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浅上秀

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老舗旅館に出資してみた

4話

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「ちょっと入りすぎたなかな…」

いつもあまり長風呂はしないが、今日は思わずのんびり浸かってしまった。
風呂上がりの瓶牛乳が恋しかったがさすがに脱衣所にはなかったので、髪を乾かしてさっさと部屋に戻ることにした。

「あ、すみません、牛乳もらえますか」

「かしこまりました」

部屋についていた電話で藤原さんに牛乳を持ってきてもらうことにする。
それから十分くらいで部屋の扉をノックする音がした。

「失礼いたします」

スーツ姿に着替えた藤原さんはワゴンに乗せて牛乳と果物も持ってきてくれた。

「食事も?」

「はい、お昼は何も召しあがっていないご様子でしたので」

ローテーブルの上にキレイに並べられたそれらは高級ホテルのようだ。

「いただきます」

「ごゆっくりどうぞ」

藤原さんは一礼すると部屋を出ていく。
俺はテレビを見ながらソファでゆったりと遅めのランチを楽しむ。

「にしても静かだな…」

俺以外、別館にはいないようだ。
中庭を見下ろすと何人か浴衣をきた人が行き来しているのが見えるが、客ではなく仲居のようだった。

「夕食なんだろうな~」



テレビをみてゴロゴロするのにも飽きてきたので、食事を下げてもらうついでに藤原さんに暇つぶしできる場所はないか尋ねた。

「そうですね…少し早いですがお夕食はいかがでしょう?」

「え、でもまだ4時ですけど?」

「お食事以外にも余興がございますので…」

藤原さんは意味深に微笑む。

「じゃ、じゃあ、夕食にしてください」

俺は藤原さんの微笑みに引き込まれるようにそう答えていた。

「かしこまりました。後ほど、お迎えにあがります」

「服とかどうしたらいいですか?」

部屋食じゃなさそうなので着替えた方がいいのかと思った。

「そうですね、お好きな服装でいらしてください。お客様お一人様ですので」

「わかりました」



「ご夕食会場にご案内いたします」

今度は綺麗な浴衣姿の藤原さんが迎えに来てくれた。

「あ、はい」

旅館に備え付けの浴衣に下駄、貴重品を入れたカバンを片手に俺は藤原さんの後に続く。

「…こちらへどうぞ」

別館の一階、大浴場とは逆方向にあった鍵のかかった襖を開けて中へと案内される。

「おぉ…」

靴を脱いで畳に上がる。
奥には舞台のようになっていて、部屋の真ん中には六人くらいで食事できそうな卓があった。
そのど真ん中の用意された場所に座るとしたは掘りごたつになっていて足を楽にすることができる。

「ここに座ったらなんか腹減ってきたな」

浴衣の上から腹をさする。

「お飲み物は何になさいますか?」

藤原さんが俺に尋ねる。

「あー、さっきビール飲んだから日本酒で」

「かしこまりました。お通しがお魚なので冷でよろしいでしょうか?」

「あ、はい」





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