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アレクサンダー視点2
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シャルが入学する前から、アンネリーゼとは恋人のふりをして過ごした。
その結果、周囲には俺とアンネリーゼが恋人同士だと認識された。
シャルに、なぜこのようなことをしているのか説明をしようとした。
でも、アンネリーゼにこの計画が周囲にばれたら、僕がシャルの近くで守ってやれないじゃないかと言われて、それもそうだと納得してしまった。
学年が違うんだから、いつも近くにいられるわけじゃない。
ただのアンネリーゼと恋人同士のふりまでして、僕がシャルを守ろうとしているなんて周囲にばれてしまったら余計に針の筵だ。
だから俺とアンネリーゼだけの秘密にしといた方が良いと納得してしまったんだ。
愚かな俺は、またしてもアンネリーゼに言いくるめられてしまった。
シャルが入学する前から、恋人のふりをするということで、アンネリーゼと学園の行き返りや休日を共に過ごすようになった。
そのせいで、シャルと過ごす時間が明らかに減ってしまった。
シャルが学園に入学してきて、やっとシャルを遠くから見ることが出来た。
しばらく見ていなかったシャルは、また一段と可憐な女性へと成長していて胸が高鳴った。
思わず一目散に彼女に入学おめでとうと伝えようとシャルの元へ速足でむかっていた。
でもそんな僕の腕をとっさにアンネリーゼが引っ張って、その表情が俺に行くなと訴えていた。
そんなことをしてしまっては、今まで恋人のふりをしてきたことが無駄になるじゃないかといっているようだった。
そうだ、僕はシャルを周囲の悪意から守ってやらなければならない。
僕がシャルの近くに行って親しくすると、周囲の女の子たちに嫌がらせを受けてしまうかもしれないんだ。
学年が一学年違うだけで、校舎も違うなんて本当に最悪だ。
離れたところから、できる限りのことをしなくてはと思い直した僕は、これまでどうりアンネリーゼと恋人のふりをしてすごした。
シャルから、面会や話し合いの場を求められたが、大好きなシャルに会うと甘やかして歯止めがききそうになかったし、僕たちの計画を黙っておける自身もなかったので、心を鬼にしてシャルを避けてきてしまった。
そして、あの噂を耳にするようになった。
悲恋の恋人同士を邪魔する婚約者。
一体誰のことを言っているんだと思ったが、なんとそれはシャルのことだった。
気が動転してしまった僕は、どうにかその噂を火消ししようとした。
でも今更なんて言い訳をしたらいいんだ?
結局、今までの僕たちの行動で、その噂を消すことは難航を極めた。
次第に、シャルの様子が遠目からでもわかるくらいに憔悴していっていった。
しかも、いつ見てもひとりぼっちだ。
最悪なことに、次第と周囲がシャルのことを面白がって色々あざ笑うようになってきた。
もう、これ以上シャルを放っておけなくなった僕は、アンネリーゼに恋人のふりはこれ以上できないことを伝えた。
すんなり受け入れると思っていたのに、アンネリーゼは絶対に嫌だと縋ってきた。
その時のアンネリーゼの表情は、これまでいやになるほど目にしてきた、僕の周りに群がる女たちと一緒だった。
アンネリーゼに対して一気に嫌悪感が募った。
なんで僕は、恋人のふりなんかをこんな女としていたんだろうと今更ながらに後悔した。
その日の午後、アンネリーゼは授業には現れなかった。
すぐにでもシャルのところに行きたかったが、どうしても学園でシャルをみつけることができなかったので、放課後シャルに会うために、すぐに馬車に乗り込んだ。
学園でシャルを見かけなかったので、すでに帰ってきているかと思っていたが、僕の方がシャルより早くシャルの邸についてしまった。
シャルの兄のジェイドは、僕を射るかのような視線を送ってきたが、すぐに客室へ招き入れられ、シャルを待つことにした。
