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第19話 ゲームは持ったか!
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幸い、妹以外の家族はまだ帰宅していなかったようで、僕はひとまず自分の部屋に入ることができた。
「しっかし、見た目や雰囲気しか誤魔化せないとはなぁ……」
相手が家族であり、同じ歳の妹だからという、特殊な状況のせいかもしれないが、師匠からもらったアイテムがあまり効果を発揮していないように感じてしまった。
一応は僕のことを遠谷メイトだと認識していたようなので、全く効果が無いわけじゃなさそうだが、それでも家に頻繁に帰ってくるのには不安を感じてしまう結果である。
と言うわけで、ここで必要そうなものは持てる限り持っていこうという作戦だった。
「どうせ、教科書とかはこのキセキが終わるまで必要になるんだろうしな」
と思って、ひとまず部屋にあるものを手当たり次第に自分のカバンに詰め込んでみたが、持ち上げられなかった。
「こ、この程度も持てないのか?」
いや多分、自分の腕力がないのでも、タレカの腕力がないのでもなく、あまりにもカバンに色々と入れすぎたんだと思う。
そもそも全部は入らなかった。
現に、持ち上げようとしたカバンの持ち手部分からミシミシと、聞こえてはいけない類いの音が聞こえてきていた。
「ひとまずゲームのことを考えようかな?」
現実逃避をするように、部屋の隅のほうに置かれたゲームソフトたちへと目をやった。
タレカのあの言いようだと、おそらくゲーム機本体も持っていないのだろう。実際に見た限り、それらしいものもなかった。ソフトだけ持っていけばいいということではないはずだ。これは推測だが、モニターとかに映し出せるやつをご所望なのだと思う。
現代ではスマホでも様々なゲームを遊ぶことができる。それらではなくゲーム機のゲームという要望だったと思うので、となるとテレビとかでも遊べるやつがいいはずだ。
「人に持って来させておいて近くで待機もしてないからな……」
タレカは姉の特権とでも言うように、持ち物を運ぶ手伝いをするつもりはないようだった。
もっとも、手伝える状態ではなかったから、仕方ないとは思う。家には帰れると言っていたし、今頃タレカは家に帰っていることだろう。
さて、そんな状態のタレカにできるゲームなんてあるだろうか? 当然、パニックホラー系のゲームをさせよう日には、一生タレカの妹として生活する未来が見えそうである。
それもそれで悪くないとか妄想しながら、僕はまた別のゲームへと手を伸ばした。
手に取ったのは複数人でできるタイプのゲーム類。当然、テレビに映し出してできるやつだ。それ以外を取れないのは、持ち物の場所を取るから。物理的な容量の問題だ。
「こんな時、ソフトをパッケージで管理してるのが悔やまれるな」
僕はどちらかと言えばパッケージ派だった。それも、パッケージにそのまま入れて管理しているので、他のケースにまとめて管理しているわけでもない。そのせいで、多くのソフトを持っていきその中から良さそうなものを選んでもらうという作戦は難しそうだった。
ただ、一つだけしか持っていかないとなると、ギャンブル性が高すぎるので、二、三カバンに入れておく。
「荷物としては、これでもうかなりの量なんだよな」
ゲームソフトだけでなく、ゲーム機本体も必要なので、カバンの容量のうち、そこそこの場所とそこそこの重さをゲームだけで占めていた。
元から持っている荷物としてのカバンもあるし、欲張っていろいろ持とうとした結果、全然家にたどり着けないという結果になりそうだ。
「かといって、妹の手は借りたくないしな……」
正直なところ、八方塞がりだった。
もういっそのこと全部投げ出してしまい、一人でゲームを始めちゃおうか、なんて悪魔の思考が頭をもたげてくる。
「いかんいかん」
頭を振って、そんな思考を追い出してから、僕はまた作業に戻る。
これはそう、限られたリソースの中で、それらのリソースをどのように配分していくのかという問題なのだ。
ゲームでもよくあるだろう。どこに対してリソースを注ぎ込むのが最適解となるのか。そうやって考えるのは嫌いでもないはずだ。
僕はそう考えてから、収納術についての話をぼんやりと思い出しつつ、必要そうな道具類をカバンの中へと詰め込んだ。
最初にどばっと入れた時は、いらないものも入れていたのか、なんだか色々あふれていた気がするが、改めて詰め込んでみると、最低限で済むように選んだからか、すんなりカバンの中に入った。
「両手にカバンを持って、そのうえリュックだから、家出みたいになるけど、ないよりはマシだろう」
しかし、わざわざゲームをやろうとしなくても、配信者ならゲームもやっていたのではないだろうか。
実際、弟はよくゲームを持って行ってたとかタレカも話していたじゃないか。
なぜわざわざゲームなんだ?
