今更あなたから嫉妬したなんて言われたくありません。

梅雨の人

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エルザとルーカス

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「おはよう、エルザ。」 

「おはようございます。ルーカス様。」 


エルザはいつものように迎えにやって来た婚約者の王太子ルーカスと挨拶を交わし、仲良く馬車へ乗り込んだ。

学園へ向かう馬車の中で、ルーカスとピッタリ寄り添って座るエルザの耳は真っ赤になっていた。 

いつまでたっても、そんなことで耳まで真っ赤になる可愛いエルザが愛おしくてたまらないのか、ルーカスはエルザの艶やかな髪をひと房取ると、指に絡めて髪にキスを贈った。

その後、エルザの可愛さに堪えきれなくなったルーカスはキスを繰り返し、学園に到着するまで真っ赤に染まったエルザをそっと抱きしめていた。 

同い年のエルザとルーカスは王命により八歳の時に婚約者となった。 

二人は頻繁に将来を語り合い、共に国を導いていけるよう努力を重ねてきた。 

その甲斐あってか、二人が互いの想いを通わすようなるには然程時間がかからず、周囲の大人たちもそんな微笑ましい二人を温かな目で見守っていた。 

学園にはルーカスの従兄でブリューゲル公爵嫡男ダグラスも在籍していた。 

ダグラスはルーカスとエルザが学園生活を滞りなく過ごせるようにいつも二人をそばで支えた。

三人は幼馴染で、互いに心を許せる存在でもあった。 

一方、相思相愛のルーカスとエルザは大変仲が良く、理想的な婚約者として多くの人々から憧れを抱かれていた。 

容姿端麗で頭脳明晰なルーカスとダグラスは女性の人気を二分するほどで、その間に守られるように立ち並ぶエルザも二人に引けを取らないほどの美貌とスタイルをもっていた。

その上、何事にも驕らず謙虚であろうとするの姿勢がエルザの魅力を引き立たせ、多くの世の男性に叶わぬ夢を抱かせていた。 

エルザとルーカスは、順調に学園生活を謳歌し、未来の自分たちを支えていってくれるだろう他の生徒たちとも交友関係を広げていった。 

しかし、あと一年で学園を卒業し婚姻式を控えていたある日、二人は国王に呼び出された。

そして、その広間には二人と同い年の男爵令嬢と聖教会の者たちが並んでいた。 
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