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第5話 胡散臭い我が家の成り立ち
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「お帰りなさいませ、お嬢様」
家に帰った私を出迎えてくれたのは、家政婦のジェシカ。私が産まれるずっと前から我が家で働いてくれているベテランで、貧しさ故に次々に使用人が減っていった今でも、最後の家政婦として頑張ってくれていた。
「今日も、学校帰りにバイトの面接に行かれたのですか?」
「ううん。今回はチェックしただけで、これからその傾向と対策を練るところ」
そう言って私は、鞄から一冊のノートを取り出す。その表紙には、大きく『目指せ、バイト合格』と書かれていた。
面接で5回もバイトを落とされたけど、そこで諦める私じゃない。今日も学校が終わってから家に帰るまでの間、バイトを募集しているところを片っ端から探しては、ノートに記録していた。問題は、この中のどこを、どうやって受けるかだ。
「今までは、私が貴族って聞くと嫌な顔されていたからね。まずは、そんなの関係なく受け入れてくれそうなところを探さないと。あとは、貴族に対する偏見をなくすくらいの自己PRができたらいいんだけど」
「お嬢様なら、身分や立場に関係なく良い仕事をされると思うのですけどね。私の教えた家事も熱心にやってくれていますし、とても働き者です」
「ありがとうジェシカ」
ベテラン社会人であるジェシカにそう言って貰えると心強い。
「とりあえず、まずはお着替えをすませてください。今日は旦那様もいますし、久しぶりにみなさん揃って晩御飯になりますよ」
「えっ、お父さん帰ってきてるの?」
最近のお父さんは、毎日金策に駆け回っていて、家にいることが極端に少ない。数日留守にするのも珍しく無く、今回も三日前からずっと家を空けていた。
それが帰ってきたとなると、もしかしたらいい話でもあったのかも。そんな淡い期待をしながら、急いで着替えを済ませお父さんのいる書斎へと向かう。
「ただいま。お父さん、金策の当てはできたの?」
真っ先にそう訪ねると、苦笑混じりの言葉が返ってきた。
「お帰りシアン。三日ぶりに会った第一声がそれかい」
「だって大事な事じゃない」
「そういうところはポーラにますますに似てきたな」
お父さんはそう言うけど、そのためにわざわざ三日もうちを開けたんだから、少しは成果を期待してしまう。因みにポーラと言うのは、四年前に亡くなった私のお母さんだ。
それから、お父さんの隣に立つ、執事のレイモンドにも顔を向けた。
私とお父さん、それにジェシカとレイモンド。これが、現在アルスター家のフルメンバー。貴族の家とその使用人にしてはあまりに少ない数だけど、これ以上人を増やす余裕なんて無い。だからこそ、お父さんも金策に頑張ってるんだ。
「レイモンドもお疲れ様。で、どうだったの?」
「金策の件ですが、何と申しますやら。良いお話があるにはあったのですが、それがまた……」
「待てレイモンド。そこから先は私が話そう」
口ごもるレイモンドを見て、お父さんがその後を引き継いだ。確か今回は、地方で成功している商人のところに行ってたはずだ。
「それはもうビックリするくらいの厚待遇を受けてな。滞在中の宿泊費や食事代は全てあちらが払ってくれて、おまけにオペラの公演にまでつれていってもらった。私はオペラの事はちっとも分からんが、多分よかったと思うぞ。なんかこう、とてもいい声で歌ってた」
「うん、それはよかったね。で、肝心の金策はどうなったの」
「…………お前な、もう少しゆっくり聞いてもいいじゃないか」
得意気に話すお父さんだけど、いくら滞在中にいい思いをしようと、一番大事なのは資金の話だ。それを聞くまで、決して安心はできない。
「まあとにかく、そんなわけで実に楽しい三日間だったわけだが、最後に先方がこう言ったんだ。自分はこれから新しい事業を始めるので、それに投資してくれる人を探していると」
