魔法少女に就職希望!

浅上秀

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第十一章 負けられない戦いが

第五話 ようやく辿り着いた

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「たぁぁああ」

「そりゃあああ」

「おおおおお」

「そいやっ」

四人は魔法を使わずにロットや蹴りで怪人をなぎ倒していく。
人数は多いものの、生まれたての怪人だからか一撃で倒せるものばかりだった。

「ねぇこれ、弱くない?」

「でも数は多い」

「きっと、私たちの体力を削ぎにきてるのよ」

「全く、狡いやつね」

四人はバサバサと怪人をなぎ倒しながら目的地にようやくたどり着いた。



「ついた!」

四人は魔法で辿り着いた。

「スカイタワーへようこそ。魔法少女の方々、お待ちしておりました。しかし随分と時間がかかりましたねぇ」

「あんたは!」

そこでは魔方陣の横に優雅に腰かけた自称ボスがいた。

「ぎょぎょ」

魔方陣からは次々と怪人が生まれ、転移の魔方陣で町へと放たれている。

「あの魔方陣を壊さないと」

「ええ、そうね」

「でもその前にあいつも倒さないと」

「やること多い」

四人はそれでも活気に満ち溢れた表情をしている。

「それじゃあ」

「いっちょ」

「やって」

「やりますか」

四人は一度、変身を解除する。

「おやおや何をするおつもりで?」

「まぁ見てなって」

「私たちの」

「底力」

「思い知らせてやる」

四人が腕時計をしている手を高く上げる。

「変身」

「チェンジ」

「変身開始」

「変身を開始します」

「チェンジスタート」

「チェンジ、スタート!」

バリトン、テノール、セクシー、エネルギッシュ、四種類のボイスが響いて、辺りは四色に包まれる。

「魔法少女アミ」

「魔法少女ユリ」

「変身完了」

「魔法少女アズ」

「魔法少女ミヅキ」

「チェンジフィニッシュ」

四人は先ほどまでのドロドロのコスチュームから、もう一度変身し直すことで綺麗なコスチュームに変わった。
それだけでなく、変身をもう一度することで魔力も一度だけリセットして増幅させることができるのだ。

「新人ちゃんたちにも伝えといてよかったわね」

「一日に一回しか使えないけどね」

「二回使ったら死んじゃうんだもの」

「それは困る」

変身し直した四人を見て怪人が両手を叩く。

「ほう、ただキレイになったわけではない、と」

「そうよ」

「この世の全ての魔法少女を代表して」

「私たちが」

「あんたを倒す」

「ふん、面白い。受けてたとうではないか」

四人はロットをかまえる。

「こちらからイクぞ」

怪人は初めて自身でビームを繰り出す。

「へぇ怪人作って攻撃するだけじゃないんだ」

「転移門があるから作った怪人をこっちに出せないのよ」

「なるほど、ねっ」

隙を見て怪人を攻撃する。
意外にも攻撃は怪人にダメージを与えて行っていた。

「な、なん、だと」

「あんた案外よわっちいのね」

アズが鼻で怪人を笑った。

「己、我を馬鹿にしたなぁあああ」

怪人が真っ赤になって怒り始める。

「魔法怪人団オンナノテキ団長、シキソの本気の攻撃を受けてみるがいい!!!」

なにやら怪人がパワーをため始める。

「ねぇあいつの名前、シキソだったのね」

「ほくろとかシミとか作るやつ?」

「最悪じゃん」

「アイシャドーでもつかない?」

四人が雑談を始める。

「おまえらあああ、何をのんきにしているんだああああ」

シキソは更に怒った。

「ねぇアレやってみようよ」

アミがロットの一番大きなジュエリーを叩きながら腕時計をかざす。

「でもまだ成功したことないじゃない」

ユリが反対する。

「成功率って大事よ?」

アズも反対のようだ。

「でもあの魔方陣ごと消せるかも」

ミヅキが魔方陣を見つめながらいう。

「試す価値はあるよ」

アミも頷く。

「・・・わかったわ」

「やってみましょうか」

ユリもアズも折れた。



全員が輪になり、ロットのジュエリーの上に腕時計をかざす。

「最大魔法」

「展開」

「魔力放出準備」

「出力最大」

「標的」

「ロックオン済み」

「発射準備」

「オッケー」

「じゃあ行くよ」

「魔法少女、全力、ロケットアターック」

四色の光の魔力弾が四人のロットから飛び出す。
そして標的である怪人めがけてロケットのように飛んでいく。

「ふん、こんなもの」

腕で払いのけようと怪人が右手を振りあげた途端、右腕が消えた。

「な、なに!?」

光が怪人に迫る。

「うわあああああ」

怪人を飲み込んだ光は後ろの魔方陣も飲み込んだ。
そしてすべてを無に帰した。

光が収まると怪人も魔方陣も消えていた。

「やった!」

「勝った、私たち、ボスに勝った」

「これ新しく怪人が生まれることはなくなったわ」

「さぁ街に降りて残党狩りよ」









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