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4章 闇底で交わす小指
生命になれなかった子たち 4
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あたしは黙って子供たちを見ていた。
川のせせらぎが冷たく聞こえて、石を積む音が悲しい静寂に響く。
「瑠璃?」
不意に呼ばれて、子供たちから目を逸らすと並んだ地蔵の合間からカンダタが顔を覗かせていた。
「随分と長い休息だったわね」
「迷惑かけた」
「いつものことでしょ」
眠っている間に怪我は治ったみたいで、立ち上がって歩いても支障はなかった。
「病院にいた子とは違うとみたいだ」
「あれでも色々と面倒よ」
苦虫を噛んだような顔にカンダタは失笑する。
「瑠璃も子供には手を焼くみたいだな」
「嫌いなだけよ」
あたしの心中を見透かしていると自信ありげなカンダタに腹を立たてる。なのに、素知らぬの顔であたしの横に並ぶ。
「河原で石を積む子供、か」
ポツリとカンダタが呟く。
それからは河原の子供たちを眺めながら、あたしが得た情報をカンダタに話した。
「清音は天鳥と一緒に行ったみたい。上流の更に上を目指してね」
一通りのことを話し終えるとカンダタは頭に手を置き、長考する。
「この状況を作ったのは蝶男だ」
考えながら喋る。
天鳥がいつ蝶男の手駒になったかは推測するのは後回しね。
それよりも蝶男の目的と清音はなぜ天鳥について行ったのか。それらを考える必要がある。
「蝶男が天鳥を使って清音を脅した。それが妥当よね」
そのぐらいしか清音が大人しくついていく理由が浮かばない。
「もしかしたら守られているのかもな」
それをカンダタが否定する。
「廃病院で襲われたのは瑠璃が生体を持っているからだ。それは清音も同じ」
胚羊水に呑まれる前、天鳥が清音を牢から出した。次に2人を見たのは胚羊水が封印されていた襖の前。あの時、清音は怯えていた。
多分、そこまでは脅されていた。
廃病院の化物たちを目の当たりにしてから保守的な清音は自分を守ってくてる天鳥に縋るようになる。それが脅してきた相手だとしても。
「天鳥が清音を守っているとして、どうするつもりなのかしら?」
「どうするって」
「守ってるのは清音を何かしらに利用するつもり、でしょ?」
恐らく、それが蝶男の目的。
何なのかはわからない。
「行けばわかるだろ」
天鳥と清音は川沿いを歩いて上流に向かった。だとしたら答えはそこにある。
行き先が決まったなら留まる理由もない。河原の子供たちは黙々と石を積み上げる。
「ここにいると気が滅入るわ」
「そうだな」
少しの間、沈黙を置いて返答した。
塔を作って子供たちの手がピタリと止まった。ある方角を見据えている。
1人の子供があたしの手を取る。死人の冷たい手に驚く。
「おにが来るの。はさみで切られる前にかくれよ?」
手を引く力は弱い。なのに、あたしは子供に導かれるままに、地蔵の裏で身を屈める。
「安全じゃなかったの?」
愚痴を零すと隣の子供が人差し指を口に当てる。
地蔵の裏は窮屈で河原の子供たちは身を寄せ合う。余計なものが2人もいるせいで余計に狭そうだった。
地蔵と地蔵の合間から河原の様子を伺う。地蔵と対面しているのは細波をたてる川。
静かな細波が大きな波になって高く上がった。黒い波から巨大な蠍の鬼が砂利の地面に這って出た。
廃病院にいたサイズとは比べものにならない。
あそこにいたのは通路や階段を走り回れるぐらいのものだった。河原から現れたのは高さ5mを超えている。
川のせせらぎが冷たく聞こえて、石を積む音が悲しい静寂に響く。
「瑠璃?」
不意に呼ばれて、子供たちから目を逸らすと並んだ地蔵の合間からカンダタが顔を覗かせていた。
「随分と長い休息だったわね」
「迷惑かけた」
「いつものことでしょ」
眠っている間に怪我は治ったみたいで、立ち上がって歩いても支障はなかった。
「病院にいた子とは違うとみたいだ」
「あれでも色々と面倒よ」
苦虫を噛んだような顔にカンダタは失笑する。
「瑠璃も子供には手を焼くみたいだな」
「嫌いなだけよ」
あたしの心中を見透かしていると自信ありげなカンダタに腹を立たてる。なのに、素知らぬの顔であたしの横に並ぶ。
「河原で石を積む子供、か」
ポツリとカンダタが呟く。
それからは河原の子供たちを眺めながら、あたしが得た情報をカンダタに話した。
「清音は天鳥と一緒に行ったみたい。上流の更に上を目指してね」
一通りのことを話し終えるとカンダタは頭に手を置き、長考する。
「この状況を作ったのは蝶男だ」
考えながら喋る。
天鳥がいつ蝶男の手駒になったかは推測するのは後回しね。
それよりも蝶男の目的と清音はなぜ天鳥について行ったのか。それらを考える必要がある。
「蝶男が天鳥を使って清音を脅した。それが妥当よね」
そのぐらいしか清音が大人しくついていく理由が浮かばない。
「もしかしたら守られているのかもな」
それをカンダタが否定する。
「廃病院で襲われたのは瑠璃が生体を持っているからだ。それは清音も同じ」
胚羊水に呑まれる前、天鳥が清音を牢から出した。次に2人を見たのは胚羊水が封印されていた襖の前。あの時、清音は怯えていた。
多分、そこまでは脅されていた。
廃病院の化物たちを目の当たりにしてから保守的な清音は自分を守ってくてる天鳥に縋るようになる。それが脅してきた相手だとしても。
「天鳥が清音を守っているとして、どうするつもりなのかしら?」
「どうするって」
「守ってるのは清音を何かしらに利用するつもり、でしょ?」
恐らく、それが蝶男の目的。
何なのかはわからない。
「行けばわかるだろ」
天鳥と清音は川沿いを歩いて上流に向かった。だとしたら答えはそこにある。
行き先が決まったなら留まる理由もない。河原の子供たちは黙々と石を積み上げる。
「ここにいると気が滅入るわ」
「そうだな」
少しの間、沈黙を置いて返答した。
塔を作って子供たちの手がピタリと止まった。ある方角を見据えている。
1人の子供があたしの手を取る。死人の冷たい手に驚く。
「おにが来るの。はさみで切られる前にかくれよ?」
手を引く力は弱い。なのに、あたしは子供に導かれるままに、地蔵の裏で身を屈める。
「安全じゃなかったの?」
愚痴を零すと隣の子供が人差し指を口に当てる。
地蔵の裏は窮屈で河原の子供たちは身を寄せ合う。余計なものが2人もいるせいで余計に狭そうだった。
地蔵と地蔵の合間から河原の様子を伺う。地蔵と対面しているのは細波をたてる川。
静かな細波が大きな波になって高く上がった。黒い波から巨大な蠍の鬼が砂利の地面に這って出た。
廃病院にいたサイズとは比べものにならない。
あそこにいたのは通路や階段を走り回れるぐらいのものだった。河原から現れたのは高さ5mを超えている。
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