…………ん? 気のせいかな。なんだか雲行きが怪しくなってきたような気がする。
「もし投資してくれるのなら、一年後には倍になって返ってくる。まだ他の誰にも言っていない、確実に儲かる話だとな」
「ちょっ、ちょっと待って。まさかとは思うけど、その話にのったりしてないよね?」
この流れ、詐欺の予感がプンプンしてくるんだけど。
だけどお父さんは、心配する私を見ながら笑って言った。
「当たり前だろ。これが詐欺だってことくらい、話を聞いてすぐにピンときたさ」
よかった。どう考えても怪しさしかないこの話を見破ったところで、わざわざ胸を張るほどの事かとは思うけど、騙されるよりはずっといい。
実を言うと、既にお金を渡した、なんて最悪の事態も想像していたんだけど、こんな風に不安になるのには、それなりの根拠がある。
「父さんだって、ちゃんと過去の失敗から学んでるんだ。ダテに三回も騙されちゃいないさ」
これだ。それ、全然威張れることじゃないからね。
元々そう豊かでは無かった我が家だけど、今の貧困生活が決定的になったのも、元を辿ればお父さんが三回も詐欺被害にあったのが原因だ。絶対儲かるなんて甘い言葉に誘われて、いずれも大金をドブに捨ててしまっていた。
今回騙されなかったのはよかったけど、今までに三回も騙されてるって時点で相当なものだからね。
なのに本人はこの未だ調子。決して悪い人ではないけれど、一家の頭首としてはいささか以上に頼りないのではないかと思ってしまう。
「で、それじゃ結局、金策には失敗したってわけ?」
「えっ? ま、まあそう言うことになるかもしれないが、損はなかったわけだし、三日間飲み食いできたし、結果的によかったじゃないか」
「よくありません。そこを何とかしないと、うちは延々貧しくなっていく一方です」
「それはまあ…………そうなんだよな」
現実を突きつけられ、さっきまでの得意気な様子が嘘のように落ち込むお父さん。すると見かねたレイモンドが、助けるように口を挟んでくる。
「ま、まあまあお嬢様。まだいくらか当てはありますので、どうかもうしばらく、暖かい目で見守ってあげてください」
「うむ、その通りだ。次こそは必ず、もしもそれがダメならさらにその次か、でなければもう一つ次くらいには、それなりの結果を持ってくるさ。もしも家を畳むなんて事になったら、由緒あるアルスター家の御先祖様に申し訳が立たないからな」
何だか数年前から同じような事を言い続けているような気がするけど、本当に大丈夫なの?
ついでに、由緒あるアルスター家と言う部分にも突っ込まずにはいられなかった。
「前から思ってたけどさ、うちって本当に由緒あるって言うほどの家なの? 何だか今一つ実感が無いのよね」
「お嬢様、なんて事を!」
さすがにこれは言いすぎだと思ったのか、レイモンドが声をあげる。たけどこれが、私にとって我が家に対する正直な気持ちだ。
「だって、うちって元々御先祖様が手柄を立てて貴族の位をもらったんでしょ。だけどその手柄ってのがあれじゃ、どこまで信じていいのか分からないのよね。だって、悪魔祓いだよ」
悪魔祓い。それが、アルスター家がかつて生業としていたとされる仕事だった。
かつてこのハイライト王国には、いやこの世界には悪魔と呼ばれる存在がいて、時に人々に被害を及ぼしていた……らしい。
そして、そんな悪魔を退治する為の専門家が、悪魔祓い。悪魔に対する多数の知識と対抗策を取り揃えた、悪魔と戦うためのプロフェッショナルで、その技を駆使して時に高名な貴族や王国の危機をも救っていった……らしい。
アルスター家は、元々先祖が立てた功績により貴族の位をもらったというのがその成り立ちであると言うのは、既に伝えた通りだが、ではその功績と言うのが、他ならぬ悪魔祓いだった……らしい。
さっきからやたらと『らしい』と付け加えているのは、今ではそんな話、ほとんど誰も信じていないからだ。
近年、悪魔の仕業とされる事件は激減し、たまにそう言われるものがあっても、ほとんどが狂言や勘違いだったってオチがついてくる。今や悪魔と言う存在そのものが、お伽噺に出てくるような架空の存在と思われているし、それと戦った悪魔祓いもまた、架空の噂や物語が混ざりあってできた伝説みたいなものと言うのが世間一般の認識だ。
アルスター家も、悪魔祓いの一族だったのはとうに昔の話。何代か前の先祖が「いつまでもそんな非現実的で時代遅れな事やってられるか」と言って、とっくにその看板を下ろしている。私は悪魔の存在なんて信じていないし、先祖の功績だって半分はホラ話みたいな胡散臭いものと思っていた。
そしてそれは、お父さんも同じだ。
「うむ。実は父さんも、それに関してはあまり信じちゃいない。と言うか、うちの先祖は大ホラ吹きだったんじゃないかと思っている」
親子揃って自らの先祖に対して言いたい放題な私とお父さん。それを見ながら、レイモンド一人が呆れながらため息をついていた。
「お二人とも、そのようなこと、決して他の方の前では公言しないでくださいよ。貴族の家にとって、先祖の残した功績はそれなりのステイタスになるのですから。例えどれだけ胡散臭くても、一応信じてるって体裁を取り繕ってください」
いや、レイモンドも割と好き勝手言ってる気がするけど。我が家における先祖の扱いなんてのは、こんなものだった。
気がつけば、いつの間にか金策の話がそんなどうでもいいような話へと変わっている。するとその時、書斎の扉が勢いよく開かれ、慌てた様子のジェシカがやって来た。
「旦那様、大変です!」
「どうしたジェシカ。夕食の時間にはまだ少し早くないか?」
呑気に話すお父さんだけど、ジェシカはなおも慌てたまま、大きく首を振って話を続けた。
「いえ、夕飯の話をしに来たのではありません。たった今お客様がお見えになられてたのですが、なんでもあのオウマ家の使いの方だと名乗っていて、至急旦那様に取り次ぎたいとの事です」
「なに!?」
オウマ家。それを聞いて、私の頭に一人のクラスメイトの顔が浮かんだ。
それって、エルヴィン=オウマ君の家だよね?
家に帰った私を出迎えてくれたのは、家政婦のジェシカ。私が産まれるずっと前から我が家で働いてくれているベテランで、貧しさ故に次々に使用人が減っていった今でも、最後の家政婦として頑張ってくれていた。
「今日も、学校帰りにバイトの面接に行かれたのですか?」
「ううん。今回はチェックしただけで、これからその傾向と対策を練るところ」
そう言って私は、鞄から一冊のノートを取り出す。その表紙には、大きく『目指せ、バイト合格』と書かれていた。
面接で5回もバイトを落とされたけど、そこで諦める私じゃない。今日も学校が終わってから家に帰るまでの間、バイトを募集しているところを片っ端から探しては、ノートに記録していた。問題は、この中のどこを、どうやって受けるかだ。
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「お嬢様なら、身分や立場に関係なく良い仕事をされると思うのですけどね。私の教えた家事も熱心にやってくれていますし、とても働き者です」
「ありがとうジェシカ」
ベテラン社会人であるジェシカにそう言って貰えると心強い。
「とりあえず、まずはお着替えをすませてください。今日は旦那様もいますし、久しぶりにみなさん揃って晩御飯になりますよ」
「えっ、お父さん帰ってきてるの?」
最近のお父さんは、毎日金策に駆け回っていて、家にいることが極端に少ない。数日留守にするのも珍しく無く、今回も三日前からずっと家を空けていた。
それが帰ってきたとなると、もしかしたらいい話でもあったのかも。そんな淡い期待をしながら、急いで着替えを済ませお父さんのいる書斎へと向かう。
「ただいま。お父さん、金策の当てはできたの?」
真っ先にそう訪ねると、苦笑混じりの言葉が返ってきた。
「お帰りシアン。三日ぶりに会った第一声がそれかい」
「だって大事な事じゃない」
「そういうところはポーラにますますに似てきたな」
お父さんはそう言うけど、そのためにわざわざ三日もうちを開けたんだから、少しは成果を期待してしまう。因みにポーラと言うのは、四年前に亡くなった私のお母さんだ。