そしてその日、あの悲劇が起こってしまった―――。
その結果、周囲には俺とアンネリーゼが恋人同士だと認識された。
シャルに、なぜこのようなことをしているのか説明をしようとした。
でも、アンネリーゼにこの計画が周囲にばれたら、僕がシャルの近くで守ってやれないじゃないかと言われて、それもそうだと納得してしまった。
学年が違うんだから、いつも近くにいられるわけじゃない。
ただのアンネリーゼと恋人同士のふりまでして、僕がシャルを守ろうとしているなんて周囲にばれてしまったら余計に針の筵だ。
だから俺とアンネリーゼだけの秘密にしといた方が良いと納得してしまったんだ。
愚かな俺は、またしてもアンネリーゼに言いくるめられてしまった。
シャルが入学する前から、恋人のふりをするということで、アンネリーゼと学園の行き返りや休日を共に過ごすようになった。
そのせいで、シャルと過ごす時間が明らかに減ってしまった。
シャルが学園に入学してきて、やっとシャルを遠くから見ることが出来た。
しばらく見ていなかったシャルは、また一段と可憐な女性へと成長していて胸が高鳴った。
思わず一目散に彼女に入学おめでとうと伝えようとシャルの元へ速足でむかっていた。
でもそんな僕の腕をとっさにアンネリーゼが引っ張って、その表情が俺に行くなと訴えていた。
そんなことをしてしまっては、今まで恋人のふりをしてきたことが無駄になるじゃないかといっているようだった。
そうだ、僕はシャルを周囲の悪意から守ってやらなければならない。
僕がシャルの近くに行って親しくすると、周囲の女の子たちに嫌がらせを受けてしまうかもしれないんだ。
学年が一学年違うだけで、校舎も違うなんて本当に最悪だ。
離れたところから、できる限りのことをしなくてはと思い直した僕は、これまでどうりアンネリーゼと恋人のふりをしてすごした。
シャルから、面会や話し合いの場を求められたが、大好きなシャルに会うと甘やかして歯止めがききそうになかったし、僕たちの計画を黙っておける自身もなかったので、心を鬼にしてシャルを避けてきてしまった。
そして、あの噂を耳にするようになった。
悲恋の恋人同士を邪魔する婚約者。
一体誰のことを言っているんだと思ったが、なんとそれはシャルのことだった。
気が動転してしまった僕は、どうにかその噂を火消ししようとした。
でも今更なんて言い訳をしたらいいんだ?
結局、今までの僕たちの行動で、その噂を消すことは難航を極めた。
次第に、シャルの様子が遠目からでもわかるくらいに憔悴していっていった。
しかも、いつ見てもひとりぼっちだ。
最悪なことに、次第と周囲がシャルのことを面白がって色々あざ笑うようになってきた。
もう、これ以上シャルを放っておけなくなった僕は、アンネリーゼに恋人のふりはこれ以上できないことを伝えた。
すんなり受け入れると思っていたのに、アンネリーゼは絶対に嫌だと縋ってきた。
その時のアンネリーゼの表情は、これまでいやになるほど目にしてきた、僕の周りに群がる女たちと一緒だった。
アンネリーゼに対して一気に嫌悪感が募った。
なんで僕は、恋人のふりなんかをこんな女としていたんだろうと今更ながらに後悔した。
その日の午後、アンネリーゼは授業には現れなかった。
すぐにでもシャルのところに行きたかったが、どうしても学園でシャルをみつけることができなかったので、放課後シャルに会うために、すぐに馬車に乗り込んだ。
学園でシャルを見かけなかったので、すでに帰ってきているかと思っていたが、僕の方がシャルより早くシャルの邸についてしまった。
シャルの兄のジェイドは、僕を射るかのような視線を送ってきたが、すぐに客室へ招き入れられ、シャルを待つことにした。
そしてその日、あの悲劇が起こってしまった―――。
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