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3章 死神が誘う遊園地
夏と夢と信仰と補習 4
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少しだけ涼しくなった15時半頃の駅前であたしは清音と落ち合った。
「普通、止めるよね。一緒に行きたいって言うのだけだと思う」
清音は憂鬱な面持ちで言った。
「あら、友人が助けに来ると期待したの?友人もいないのに?」
清音は項垂れる。ハクが言い過ぎたと軽く頭突く。
何よ、これも断れない人の責任じゃない。自分からでは何も言えないのにこんな時だけ助けて欲しいだなんておこがましい。
「まぁ、いいわ。その人とはどこで待ち合わせているの?」
「すぐそこのファミレス」
清音が指した店にあたしたちは向かう。
30分早く着いたと言うのに勧誘女は既にいた。ファミレスに入った途端、大げさに手を振り、大声であたしたちに存在を示す。
周りを省みない言動に店内の客もスタッフも勧誘女に注目する。
あの中心に行きたくないわね。
清音も同じ気持ちらしく、後退りして逃げようとする。
「行きたくないのはあたしも同じよ。ほら、行くわよ」
あたしは囁いて足を進める。清音の憂鬱な面持ちに諦めが追加されてあたしの後ろをついていく。
「お友達も連れてきたの!」
「友人じゃありません」
「嬉しいわ!」
友人であることを否定したのに、勧誘女は私
あたしの声を流す。
「座って!座って!これメニューよ!奢ってあげるわ!」
勧誘女の向かいに座るとメニューを勧める。
改めて勧誘女と向かい合わせになって、この人とは初対面じゃないと気付く。
この人、あたしを駅の階段で落とした人だわ。
あの日は駅前で近所迷惑な演説をしていたから警察に補導されていた。警官から逃げようとしてあたしを押し倒した。
あれのせいであたしの魂は地獄に落ちるし、病院で3日間も意識を取り戻さなかった。
「清音ちゃんと同じクラスなの?可愛らしい子ね!ハーフ?」
あたしは言葉を失った。
突き落とした人の顔は覚えていないの?
そういえば、この人は謝罪にも来なかったわね。
絶句した頭を切り替えて、できるだけ愛想よく口角を上げる。
「あたし、そちらで配布しているサプリが気になっているんです。快眠効果があるだとか」
「夢園のこと?あれほんとにいいのよ!」
夢園それがサプリの名前らしい。
「私もね!毎日飲んでるんだけどもう!ね!朝の目覚めが全然違うのよ!いい夢だって見れるし!」
「いい夢?」
清音が不安になって聞く。いい夢が見れるなんて、サプリではなく市販では売られてない依存性の高いお薬になる。
「あ!麻薬じゃないのよ!ほんとほんと!」
わかってはいたけれど、とことん胡散臭い人ね。
「今、あります?欲しいんですよ」
あたしの台詞に清音は目を見開く。清音にはヤバイ薬を貰おうとするヤバイ人に見えているはずね。
「あら!ごめんなさいね!持っていないよ!それに夢園は会合でしか配布しちゃいけない決まりなの!あれは会員サービスで貰うものだから!」
「その会合というのは?」
「夢楽土会の仲間が集ってね!先生の話を聞くの!」
「先生?」
「立派な人よ」
急に口調が変わった。無駄に大きな声は鎮まって落ち着いていた。表情は穏やかになって夢見心地になって語る。
「あの人こそが荒れた世界で私たちを導いてくださるの。理不尽なことってたくさんあるでしょう?私たちがどれだけ善行しても悪人が得をしてばかり。先生が言うにはね、その穢れを持った悪人は常世の民によって苗床にされるの。善良な私たちは先生の導きで楽園に辿り着くの」
清音は得体の知れない恐怖に怯える。あたしもそれに近い感情を抱いていた。
先生と呼ぶ人がサプリを配っていて、夢楽土会の会員に夢を見せている。その先生という人物が気になった。
「先生の名前を聞いても?」
「桐 首先生よ」
