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幸せ
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カーン!カーン!
「「「「おめでとうー!!」」」」
良く晴れた温かな日差しの中、たくさんの仲間に見守られて、
今日俺は愛する人と夫婦になる。
ここまでたどり着くのに、色んなことがあった。
本当に幸せでどうにかなりそうだ。
「「おめでとう、テオ」」
「ありがとう母さん、義父さん。」
俺の目標は、この二人みたいな夫婦になることだ。
俺は小さかったので全く知らなかったが、義父が実は俺と血がつながっていないと知らされたのは、まだ10歳の時だった。
俺たちの名前が似ているから、てっきり俺の名前は義父さんの名前からもらったものだと思っていた。
義父さんがいつも言っている。
母さんに結婚を受け入れてもらえた時は死んでもいいくらい嬉しかったと。
そんな父は、愛する人の息子である俺のことも、愛情たっぷりに育ててくれた。
俺にとって世界一の自慢の義父だ。
そして、その義父の喜びと幸せは現在も絶賛進行中だ。
母さんを、本当に大事に、大事にしていつも二人で寄り添って幸せそうにしている。
それから、俺が言っちゃなんだが、息子の俺から見ても年をとった母さんはかなりの美人だ。
しかも性格がいいからか、未だにモテまくりだ。
無自覚のかあさんは全く気が付いてないみたいだが、周りの男を追い払うのに、義父さんも、ルーナさんもサムさんもいつも目を光らせている。
なんてったって、あのルーナさんの眼力はいつ見てもやばいなんてレベルじゃあない。
目から何かやばい光線でも出してるんじゃないかってくらいおっそろしいんだ。
義父さんもその眼力光線をかつて受けた内の一人で、母さんと一緒になれてからはその光線が本当に頼もしいらしい。
今のパン屋兼カフェはルーナさんとサムさんが引退するときに母さんが引き継いだ店だ。
忙しいときはルーナさんとサムさんも手伝ってくれている。
ルーナさんとサムさんはまあ、俺のじいちゃんとばあちゃんみたいなものかな。
そして、義父さんは、母さんがパン屋を引き継ぐって決めたときに、騎士団をやめてパン屋を手伝うことにしたみたいだ。
騎士団をやめても、体力作りは毎日やってるから、俺よりも体は引き締まっている。
何年か前に、カフェを併設したら、焼き立てパンを提供するうまいカフェってことで大人気になり、俺たちは家族総出で、店を切り盛りしている。
母さんはもともと、この街ではなく違う街に住んでいたらしい。
そこで、前の夫、つまり俺の本当の父親が浮気をして、それが原因で家を飛び出してこの街に辿り着いたんだって。
ちょうど、俺が母さんの腹にいるってわかった日の出来事だったみたいだ。
本当に馬鹿な父親だ。義父さんならそんなこと絶対にしないだろうな。
そして、前の夫が母さんを追いかけてきて、どうにか関係を修復したかったっぽいけど母さんはどうしても無理だったらしい。
プロポーズをされたらしいけど、断ったんだと。
結構その前の夫も頑張ってたらしいけど、母さんにとっては、やっぱりその男が浮気してたっていう不快感とか不信感が拭えきれなかったらしい。
そりゃそうだよな。
俺もこの年になって、その時の母さんの気持ちが分かる。
だから、浮気をしてしまった本当の父親の自業自得といったところだろうと思う。
本当に馬鹿だよな。そんなに母さんと復縁したくなるくらい好きなんだったら浮気なんかするんじゃねえよ。
反面教師じゃないけども、俺は絶対にそんな馬鹿な真似はしないと心に決めている。
その浮気した父親の足は少し不自由で、それは昔、俺たちが火事に巻き込まれたときに、体を張って助けてくれた時に、燃えた家屋の下敷きになったのが原因らしい。
母さん曰く、もしそれがなければ俺たちは生きていなかっただろうから、浮気した父親だけど、命の恩人でもあるんだと。
俺は全く覚えてないから、まあ、命の恩人といわれても、浮気して女房に捨てられた馬鹿な男としか思えないが。
最近もそんな話をしていたら、ルーナさんは同感だと大爆笑して勢い余って、サムさんの背中をぶったたいていた。
せめてサムさんが、何も食ってないときにそんな話をするんだったな。
ちなみに、その本当の父親はこの街に住んでいて、たまに俺たちの営むパン屋兼カフェに食いに来る。
いつ見てもいまだに、母さんのことを未練たらしくチラチラ見ている。
まあ、見るだけなら問題ないし、浮気した馬鹿な父親でも一応命の恩人だしな。
義父さんたちも見張ってるし。
義父さんも、その浮気した父親のことを知っているというか、かつて同僚だったらしいので、会えば当たり障りない話をしているみたいだ。
若いときは結構モテたんじゃねえかって顔してるけど、この男には全く女の影が見えない。
なんなんだろうな一体。
浮気するくらいなんだから母さんがいなくても、他の女と一緒になればよかったのにな。
まあ、俺のしったことじゃないけど。
だって、俺は母さん、義父さん、ルーナさん、サムさんそして、俺の嫁がいて本当に幸せだからな。
これから、俺たちに子供ができたりして、もっともっとみんなで賑やかに、幸せになっていけるんだろうな。
そう。これからもっともっと、そして、ずっと----。
【完】
――――――――――
最後まで読んでいただきまして本当にありがとうございました。
ずっと、小説を書いてみたいと漠然と思っていたのですが、
この度、何の気まぐれか思い切って初めて挑戦させていただきました。
これを機に、これからも新しい話に挑戦させてもらおうかと思っています。
