見捨てられたのは私

梅雨の人

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タカさん以外の使用人のほとんどは、私をまだ女主人として認めてくれていないのでしょう。 

仕方ないといえばそうなのですが。初夜に夫婦の寝室を使用しただけであとは寝室を別にしておりますし、肝心の亮真様とは会話さえ特にしていないのですから。 
 

あれから数日間はお医者様に言われた通りにおとなしく過ごしておりました。

あいにく亮真様と顔を合わせることもございませんでしたし、それにあの使用人の言うように、そこまでして亮真様の気を引きたいのではと思わせてしまうのも嫌でしたので、このことは私とお医者様の間だけの秘密ということにしていただきました。 


体調も良くないがおそらく心労で倒れたのだろうとお医者様に診断を受けました。  

怪我のことを内密にしてほしいとお願いしましたらお医者様は渋い顔をしておられましたがいろいろ理由をつけては診察に訪れてきてくださっております。 

頭の痛みよりも肩の痛みと倒れた時の傷の痛みがひどく、衣類の下に隠すように痛み止めの薬を塗っておりますが、強く肩を打ちつけたみたいで治るのには少し時間がかかるだろうと言われてしまいました。 
 
◇◇◇◇


 
梅雨の季節に入りました。

今日は幼いころから仲良くさせていただいている妙子さまが体調を崩されたとお聞きしてお見舞いに伺いました。  

妙子様とはおっとりとした似た者同士で仲良くさせて頂きましたので、その決断を半ば無理やり強行された妙子さまには、当初、本当に驚かされてしまいました。 

妙子様には元々許嫁の方がおられました。その方は常に不特定多数の女性と仲良くされておりましたが、それでもお家のためにと我慢しておられたのを覚えております。 

御家族から大反対されても妙子さまの旦那様と夫婦となることをあきらめなかった彼女はお家から勘当されましたが、それでも幸せそうに以前よりつつましやかな生活を送られています。

色々と苦労も多かったのではとは思いますが、今とても幸せそうに過ごされておられるようで私も安堵させて頂きました。 

私のほうも自分の結婚式や新居への引っ越しの準備が終われば、今度は大河内の嫁としてなれない生活を送っておりましたので長らく落ち着いて妙子様にお会いすることができておりませんでした。 

先日、妙子さまの旦那様から妙子さまが寝込んでしまって元気がないようだと、私の顔をみれば元気になってくれるかもしれないから是非あってあげてほしいと手紙で頼まれていた私は二つ返事で急いで駆けつけたのでございます。 

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