勧誘女は満面の笑みで答える。そして、
「この後、会合があるの。行ってみる?」
その誘いであたしは快く受け入れた。
「普通、止めるよね。一緒に行きたいって言うのだけだと思う」
清音は憂鬱な面持ちで言った。
「あら、友人が助けに来ると期待したの?友人もいないのに?」
清音は項垂れる。ハクが言い過ぎたと軽く頭突く。
何よ、これも断れない人の責任じゃない。自分からでは何も言えないのにこんな時だけ助けて欲しいだなんておこがましい。
「まぁ、いいわ。その人とはどこで待ち合わせているの?」
「すぐそこのファミレス」
清音が指した店にあたしたちは向かう。
30分早く着いたと言うのに勧誘女は既にいた。ファミレスに入った途端、大げさに手を振り、大声であたしたちに存在を示す。
周りを省みない言動に店内の客もスタッフも勧誘女に注目する。
あの中心に行きたくないわね。
清音も同じ気持ちらしく、後退りして逃げようとする。
「行きたくないのはあたしも同じよ。ほら、行くわよ」
あたしは囁いて足を進める。清音の憂鬱な面持ちに諦めが追加されてあたしの後ろをついていく。
「お友達も連れてきたの!」
「友人じゃありません」
「嬉しいわ!」
友人であることを否定したのに、勧誘女は私
あたしの声を流す。
「座って!座って!これメニューよ!奢ってあげるわ!」
勧誘女の向かいに座るとメニューを勧める。
改めて勧誘女と向かい合わせになって、この人とは初対面じゃないと気付く。
この人、あたしを駅の階段で落とした人だわ。
あの日は駅前で近所迷惑な演説をしていたから警察に補導されていた。警官から逃げようとしてあたしを押し倒した。
あれのせいであたしの魂は地獄に落ちるし、病院で3日間も意識を取り戻さなかった。
「清音ちゃんと同じクラスなの?可愛らしい子ね!ハーフ?」
あたしは言葉を失った。
突き落とした人の顔は覚えていないの?
そういえば、この人は謝罪にも来なかったわね。
絶句した頭を切り替えて、できるだけ愛想よく口角を上げる。
「あたし、そちらで配布しているサプリが気になっているんです。快眠効果があるだとか」
「夢園のこと?あれほんとにいいのよ!」
夢園それがサプリの名前らしい。
「私もね!毎日飲んでるんだけどもう!ね!朝の目覚めが全然違うのよ!いい夢だって見れるし!」
「いい夢?」
清音が不安になって聞く。いい夢が見れるなんて、サプリではなく市販では売られてない依存性の高いお薬になる。
「あ!麻薬じゃないのよ!ほんとほんと!」
わかってはいたけれど、とことん胡散臭い人ね。
「今、あります?欲しいんですよ」
あたしの台詞に清音は目を見開く。清音にはヤバイ薬を貰おうとするヤバイ人に見えているはずね。
「あら!ごめんなさいね!持っていないよ!それに夢園は会合でしか配布しちゃいけない決まりなの!あれは会員サービスで貰うものだから!」
「その会合というのは?」
「夢楽土会の仲間が集ってね!先生の話を聞くの!」
「先生?」
「立派な人よ」
急に口調が変わった。無駄に大きな声は鎮まって落ち着いていた。表情は穏やかになって夢見心地になって語る。
「あの人こそが荒れた世界で私たちを導いてくださるの。理不尽なことってたくさんあるでしょう?私たちがどれだけ善行しても悪人が得をしてばかり。先生が言うにはね、その穢れを持った悪人は常世の民によって苗床にされるの。善良な私たちは先生の導きで楽園に辿り着くの」
清音は得体の知れない恐怖に怯える。あたしもそれに近い感情を抱いていた。
先生と呼ぶ人がサプリを配っていて、夢楽土会の会員に夢を見せている。その先生という人物が気になった。
「先生の名前を聞いても?」
「桐 首先生よ」
勧誘女は満面の笑みで答える。そして、
「この後、会合があるの。行ってみる?」
その誘いであたしは快く受け入れた。
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