愛を知ってしまった君は

梅雨の人

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鈍感で残酷な女2

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それからジョーンズがその場を離れたのを確認し、ゆっくりと服を脱いで同じく薄い布を体に巻いたルビーは後を追った。 


「ジョーンズ、いるの?」 

薄暗く湯気が視界を塞いでいるため、目がまだ慣れていないルビーは立ち止まってジョーンズに話しかけた。

「あっ…ああ、ルビーここだ。ここ。」 

「うわぁ…すごく綺麗ね。湯気と光が綺麗に交じりあっていて幻想的…。夢みたい…。」 

「ああ…本当に…綺麗だ…夢みたいだ……」 

ゆっくりと湯の中に足をつけるルビーに出来るものなら手を差し伸べたいのに、湯から立ち上がることが困難になってしまったジョーンズは、ただただルビーのその艶めかしい姿に釘付けになってしまっていた。 

一歩一歩ルビーが自分に近づいてくるたびに、今までどうやって息をしていたのか忘れかけてしまったジョーンズは生唾をどうにか飲み込んだ。

「すごくあたたかいわ。気持ちがいいわね、ジョー。…ジョー?」 

「はっ…あっああ。ごめん、なんだって?」 

「どうしたの、ジョー?気持ちいいわねって言ったのよ?」  

「ああ、本当に気持ちいいものだな。俺も初めて入ったが癖になりそうだ。」  

「すごい、お湯が少しヌルヌルしてるのね。お茶会で友人が話してた通り、お肌がつやつやになりそうだわ。ほらみて、肌がこんなにすべすべしてる。」 

「…うっ……」 

「どうしたの?ジョー?大丈夫?」 

「…大丈夫だ、ルビー。俺のことは気にしないで温泉を楽しんでくれ…。」 

「どうしちゃったの?ジョー?おかしな人ね。ふふっ」 

その後、少し熱くなってきたからと言っては温泉の淵に腰かけては再び温泉に浸かることを繰り返したルビーは、その真っ白い全身の肌をうっすらと薄紅色に変えていた。

鈍感で残酷なルビーと一緒に湯につかってしまったことに幸運を感じると同時に、これはいったい何の罰ゲームだと自問自答を続けるジョーンズだった。 
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