また、その時はよければお付き合いください。
ありがとうございました。
「「「「おめでとうー!!」」」」
良く晴れた温かな日差しの中、たくさんの仲間に見守られて、
今日俺は愛する人と夫婦になる。
ここまでたどり着くのに、色んなことがあった。
本当に幸せでどうにかなりそうだ。
「「おめでとう、テオ」」
「ありがとう母さん、義父さん。」
俺の目標は、この二人みたいな夫婦になることだ。
俺は小さかったので全く知らなかったが、義父が実は俺と血がつながっていないと知らされたのは、まだ10歳の時だった。
俺たちの名前が似ているから、てっきり俺の名前は義父さんの名前からもらったものだと思っていた。
義父さんがいつも言っている。
母さんに結婚を受け入れてもらえた時は死んでもいいくらい嬉しかったと。
そんな父は、愛する人の息子である俺のことも、愛情たっぷりに育ててくれた。
俺にとって世界一の自慢の義父だ。
そして、その義父の喜びと幸せは現在も絶賛進行中だ。
母さんを、本当に大事に、大事にしていつも二人で寄り添って幸せそうにしている。
それから、俺が言っちゃなんだが、息子の俺から見ても年をとった母さんはかなりの美人だ。
しかも性格がいいからか、未だにモテまくりだ。
無自覚のかあさんは全く気が付いてないみたいだが、周りの男を追い払うのに、義父さんも、ルーナさんもサムさんもいつも目を光らせている。
なんてったって、あのルーナさんの眼力はいつ見てもやばいなんてレベルじゃあない。
目から何かやばい光線でも出してるんじゃないかってくらいおっそろしいんだ。
義父さんもその眼力光線をかつて受けた内の一人で、母さんと一緒になれてからはその光線が本当に頼もしいらしい。
今のパン屋兼カフェはルーナさんとサムさんが引退するときに母さんが引き継いだ店だ。
忙しいときはルーナさんとサムさんも手伝ってくれている。
ルーナさんとサムさんはまあ、俺のじいちゃんとばあちゃんみたいなものかな。
そして、義父さんは、母さんがパン屋を引き継ぐって決めたときに、騎士団をやめてパン屋を手伝うことにしたみたいだ。
騎士団をやめても、体力作りは毎日やってるから、俺よりも体は引き締まっている。
何年か前に、カフェを併設したら、焼き立てパンを提供するうまいカフェってことで大人気になり、俺たちは家族総出で、店を切り盛りしている。
母さんはもともと、この街ではなく違う街に住んでいたらしい。
そこで、前の夫、つまり俺の本当の父親が浮気をして、それが原因で家を飛び出してこの街に辿り着いたんだって。
ちょうど、俺が母さんの腹にいるってわかった日の出来事だったみたいだ。
本当に馬鹿な父親だ。義父さんならそんなこと絶対にしないだろうな。
そして、前の夫が母さんを追いかけてきて、どうにか関係を修復したかったっぽいけど母さんはどうしても無理だったらしい。
プロポーズをされたらしいけど、断ったんだと。
結構その前の夫も頑張ってたらしいけど、母さんにとっては、やっぱりその男が浮気してたっていう不快感とか不信感が拭えきれなかったらしい。
そりゃそうだよな。
俺もこの年になって、その時の母さんの気持ちが分かる。
だから、浮気をしてしまった本当の父親の自業自得といったところだろうと思う。
本当に馬鹿だよな。そんなに母さんと復縁したくなるくらい好きなんだったら浮気なんかするんじゃねえよ。
反面教師じゃないけども、俺は絶対にそんな馬鹿な真似はしないと心に決めている。
その浮気した父親の足は少し不自由で、それは昔、俺たちが火事に巻き込まれたときに、体を張って助けてくれた時に、燃えた家屋の下敷きになったのが原因らしい。
母さん曰く、もしそれがなければ俺たちは生きていなかっただろうから、浮気した父親だけど、命の恩人でもあるんだと。
俺は全く覚えてないから、まあ、命の恩人といわれても、浮気して女房に捨てられた馬鹿な男としか思えないが。
最近もそんな話をしていたら、ルーナさんは同感だと大爆笑して勢い余って、サムさんの背中をぶったたいていた。
せめてサムさんが、何も食ってないときにそんな話をするんだったな。
ちなみに、その本当の父親はこの街に住んでいて、たまに俺たちの営むパン屋兼カフェに食いに来る。
いつ見てもいまだに、母さんのことを未練たらしくチラチラ見ている。
まあ、見るだけなら問題ないし、浮気した馬鹿な父親でも一応命の恩人だしな。
義父さんたちも見張ってるし。
義父さんも、その浮気した父親のことを知っているというか、かつて同僚だったらしいので、会えば当たり障りない話をしているみたいだ。
若いときは結構モテたんじゃねえかって顔してるけど、この男には全く女の影が見えない。
なんなんだろうな一体。
浮気するくらいなんだから母さんがいなくても、他の女と一緒になればよかったのにな。
まあ、俺のしったことじゃないけど。
だって、俺は母さん、義父さん、ルーナさん、サムさんそして、俺の嫁がいて本当に幸せだからな。
これから、俺たちに子供ができたりして、もっともっとみんなで賑やかに、幸せになっていけるんだろうな。
そう。これからもっともっと、そして、ずっと----。
【完】
――――――――――
最後まで読んでいただきまして本当にありがとうございました。
ずっと、小説を書いてみたいと漠然と思っていたのですが、
この度、何の気まぐれか思い切って初めて挑戦させていただきました。
これを機に、これからも新しい話に挑戦させてもらおうかと思っています。
また、その時はよければお付き合いください。
ありがとうございました。
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