魔法少女に就職希望!

浅上秀

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最終章 魔法少女は続くよ、いつまでも

第三話 黒幕は誰だ

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アミ、ユリ、アズ、ミヅキが目を覚ますとエグチの車は魔法少女協会に到着していた。
車から降りて荷物を手に取ると、四人はそれぞれタクシーに乗って帰宅した。
次の日は慰労として特別休日が割り当てられたので、四人はしっかりと身体を癒した。

「一昨日はお疲れ様」

「本当に大変だったわね」

「大きなけが人が出なくてよかった」

出社した四人は先輩たちに囲まれた。

「は、はぁ」

「まぁそうですね」

先輩たちをなんとか宥めて席に戻す。

「ねぇ」

ミヅキがアミとユリに近づいてくる。

「どうしたの?」

「ちょっと後で話があるの…」

「いいけどアズは?」

「アズも呼んである」

「わかった。ミーティングルームで話す?」

アミが何の気なしに部屋の予約状況を確認しに行こうとした。

「ダメ、あそこはダメ」

ミヅキが青い顔で首を振る。

「じゃあ、トレーニングルーム?」

ユリが首を傾げる。

「この建物の中は絶対にダメ」

「わかった。じゃあ家は?」

「え、アミの家?」

「いいんじゃない?ここから近いし」

「決まりね」

「アズにも伝えておく」

「了解」



四人は終業後に集まってアミの家に向かった。

「ちょっと狭いけどどうぞ」

「一軒家だったんだ」

初めて来たアズが驚いている。
ミヅキも興味深そうに眺めている。

「実家暮らしだからね」

アミは照れくさそうだ。

「さっさと中にいれなさいよっ」

ユリにつつかれたアミはそそくさと鍵を開けた。

「お邪魔します」

「はーい、どうぞ」

アミの母が出迎えてくれる。

「お邪魔します。これつまらないものですが」

「あらぁ、お気を使わずに!」

三人はアミの母に挨拶してからアミの部屋にむかった。



「それで話って?」

早速ユリが本題を切り出す。

「あのね、その…」

ミヅキはなかなか話し始めない。

「ミヅキ、ゆっくりでいいわよ」

アズがミヅキの肩を撫でる。

「う、うん」

「あなたたち夕ご飯まだでしょ?食べてく?」

急にアミの部屋のドアが開いてアミの母が入ってくる。

「お母さん!今、大切な話してるの!後にして!」

「あら、ごめんなさいね」

「いやでも、腹が減ってはなんとやらって言うじゃない」

ユリが宥める。

「先にご飯にしようか」



三人はアミの母の手料理をご馳走になった。

「はぁおなかいっぱい」

「美味しかった」

「アミは幸せ者だね。こんなに美味しいものが毎日食べられてさ」

「そうかな?」

四人は再びアミの部屋に戻ってきた。

「それでミヅキ、話って?」

「ああ、うん、怪人の言ってた本当のボスのこと」

「あれ、全然わからないよね」

アズも頭を振っている。

「あの、私、わかっちゃった」

「え、わかっちゃたって、本当のボスが?」

こくりとミヅキが頷く。

「えええええええ」

四人全員が驚いた。










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