129 / 130
番外編 体験型ストア
3話
しおりを挟む
オークションにも飽きてしまった俺は会場を出たいが薄暗いので出口がどこかわからない。
「あ、そういえば」
俺はタブレットにあったコンシェルジュボタンを押してみた。
するとすぐにチャット画面が立ち上がる。
「どうかされましたか?」
向こうからのメッセージが先に来た。
「えっと、オークション会場を出て出資の方を見に行きたい、っと」
送るとすぐにレスポンスが返ってくる。
「かしこまりました。ただいま係りの者がお席にお迎えにあがりますのでそのまま少々お待ちください」
数秒後、運営の人が俺の席まで迎えに来てくれた。
そして懐中電灯で足元を照らしながら出口へと案内してくれる。
さらに出口を出てから出資の部屋まで案内してもらえた。
「ありがとうございます」
見送ってくれた人にお礼を言うと恭しく扉を開けてくれた。
「いえいえ、ごゆっくりお楽しみください」
部屋に入ると裸の男たちが並んでいた。
男たちは首からQRコードを下げて立っている。
なんだこの光景は。
何人かは連れ出されていくがどこからともなく新たな男たちが追加されるので男の数が減ることはない。
とりあえず近くにいた男のQRコードを読んでみる。
「なるほどな」
QRコードを読み取るとタブレットの画面に男の詳細な個人情報と出資希望金額、返礼などが書かれていた。
個人情報は名前、生年月日、住所だけでなく現在の職業や未婚既婚、子供の有無などまで載っている。
隣りの男性のも読み取るとまた新たな画面が立ち上がる。
「へぇ」
いくつか読み取って比較してみたが出資金額はそこまで高くない人が多そうだ。
男たちを眺めながら気になる人がいればQRコードで情報を読んで情報を見る。
そして画面から出資して持ち帰りか後日の呼び出しか選べるようだ。
出資の目標金額に到達した男たちが部屋を出ていっているように思える。
「小額からでも出資できるのか」
自分で好きな金額だけ出資できるのがメリットだろう。
例えば出資希望金額が500万の男がいたら10万だけ出資することもできるし、500万出資することもできる。
金額によって返戻されるサービスが異なることと最低出資金額が決まっているのはいつものシステムと変わりない。
ただリアルに出資相手と対面できることが最大の売りだろう。
俺は一通り並んでいる男の顔や体を眺めた。
「なんだこれ」
部屋を回っているとさすがに喉が渇いたのでコンシェルジュサービスを使おうと端によってタブレットを開いた時だった。
先ほどまではなかったプレミアムというボタンを見つけた。
ボタンを押してみるとまた新たな画面が立ち上がる。
「タイムセール、福袋って通販サイトかよ」
それは大手通販サイトさながらの作りのホームページだった。
現場にいる男の何人かはセールで売り出されていたり、福袋として相手も返戻品もお楽しみで定額出資するものもある。
「はぁ、色々考えるな運営も」
あの手この手で客から金を搾り取ろうとするその姿勢は本当にあっぱれだ。
特段会場にも気に入る男がいないので好奇心半分に福袋を選択してみた。
金額もそれほど高くないのを選ぶ。
持ち帰りと呼び出しが選べたので持ち帰りにする。
「今すぐ持ち帰れるのか」
苦笑しながら今すぐ持ち帰りを選ぶとコンシェルジュのチャット画面が立ち上がった。
「ご購入ありがとうございました。持ち帰り先はどちらにされますか?」
「ホテルで、っと」
「かしこまりました。ホテル、送迎の手配をさせていただきますのでこのまましばらくお待ちください」
「料金は?」
「福袋の中にご宿泊、送迎費用も含まれております」
それなら安い買い物だったかもしれない。
「ご準備が整いましたのでご案内いたします」
チャットはそこで終わった。
「あ、そういえば」
俺はタブレットにあったコンシェルジュボタンを押してみた。
するとすぐにチャット画面が立ち上がる。
「どうかされましたか?」
向こうからのメッセージが先に来た。
「えっと、オークション会場を出て出資の方を見に行きたい、っと」
送るとすぐにレスポンスが返ってくる。
「かしこまりました。ただいま係りの者がお席にお迎えにあがりますのでそのまま少々お待ちください」
数秒後、運営の人が俺の席まで迎えに来てくれた。
そして懐中電灯で足元を照らしながら出口へと案内してくれる。
さらに出口を出てから出資の部屋まで案内してもらえた。
「ありがとうございます」
見送ってくれた人にお礼を言うと恭しく扉を開けてくれた。
「いえいえ、ごゆっくりお楽しみください」
部屋に入ると裸の男たちが並んでいた。
男たちは首からQRコードを下げて立っている。
なんだこの光景は。
何人かは連れ出されていくがどこからともなく新たな男たちが追加されるので男の数が減ることはない。
とりあえず近くにいた男のQRコードを読んでみる。
「なるほどな」
QRコードを読み取るとタブレットの画面に男の詳細な個人情報と出資希望金額、返礼などが書かれていた。
個人情報は名前、生年月日、住所だけでなく現在の職業や未婚既婚、子供の有無などまで載っている。
隣りの男性のも読み取るとまた新たな画面が立ち上がる。
「へぇ」
いくつか読み取って比較してみたが出資金額はそこまで高くない人が多そうだ。
男たちを眺めながら気になる人がいればQRコードで情報を読んで情報を見る。
そして画面から出資して持ち帰りか後日の呼び出しか選べるようだ。
出資の目標金額に到達した男たちが部屋を出ていっているように思える。
「小額からでも出資できるのか」
自分で好きな金額だけ出資できるのがメリットだろう。
例えば出資希望金額が500万の男がいたら10万だけ出資することもできるし、500万出資することもできる。
金額によって返戻されるサービスが異なることと最低出資金額が決まっているのはいつものシステムと変わりない。
ただリアルに出資相手と対面できることが最大の売りだろう。
俺は一通り並んでいる男の顔や体を眺めた。
「なんだこれ」
部屋を回っているとさすがに喉が渇いたのでコンシェルジュサービスを使おうと端によってタブレットを開いた時だった。
先ほどまではなかったプレミアムというボタンを見つけた。
ボタンを押してみるとまた新たな画面が立ち上がる。
「タイムセール、福袋って通販サイトかよ」
それは大手通販サイトさながらの作りのホームページだった。
現場にいる男の何人かはセールで売り出されていたり、福袋として相手も返戻品もお楽しみで定額出資するものもある。
「はぁ、色々考えるな運営も」
あの手この手で客から金を搾り取ろうとするその姿勢は本当にあっぱれだ。
特段会場にも気に入る男がいないので好奇心半分に福袋を選択してみた。
金額もそれほど高くないのを選ぶ。
持ち帰りと呼び出しが選べたので持ち帰りにする。
「今すぐ持ち帰れるのか」
苦笑しながら今すぐ持ち帰りを選ぶとコンシェルジュのチャット画面が立ち上がった。
「ご購入ありがとうございました。持ち帰り先はどちらにされますか?」
「ホテルで、っと」
「かしこまりました。ホテル、送迎の手配をさせていただきますのでこのまましばらくお待ちください」
「料金は?」
「福袋の中にご宿泊、送迎費用も含まれております」
それなら安い買い物だったかもしれない。
「ご準備が整いましたのでご案内いたします」
チャットはそこで終わった。
0
あなたにおすすめの小説
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる