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5章 恋焦がれ巡る地獄旅行
欲しいもの 8
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初めて物を掴む感触をほどほどに味わい、危なっかしい手つきでカンダタに向けて振り下ろした。
どこに落ちるかわからない素人の剣筋が飛び火すると予感した光弥はいち早くに後方に避ける。光弥でも危険だと判断したというのにカンダタはその選択を自ら削除した。
麻痺はすっかりなくなっていた。立とうと思えば立てる。しかし立とうとしない。
これは罰だ。この斬撃を受けなければならない。
罪悪感のような使命感がカンダタを縛っていた。
思考も視界も暗闇に支配され、新たに出現した使命感にカンダタは従っていた。その中で金髪の頭が揺れた。
気絶していた瑠璃が目を覚ました。
左腕を失った痛みを引きずっているのか皺の寄った顔は苦痛に耐え、立ち上がるのも辛そうであった。
そんな瑠璃が苦痛や辛さなどを無視し、残った右手で手をつき、立とうとする。ほんの少しの振動でも欠損した左腕からくる痺れが動きを鈍らす。
それでも立ち上がり、走る。目覚めた瑠璃には強く望む意志があった。それが苦痛や辛さに耐えられる原動力となっていた。
走る瑠璃は清音の亡骸を跨り、その先にいる赤眼の子へと抱きつくように突進した。
瑠璃が狙っていたのは赤眼の子が持つ白い刀であり、突進した勢いで手放し、持ち主を失った白い刀はからんと乾いた音を鳴らす。
瑠璃と赤眼の子と共に倒れ、その衝撃で瑠璃には痺れるような激痛が全身に広がった。叫んで嘆きたい衝動を歯を食いしばって飲み込む。
再び立ち上がろうと顔を上げた瑠璃は前方にいるカンダタと目が合う。
「立てっ!」
たった一言で使命感の鎖がなくなった。立ち上がれないと嘆いていた脚は瞬時に身体を起こす。
瑠璃が柄を握ると赤眼の子が奪い返そうとスカートを掴み、転ばす。
「鉄夫人が来るぞ!」
一人だけ現場を離れている光弥が頭上に指を差して叫んだ。
瑠璃と清音を追っていた鉄夫人が遅れてやってきた。
ねじり棒になっていた鉄夫人は関節を鳴らし、元の形に戻りながらカンダタたちの前に降り立つ。
カンダタ、瑠璃、赤眼の子、光弥。誰も被り物を身に付けていない。鉄夫人が誰に狙いを定めているのか。
その疑問は浮かんでいたが、結論を出すよりも先に赤眼の子と手を伸ばす。自分へと向かっているカンダタの手に少年は生理的な嫌悪を抱き、スカートを掴んでいた手は父親の手を払うのに使われた。
解放された瑠璃は白い刀を持ち直し、立ち上がる。
カンダタたちの刹那のやり取りの間、鉄夫人は手の平を広げ虫のように群がるカンダタたちへと振り下ろした。
「ハク!お願い!」
瑠璃が叫ぶ。途端、ふわりとカンダタの身体が浮いたかと思えば次の瞬間には見えない何かに投げ飛ばされていた。
床に転がされ、鉄夫人の間合いから離れるもカンダタの頭は赤眼の子だけしか考えていなかった。
自分の子を見遣る。
瑠璃は欠損した腕を庇いながらいち早く鉄夫人から逃れようと走る。
振り下ろされた手の平は獲物を外し、代わりに赤目の子と瑠璃との間の大理石を抉る。
四散する大理石の粉と欠片が赤目の子に飛び火する。細かい粉末が赤い目玉や血のついた頬に貼りつき、言い表しようのない不快感に顔を歪めた。
「見てんだろ蝶男!鬼を寄越せ!」
苛立った赤目の子が虚空に向かって怒鳴る。蝶男は近くにはいない。恐らく、自身の中で巣食う黒蝶を通し、蝶男に訴えたのだろう。
