「チッ。女かよ。もっと戦いがいのある男がよかったぜ。このルールなら、あの裸男とか、金髪野郎を正々堂々ぶん殴れるんだからな」

 戦う前からあっちこっちが傷だらけで、男が好き。
 うーん……、女性が好きな僕からするとあまり考えたくはないけれど。

「もしかして男性が好き……? あの、好みは自由だけど、僕にそういう趣味じゃないんで。見た目が女性だからって勘違いしないでいただきたい」

「ちげーよババア! なに訳のわからないこと言ってやがる!」

「ばば……」

「ぐっは……」

 思わず殴り飛ばしていた。

 組み分けが終わっているのだからいいだろう。
 またしても盛大に壁に埋まったようだが、男は丈夫らしい。這い出てきた。

「俺は賀来《かく》闘志《とうし》。いいか? その体、バラして辱めてやんよ」

「物騒なヤツだな……」

「お前のが先に手を出してるからな? 食らえ!」

 腹パン攻撃。

 だが、装備してあるドレスの防御力を上回る事ができなかったらしい。僕にダメージは届かない。
 不思議と痛みがない。
 なんだこれ、思わず笑みが浮かんでしまう。

「今、何かしたか?」

「なっ……、効いていない……!」

 意識してかそうでないかはわからないが、賀来は一歩後ずさった。
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