それから、お父さんの隣に立つ、執事のレイモンドにも顔を向けた。
私とお父さん、それにジェシカとレイモンド。これが、現在アルスター家のフルメンバー。貴族の家とその使用人にしてはあまりに少ない数だけど、これ以上人を増やす余裕なんて無い。だからこそ、お父さんも金策に頑張ってるんだ。
「レイモンドもお疲れ様。で、どうだったの?」
「金策の件ですが、何と申しますやら。良いお話があるにはあったのですが、それがまた……」
「待てレイモンド。そこから先は私が話そう」
口ごもるレイモンドを見て、お父さんがその後を引き継いだ。確か今回は、地方で成功している商人のところに行ってたはずだ。
「それはもうビックリするくらいの厚待遇を受けてな。滞在中の宿泊費や食事代は全てあちらが払ってくれて、おまけにオペラの公演にまでつれていってもらった。私はオペラの事はちっとも分からんが、多分よかったと思うぞ。なんかこう、とてもいい声で歌ってた」
「うん、それはよかったね。で、肝心の金策はどうなったの」
「…………お前な、もう少しゆっくり聞いてもいいじゃないか」
得意気に話すお父さんだけど、いくら滞在中にいい思いをしようと、一番大事なのは資金の話だ。それを聞くまで、決して安心はできない。
「まあとにかく、そんなわけで実に楽しい三日間だったわけだが、最後に先方がこう言ったんだ。自分はこれから新しい事業を始めるので、それに投資してくれる人を探していると」
…………ん? 気のせいかな。なんだか雲行きが怪しくなってきたような気がする。
「もし投資してくれるのなら、一年後には倍になって返ってくる。まだ他の誰にも言っていない、確実に儲かる話だとな」
「ちょっ、ちょっと待って。まさかとは思うけど、その話にのったりしてないよね?」
この流れ、詐欺の予感がプンプンしてくるんだけど。
だけどお父さんは、心配する私を見ながら笑って言った。
「当たり前だろ。これが詐欺だってことくらい、話を聞いてすぐにピンときたさ」
よかった。どう考えても怪しさしかないこの話を見破ったところで、わざわざ胸を張るほどの事かとは思うけど、騙されるよりはずっといい。
実を言うと、既にお金を渡した、なんて最悪の事態も想像していたんだけど、こんな風に不安になるのには、それなりの根拠がある。
「父さんだって、ちゃんと過去の失敗から学んでるんだ。ダテに三回も騙されちゃいないさ」
これだ。それ、全然威張れることじゃないからね。
元々そう豊かでは無かった我が家だけど、今の貧困生活が決定的になったのも、元を辿ればお父さんが三回も詐欺被害にあったのが原因だ。絶対儲かるなんて甘い言葉に誘われて、いずれも大金をドブに捨ててしまっていた。
今回騙されなかったのはよかったけど、今までに三回も騙されてるって時点で相当なものだからね。
なのに本人はこの未だ調子。決して悪い人ではないけれど、一家の頭首としてはいささか以上に頼りないのではないかと思ってしまう。
「で、それじゃ結局、金策には失敗したってわけ?」
「えっ? ま、まあそう言うことになるかもしれないが、損はなかったわけだし、三日間飲み食いできたし、結果的によかったじゃないか」
「よくありません。そこを何とかしないと、うちは延々貧しくなっていく一方です」
「それはまあ…………そうなんだよな」
現実を突きつけられ、さっきまでの得意気な様子が嘘のように落ち込むお父さん。すると見かねたレイモンドが、助けるように口を挟んでくる。
「ま、まあまあお嬢様。まだいくらか当てはありますので、どうかもうしばらく、暖かい目で見守ってあげてください」
「うむ、その通りだ。次こそは必ず、もしもそれがダメならさらにその次か、でなければもう一つ次くらいには、それなりの結果を持ってくるさ。もしも家を畳むなんて事になったら、由緒あるアルスター家の御先祖様に申し訳が立たないからな」
何だか数年前から同じような事を言い続けているような気がするけど、本当に大丈夫なの?