少年の望みを蝶男が叶える。1番深い陰から鬼が1体、生えて現れる。吊り上げ灯、大理石の瓦礫、倒れた柱などの障害物を難なく越え、瑠璃を狙う。
赤眼の子と鬼が求めているのは白い刀であり、瑠璃はそれを死守しようと痛みを堪えながら動く。
カンダタが向かうべきなのは瑠璃であったが、最優先としたのはやはり、赤眼の子だった。抱きしめてやりたかった。
赤目の子の瞳は憎悪の感情しか持っていないかのようだ。
刀を持った時の動作、逃げる感触すらも初々しかった。見た目は16歳の少年だとしても赤子と変わりないのだ。
1つの感情しか知らないのなら別の感情を教えてやりたい。誰よりも先にカンダタが教えたい。
手を祓われ、何度も拒絶されようとも愛しい人の愛しい我が子だ。
名を呼ぼうとして大きく口を開く。しかし、それは息を吸い込んだところで止まった。あの子には呼んでやるべき名前もない。
鉄夫人は赤目の子・瑠璃をまとめて屠りたいのかスカートたくしあげると2人めがけて勢いよく跳ねる。
狙いは外れたものの鉄夫人が落下した床は大きく盛り上がり、崩れた床に瑠璃が跪いた。そこに鬼が馬乗りになろうと覆い被さる。
「欲しいのは刀だけだ!」
赤眼の子が鬼に対して指示を出す。その通りに鬼は目前の肉に齧りつかず白い刀を咥え、その場を離れる。
「待って!」
甲高く叫んだのは瑠璃だった。呆気なく奪われた白い刀に手を伸ばすが、その先を遮るように鉄夫人が2度目の打撃を繰り出す。
瑠璃の姿は鉄夫人に遮られ、カンダタからはその無事を確認しようがなかった。
それよりもカンダタは早く赤目の子と対峙したかった。
話すことがたくさんあるようで、何を話せばいいのかいまだに決めていない。決めていないが、その手をとりたい。
紅柘榴の子が発覚してから2度目の対峙。ちゃんとした出会いをしたい。赤子と父親がする当たり前で、それでいて誰もが心に刻む1つの思い出として、そういった出会いを果たしたい。
今、わかった。
カンダタが望むのは変わっていない。紅柘榴との幸福だ。今でも彼女と共に過ごし、家族が増えて。カンダタにとっては当たり前ではないありきたりな幸福を3人で。
「来るなっ!」
カンダタの望みを赤眼の子が否定する。
「今更なんだよ!無駄なんだよ!今更父親面したってあんたがやってきた事は変わりないんだよ!」
動悸が激しい。汗がたまらない。何か言わなければ、言ってあげなければ。
「喋るな!俺が望むのはそれだけだ!」
カンダタは心臓を抑えるように胸を掴み、言葉にならず、空気を飲み込んだ。
言葉にできない複雑な感情がもどかしい。
何を言っても伝わらないのなら何を言っても無駄だ。喋るなと言う相手に自分の気持ちを伝えようがない。
カンダタと同じ色彩の瞳が憎しみの対象として見つめてくる。まるで、もう1人の自分だ。
頭上で鉄夫人が降ってくる。赤目の子はそれに順応し、後へと下がる。言葉の暴力で精神的な損傷を負ったカンダタは反応に遅れた。
鉄夫人の攻撃を避けることは考えなかった。赤眼の子を追いかけようと走る。
しかし、幾ら手を伸ばそうとしても手は届かない。
カンダタの間近で鉄夫人が落ちた。直撃はしなかったものの盛り上がった瓦礫がカンダタに降り注ぎ、崩れる床と共に沈む。
瓦礫で視界が埋もれていくその合間に赤眼の子がいる。
近くにいるようで遠い。傍に行きたいが、縮まらない距離。
重たい石が次々とのしかかり、視界は黒一色に染まる。
孤独になった暗闇でこれまでの出来事が走馬灯になって脳内に流れていく。
その中で様々な思想が巡る。
瑠璃は無事か。
赤眼の子に許されるには何をすればいいのか。
