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ルーカスの嫉妬
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「エルザ、ダグラスが君の側近になったと陛下から聞いたがどういうことだい?君が陛下に頼んだのかい?」
「いいえ殿下。私の方からは陛下にもダグラス様にも何も頼んではおりません。」
「…殿下、か…。以前のようにルーカスと呼んではくれないのか…。ところでエルザ、ダグラスが君の側近として本当に必要なのだろうか?」
「殿下、ご存じでしょうか。私は第二妃です。ええ、もとより側近などつけてもらえない立場でございます。しかし不本意ながら王太子妃プリシラ様の業務をこちらに来てからずっと行わせて頂いておりますことは、殿下も当然ご存じのことと思いますが…。
そのような多忙な私に一人側近が付いたことに、何の問題がございましょう。側近がいなくとも出来るような王太子妃の業務であれば、なぜプリシア王太子妃様と王太子妃付きの側近の方々で行って頂けないのでしょうか。
そして、本来複数の側近の方々の助けを得てこそ潤滑に行われるべき王太子妃様の業務を第二妃ごときの私がたった一人で行っていたというのに、殿下はなぜこれまで私に配慮し側近をつけようともして下さらなかったのでしょうか。」
ダグラスが妻エルザの側近となったと国王から伝えられたルーカスは、自分以外の男がエルザの傍にいることに嫉妬心に駆られた。
そしてそのまま何も考えずにエルザの執務室に押し掛けたルーカスだったが、エルザにこう言われてやっとエルザが王太子妃の執務をたった一人で行っていたという現実に今更気が付き愕然としたのであった。
「…すまないエルザ。すまなかった…。ああ、分かっているとも、今のプリシアには王太子妃の仕事は任せられない…。ただ、私は君の傍に私以外の男がいると思うだけで嫉妬に狂いそうなんだ。
プリシアの行うべき王太子妃の仕事を君が全て行ってくれているのは承知している。私もプリシアも君には本当に感謝しているんだ。」
自分の弁解にエルザが耳を傾けてくれている様子にルーカスは安堵した。
しかしそれもつかの間、かつて見たことのないエルザの冷え切ったその表情を目の当たりにしたたルーカスは、エルザがこの状況を歓迎していないのだと察し言葉を失った。
「いいえ殿下。私の方からは陛下にもダグラス様にも何も頼んではおりません。」
「…殿下、か…。以前のようにルーカスと呼んではくれないのか…。ところでエルザ、ダグラスが君の側近として本当に必要なのだろうか?」
「殿下、ご存じでしょうか。私は第二妃です。ええ、もとより側近などつけてもらえない立場でございます。しかし不本意ながら王太子妃プリシラ様の業務をこちらに来てからずっと行わせて頂いておりますことは、殿下も当然ご存じのことと思いますが…。
そのような多忙な私に一人側近が付いたことに、何の問題がございましょう。側近がいなくとも出来るような王太子妃の業務であれば、なぜプリシア王太子妃様と王太子妃付きの側近の方々で行って頂けないのでしょうか。
そして、本来複数の側近の方々の助けを得てこそ潤滑に行われるべき王太子妃様の業務を第二妃ごときの私がたった一人で行っていたというのに、殿下はなぜこれまで私に配慮し側近をつけようともして下さらなかったのでしょうか。」
ダグラスが妻エルザの側近となったと国王から伝えられたルーカスは、自分以外の男がエルザの傍にいることに嫉妬心に駆られた。
そしてそのまま何も考えずにエルザの執務室に押し掛けたルーカスだったが、エルザにこう言われてやっとエルザが王太子妃の執務をたった一人で行っていたという現実に今更気が付き愕然としたのであった。
「…すまないエルザ。すまなかった…。ああ、分かっているとも、今のプリシアには王太子妃の仕事は任せられない…。ただ、私は君の傍に私以外の男がいると思うだけで嫉妬に狂いそうなんだ。
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自分の弁解にエルザが耳を傾けてくれている様子にルーカスは安堵した。
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