「いや、今はそんなこといいか」
とにかくタレカのところまで帰ることだ。
あんまり長居していたら、変なことしてたとかありもしない出来事の言い訳をしなくてはいけなくなる。
そっと自室の扉を開けて廊下を確認し、妹がいないことを確かめてから、僕はそそくさと玄関へ向かい、家を出た。
「しっかし、見た目や雰囲気しか誤魔化せないとはなぁ……」
相手が家族であり、同じ歳の妹だからという、特殊な状況のせいかもしれないが、師匠からもらったアイテムがあまり効果を発揮していないように感じてしまった。
一応は僕のことを遠谷メイトだと認識していたようなので、全く効果が無いわけじゃなさそうだが、それでも家に頻繁に帰ってくるのには不安を感じてしまう結果である。
と言うわけで、ここで必要そうなものは持てる限り持っていこうという作戦だった。
「どうせ、教科書とかはこのキセキが終わるまで必要になるんだろうしな」
と思って、ひとまず部屋にあるものを手当たり次第に自分のカバンに詰め込んでみたが、持ち上げられなかった。
「こ、この程度も持てないのか?」
いや多分、自分の腕力がないのでも、タレカの腕力がないのでもなく、あまりにもカバンに色々と入れすぎたんだと思う。
そもそも全部は入らなかった。
現に、持ち上げようとしたカバンの持ち手部分からミシミシと、聞こえてはいけない類いの音が聞こえてきていた。
「ひとまずゲームのことを考えようかな?」
現実逃避をするように、部屋の隅のほうに置かれたゲームソフトたちへと目をやった。
タレカのあの言いようだと、おそらくゲーム機本体も持っていないのだろう。実際に見た限り、それらしいものもなかった。ソフトだけ持っていけばいいということではないはずだ。これは推測だが、モニターとかに映し出せるやつをご所望なのだと思う。
現代ではスマホでも様々なゲームを遊ぶことができる。それらではなくゲーム機のゲームという要望だったと思うので、となるとテレビとかでも遊べるやつがいいはずだ。
「人に持って来させておいて近くで待機もしてないからな……」
タレカは姉の特権とでも言うように、持ち物を運ぶ手伝いをするつもりはないようだった。
もっとも、手伝える状態ではなかったから、仕方ないとは思う。家には帰れると言っていたし、今頃タレカは家に帰っていることだろう。
さて、そんな状態のタレカにできるゲームなんてあるだろうか? 当然、パニックホラー系のゲームをさせよう日には、一生タレカの妹として生活する未来が見えそうである。
それもそれで悪くないとか妄想しながら、僕はまた別のゲームへと手を伸ばした。
手に取ったのは複数人でできるタイプのゲーム類。当然、テレビに映し出してできるやつだ。それ以外を取れないのは、持ち物の場所を取るから。物理的な容量の問題だ。
「こんな時、ソフトをパッケージで管理してるのが悔やまれるな」
僕はどちらかと言えばパッケージ派だった。それも、パッケージにそのまま入れて管理しているので、他のケースにまとめて管理しているわけでもない。そのせいで、多くのソフトを持っていきその中から良さそうなものを選んでもらうという作戦は難しそうだった。
ただ、一つだけしか持っていかないとなると、ギャンブル性が高すぎるので、二、三カバンに入れておく。
「荷物としては、これでもうかなりの量なんだよな」
ゲームソフトだけでなく、ゲーム機本体も必要なので、カバンの容量のうち、そこそこの場所とそこそこの重さをゲームだけで占めていた。
元から持っている荷物としてのカバンもあるし、欲張っていろいろ持とうとした結果、全然家にたどり着けないという結果になりそうだ。
「かといって、妹の手は借りたくないしな……」
正直なところ、八方塞がりだった。
もういっそのこと全部投げ出してしまい、一人でゲームを始めちゃおうか、なんて悪魔の思考が頭をもたげてくる。
「いかんいかん」
頭を振って、そんな思考を追い出してから、僕はまた作業に戻る。
これはそう、限られたリソースの中で、それらのリソースをどのように配分していくのかという問題なのだ。
ゲームでもよくあるだろう。どこに対してリソースを注ぎ込むのが最適解となるのか。そうやって考えるのは嫌いでもないはずだ。
僕はそう考えてから、収納術についての話をぼんやりと思い出しつつ、必要そうな道具類をカバンの中へと詰め込んだ。
最初にどばっと入れた時は、いらないものも入れていたのか、なんだか色々あふれていた気がするが、改めて詰め込んでみると、最低限で済むように選んだからか、すんなりカバンの中に入った。
「両手にカバンを持って、そのうえリュックだから、家出みたいになるけど、ないよりはマシだろう」
しかし、わざわざゲームをやろうとしなくても、配信者ならゲームもやっていたのではないだろうか。
実際、弟はよくゲームを持って行ってたとかタレカも話していたじゃないか。
なぜわざわざゲームなんだ?
「いや、今はそんなこといいか」
とにかくタレカのところまで帰ることだ。
あんまり長居していたら、変なことしてたとかありもしない出来事の言い訳をしなくてはいけなくなる。
そっと自室の扉を開けて廊下を確認し、妹がいないことを確かめてから、僕はそそくさと玄関へ向かい、家を出た。
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