次々と変わる事象を整理しようにもこの2つが思想を支配した。
しかし、答えが見つからないまま暗闇と静寂の時間は続く。それは永遠と思えるほど長く、そして底知れない混沌に飲み込まれていった。
第5章 恋焦がれ巡る地獄旅行 終
どこに落ちるかわからない素人の剣筋が飛び火すると予感した光弥はいち早くに後方に避ける。光弥でも危険だと判断したというのにカンダタはその選択を自ら削除した。
麻痺はすっかりなくなっていた。立とうと思えば立てる。しかし立とうとしない。
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罪悪感のような使命感がカンダタを縛っていた。
思考も視界も暗闇に支配され、新たに出現した使命感にカンダタは従っていた。その中で金髪の頭が揺れた。
気絶していた瑠璃が目を覚ました。
左腕を失った痛みを引きずっているのか皺の寄った顔は苦痛に耐え、立ち上がるのも辛そうであった。
そんな瑠璃が苦痛や辛さなどを無視し、残った右手で手をつき、立とうとする。ほんの少しの振動でも欠損した左腕からくる痺れが動きを鈍らす。
それでも立ち上がり、走る。目覚めた瑠璃には強く望む意志があった。それが苦痛や辛さに耐えられる原動力となっていた。
走る瑠璃は清音の亡骸を跨り、その先にいる赤眼の子へと抱きつくように突進した。
瑠璃が狙っていたのは赤眼の子が持つ白い刀であり、突進した勢いで手放し、持ち主を失った白い刀はからんと乾いた音を鳴らす。
瑠璃と赤眼の子と共に倒れ、その衝撃で瑠璃には痺れるような激痛が全身に広がった。叫んで嘆きたい衝動を歯を食いしばって飲み込む。
再び立ち上がろうと顔を上げた瑠璃は前方にいるカンダタと目が合う。
「立てっ!」
たった一言で使命感の鎖がなくなった。立ち上がれないと嘆いていた脚は瞬時に身体を起こす。
瑠璃が柄を握ると赤眼の子が奪い返そうとスカートを掴み、転ばす。
「鉄夫人が来るぞ!」
一人だけ現場を離れている光弥が頭上に指を差して叫んだ。
瑠璃と清音を追っていた鉄夫人が遅れてやってきた。
ねじり棒になっていた鉄夫人は関節を鳴らし、元の形に戻りながらカンダタたちの前に降り立つ。
カンダタ、瑠璃、赤眼の子、光弥。誰も被り物を身に付けていない。鉄夫人が誰に狙いを定めているのか。
その疑問は浮かんでいたが、結論を出すよりも先に赤眼の子と手を伸ばす。自分へと向かっているカンダタの手に少年は生理的な嫌悪を抱き、スカートを掴んでいた手は父親の手を払うのに使われた。
解放された瑠璃は白い刀を持ち直し、立ち上がる。
カンダタたちの刹那のやり取りの間、鉄夫人は手の平を広げ虫のように群がるカンダタたちへと振り下ろした。
「ハク!お願い!」
瑠璃が叫ぶ。途端、ふわりとカンダタの身体が浮いたかと思えば次の瞬間には見えない何かに投げ飛ばされていた。
床に転がされ、鉄夫人の間合いから離れるもカンダタの頭は赤眼の子だけしか考えていなかった。
自分の子を見遣る。
瑠璃は欠損した腕を庇いながらいち早く鉄夫人から逃れようと走る。
振り下ろされた手の平は獲物を外し、代わりに赤目の子と瑠璃との間の大理石を抉る。
四散する大理石の粉と欠片が赤目の子に飛び火する。細かい粉末が赤い目玉や血のついた頬に貼りつき、言い表しようのない不快感に顔を歪めた。
「見てんだろ蝶男!鬼を寄越せ!」
苛立った赤目の子が虚空に向かって怒鳴る。蝶男は近くにはいない。恐らく、自身の中で巣食う黒蝶を通し、蝶男に訴えたのだろう。
少年の望みを蝶男が叶える。1番深い陰から鬼が1体、生えて現れる。吊り上げ灯、大理石の瓦礫、倒れた柱などの障害物を難なく越え、瑠璃を狙う。
