椿の花の咲くころにーずっと尽くしてきたけど彼の選んだのは別の女性でした。だから私自身を大切にしたら幸せになりましたー

梅雨の人

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尽くす女は愛想が尽きるのが早い方だったらしい

ふらふらに酔っぱらった私はその日、先輩のアパートについて行き、土曜日の朝を迎えた。 

初めての二日酔いを経験した私がどうにか起き上がれたのは昼を過ぎてからだった。 

 

「先輩、お世話になりました。駅までついて来てもらってすみません。」 

「良いのよそれくらい。ねえ、本当に大丈夫?…え…っ…」 

「どうしたんですか、先輩?えっ…」

 

川野先輩の視線の先には雄太と長瀬さんが仲良く手をつないで歩いている後ろ姿が見えた。 

流しきったと思った涙がまだ残っていたようで、再び涙が零れて来た。 

何か直接言ってやらなくて良いの?と心配する先輩に、首を横に振ってもういいんですというと、先輩が手を引っ張って近くの公園まで連れて行って落ち着くまで側にいてくれた。
 
その後自分のアパートに戻り、久しぶりに入浴剤を入れてお風呂に浸かった。 
考えたらずっとこんなのんびりと一人でお風呂に入ることがなかった気がする。 

先輩のおかげで混乱していた頭がすっきりしたし、傷心しきった気持ちもかなり癒えたと思う。 

ふと思い立って、前に相談をしたいから会いたいと言われていた高校の友人に連絡を入れてみた。 

以前私の方から会うのを断ってしまっていたのに、私が誘うとその友人は快く私にすぐに会いに来てくれた。 

久しぶりに会う友人には、私が彼氏に尽くし過ぎてるようでずっと心配だった、もっと自分を大事にしても良いんじゃないかって思っていたと言われてしまった。 

 

「あーほんと、なんで私あんなにオトコに尽くしまくってたんだろ。ふつうにないでしょ、ないないっ!」 

「椿ぃ~、やっと目覚めたか!まってたよー!おかえり!」 

 
久しぶりにゆっくりと友人と過ごす休日に満足したら、もう日曜日の夜になっていた。 

 

ピロンピロン♪ 

『椿なにやってんの?週末会えないなんてめずらしかったよな。用事は終わったのか?今、友達の家から帰る途中なんだけど椿の家に寄ってもいい?』 

雄太のメッセージに乾いた笑いが零れてしまった。 

「何言ってんの、友達の家って、うそばっかり。気持ち悪...あ、そうだ。大事なこと伝えてなかった。…さようなら、でいいかな。うん。…送信っと。よし、完璧」 

 

―――案外私の愛想が尽きるのは早い方だったらしい。 

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