今更あなたから嫉妬したなんて言われたくありません。

梅雨の人

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新王太子

遂に国内の貴族だけでなく平民からも、エルザを蔑ろにし偽聖女にうつつを抜かしたルーカスの廃太子を求める声が最高潮に達していた。 

国王には子はルーカス一人しかおらず、王太子としては非常に有能なルーカスであったが、結局は国王といえど周囲の声にそれ以上抗うことも難しくなり、遂にルーカスの廃太子が決まった。 

そしてルーカスの代わりに王太子に選ばれたのは、王弟を父にもつブリューゲル公爵家嫡男ダグラスであった。 


ダグラスはもともと非常に優秀で評判も良く、エルザをずっと支えてきたこともあり、議会の満場一致で可決された。 

「ダグラスよ。愚かなルーカスのせいでお主には苦労を掛けるがよろしく頼むぞ。」 

「陛下、誠心誠意務めさせていただきます。 

それと陛下、私が王太子に就くにあたり、エルザ嬢を私の妻に…王太子妃として据えることをお許しください。」 

ダグラスの思いがけない願いに、国王は驚きを隠せないでいた。

「なんと…。二人はいつから…」 

「いえ、まだ私の気持ちをエルザ嬢には伝えておりません。しかし私はエルザ嬢のことを幼き頃より慕い続けておりました。私の妻は彼女一人だけしか考えられないのです。ですから、白い結婚で王家から離れていったエルザ嬢を再び王家に迎えることをお許しいただきたいのです。」 

「うむ。エルザを再び王家が迎え入れるのは何の問題もない。私としてもエルザを娘のように思っていたので大歓迎だ。そもそも既に王太子妃としての知識もある聖女エルザが王家に再び仲間入りするのを誰も反対するわけがない。」 

国王の返答に安堵の息を漏らしたダグラスはその場を辞し、早速ウィリアムソン侯爵に面会の申し入れをした。 


そしてウィリアムソン侯爵邸の面談室に通されたダグラスは緊張を隠せないようで、心なしかそわそわしながらエルザを待っていた。 

すぐにやって来たウィリアムソン侯爵夫妻とダグラスのいる部屋へとやって来たエルザだったが、ふとダグラスの様子がいつもと少し違うことに気が付き、エルザは首を傾げた。 

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