赤眼の子と鬼が求めているのは白い刀であり、瑠璃はそれを死守しようと痛みを堪えながら動く。
カンダタが向かうべきなのは瑠璃であったが、最優先としたのはやはり、赤眼の子だった。抱きしめてやりたかった。
赤目の子の瞳は憎悪の感情しか持っていないかのようだ。
刀を持った時の動作、逃げる感触すらも初々しかった。見た目は16歳の少年だとしても赤子と変わりないのだ。
1つの感情しか知らないのなら別の感情を教えてやりたい。誰よりも先にカンダタが教えたい。
手を祓われ、何度も拒絶されようとも愛しい人の愛しい我が子だ。
名を呼ぼうとして大きく口を開く。しかし、それは息を吸い込んだところで止まった。あの子には呼んでやるべき名前もない。
鉄夫人は赤目の子・瑠璃をまとめて屠りたいのかスカートたくしあげると2人めがけて勢いよく跳ねる。
狙いは外れたものの鉄夫人が落下した床は大きく盛り上がり、崩れた床に瑠璃が跪いた。そこに鬼が馬乗りになろうと覆い被さる。
「欲しいのは刀だけだ!」
赤眼の子が鬼に対して指示を出す。その通りに鬼は目前の肉に齧りつかず白い刀を咥え、その場を離れる。
「待って!」
甲高く叫んだのは瑠璃だった。呆気なく奪われた白い刀に手を伸ばすが、その先を遮るように鉄夫人が2度目の打撃を繰り出す。
瑠璃の姿は鉄夫人に遮られ、カンダタからはその無事を確認しようがなかった。
それよりもカンダタは早く赤目の子と対峙したかった。
話すことがたくさんあるようで、何を話せばいいのかいまだに決めていない。決めていないが、その手をとりたい。
紅柘榴の子が発覚してから2度目の対峙。ちゃんとした出会いをしたい。赤子と父親がする当たり前で、それでいて誰もが心に刻む1つの思い出として、そういった出会いを果たしたい。
今、わかった。
カンダタが望むのは変わっていない。紅柘榴との幸福だ。今でも彼女と共に過ごし、家族が増えて。カンダタにとっては当たり前ではないありきたりな幸福を3人で。
「来るなっ!」
カンダタの望みを赤眼の子が否定する。
「今更なんだよ!無駄なんだよ!今更父親面したってあんたがやってきた事は変わりないんだよ!」
動悸が激しい。汗がたまらない。何か言わなければ、言ってあげなければ。
「喋るな!俺が望むのはそれだけだ!」
カンダタは心臓を抑えるように胸を掴み、言葉にならず、空気を飲み込んだ。
言葉にできない複雑な感情がもどかしい。
何を言っても伝わらないのなら何を言っても無駄だ。喋るなと言う相手に自分の気持ちを伝えようがない。
カンダタと同じ色彩の瞳が憎しみの対象として見つめてくる。まるで、もう1人の自分だ。
頭上で鉄夫人が降ってくる。赤目の子はそれに順応し、後へと下がる。言葉の暴力で精神的な損傷を負ったカンダタは反応に遅れた。
鉄夫人の攻撃を避けることは考えなかった。赤眼の子を追いかけようと走る。
しかし、幾ら手を伸ばそうとしても手は届かない。
カンダタの間近で鉄夫人が落ちた。直撃はしなかったものの盛り上がった瓦礫がカンダタに降り注ぎ、崩れる床と共に沈む。
瓦礫で視界が埋もれていくその合間に赤眼の子がいる。
近くにいるようで遠い。傍に行きたいが、縮まらない距離。
重たい石が次々とのしかかり、視界は黒一色に染まる。
孤独になった暗闇でこれまでの出来事が走馬灯になって脳内に流れていく。
その中で様々な思想が巡る。
瑠璃は無事か。
赤眼の子に許されるには何をすればいいのか。
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