ついでに、由緒あるアルスター家と言う部分にも突っ込まずにはいられなかった。
「前から思ってたけどさ、うちって本当に由緒あるって言うほどの家なの? 何だか今一つ実感が無いのよね」
「お嬢様、なんて事を!」
さすがにこれは言いすぎだと思ったのか、レイモンドが声をあげる。たけどこれが、私にとって我が家に対する正直な気持ちだ。
「だって、うちって元々御先祖様が手柄を立てて貴族の位をもらったんでしょ。だけどその手柄ってのがあれじゃ、どこまで信じていいのか分からないのよね。だって、悪魔祓いだよ」
悪魔祓い。それが、アルスター家がかつて生業としていたとされる仕事だった。
かつてこのハイライト王国には、いやこの世界には悪魔と呼ばれる存在がいて、時に人々に被害を及ぼしていた……らしい。
そして、そんな悪魔を退治する為の専門家が、悪魔祓い。悪魔に対する多数の知識と対抗策を取り揃えた、悪魔と戦うためのプロフェッショナルで、その技を駆使して時に高名な貴族や王国の危機をも救っていった……らしい。
アルスター家は、元々先祖が立てた功績により貴族の位をもらったというのがその成り立ちであると言うのは、既に伝えた通りだが、ではその功績と言うのが、他ならぬ悪魔祓いだった……らしい。
さっきからやたらと『らしい』と付け加えているのは、今ではそんな話、ほとんど誰も信じていないからだ。
近年、悪魔の仕業とされる事件は激減し、たまにそう言われるものがあっても、ほとんどが狂言や勘違いだったってオチがついてくる。今や悪魔と言う存在そのものが、お伽噺に出てくるような架空の存在と思われているし、それと戦った悪魔祓いもまた、架空の噂や物語が混ざりあってできた伝説みたいなものと言うのが世間一般の認識だ。
アルスター家も、悪魔祓いの一族だったのはとうに昔の話。何代か前の先祖が「いつまでもそんな非現実的で時代遅れな事やってられるか」と言って、とっくにその看板を下ろしている。私は悪魔の存在なんて信じていないし、先祖の功績だって半分はホラ話みたいな胡散臭いものと思っていた。
そしてそれは、お父さんも同じだ。
「うむ。実は父さんも、それに関してはあまり信じちゃいない。と言うか、うちの先祖は大ホラ吹きだったんじゃないかと思っている」
親子揃って自らの先祖に対して言いたい放題な私とお父さん。それを見ながら、レイモンド一人が呆れながらため息をついていた。
「お二人とも、そのようなこと、決して他の方の前では公言しないでくださいよ。貴族の家にとって、先祖の残した功績はそれなりのステイタスになるのですから。例えどれだけ胡散臭くても、一応信じてるって体裁を取り繕ってください」
いや、レイモンドも割と好き勝手言ってる気がするけど。我が家における先祖の扱いなんてのは、こんなものだった。
気がつけば、いつの間にか金策の話がそんなどうでもいいような話へと変わっている。するとその時、書斎の扉が勢いよく開かれ、慌てた様子のジェシカがやって来た。
「旦那様、大変です!」
「どうしたジェシカ。夕食の時間にはまだ少し早くないか?」
呑気に話すお父さんだけど、ジェシカはなおも慌てたまま、大きく首を振って話を続けた。
「いえ、夕飯の話をしに来たのではありません。たった今お客様がお見えになられてたのですが、なんでもあのオウマ家の使いの方だと名乗っていて、至急旦那様に取り次ぎたいとの事です」
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