30 / 92
第2章 天使との出会い
30話 身をもって知った
やや背後注意。致してはいないけど、そういう言葉が出てきます。
+ + + + + + +
ふと目を覚ますと、いつもと触感の違う触り心地のいいサラサラのシーツに包まり、沈み込み過ぎない寝心地のいいベッドに寝ていて、自分の家ではないことに気付く。
ここは何処か確認しようと体を起こそうとしたが、全く力が入らない。
え、嘘、なんで?
しかも、全身が怠くて重い。特に腰や股関節周りが酷い。
昨日何があったっけと考え始めてすぐに色々思い出して、一気に顔が熱くなる。
一人ベッドの上で悶えていると、入口の方から物音がして、誰かが歩いてくる足音が近づいてくる。
心臓が飛び出るほどドキドキとして、体が緊張で強ばっていく。
どうしよう。どんな顔で会えばいいの。
扉のない壁の仕切の切れ間から、想像通りの人物が現れた。
リトは、右手に銀のカバーを被せたトレーを持っていて、左腕で黒い大きな袋のようなものを抱えていた。
私が起きている事に気付くと、すぐに側まで寄ってきて、トレーをサイドテーブルに置くと、ベッドに腰掛けて心配そうにこちらを伺った。
「シエナ、目が覚めたか。体はどうだ?不可抗力とはいえ、昨日はかなり激」
「リトくぅ~ん!!お兄さんはお腹が空いたなぁ~!!?」
黒い袋だと思っていたのはどうやらリトの上着だったようで、その中からいつもの黒猫が飛び出してきて、リトの口を器用に両前足で抑えつけている。
【この、バカ!もう少しお嬢さんの気持ちも考えろ!恥ずかしくて気まずいに決まってるだろう!】
【そういうものか?】
二人でコソコソと魔語で何か話し出したが、私はというとそれどころではない。
ベッドから起き上がれないというだけでも恥ずかしいのに、昨日の情事を思い出させるような発言は、流石に耐えられない。しかも、お兄さんの前で……!
頭から布団を被って、必死に恥ずかしさに耐える。
しかも、その時に自分の体の状態を改めて見てしまった。
何も身に着けていない。裸だ。
え、待って。シーツ一枚しか今身にまとってない状態で、二人の前に居るの!?
恥ずかし過ぎて死にそうなんですけど!?
羞恥心に見悶えて震えていると、シーツ越しに大きな手がゆっくり頭を撫でてきた。
「シエナ、すまない。配慮が足らなかった。そのままでいいから、少し聞いてくれるか?」
そう言って、昨夜起きたことの説明をしてくれた。
リトが言うには、私を襲ってきたのは淫魔という悪魔の種族で、彼らの血には催淫効果があり、特に人間はその匂いを嗅ぐだけで強制的に発情させられるそうだ。
私が嗅いだあの甘い匂いの正体が血で、至近距離から強い香りを嗅がされたため、あんなに、その、乱れたらしい。
そして、淫魔の血による発情は悪魔の精液でしか治めることができず、体内に取り込むのが一番なのだとか。
ということで、簡単に言うと中出しされたらしい。
え、じゃあ……
昨夜は、覚えてるだけでも3回は出されたような……
「だが、安心してくれ。子種は含ませてないから、妊娠はしていない」
不安になっていると、悪魔の生殖に関しても説明してくれた。
なんでも、悪魔は精子を自分の意志で出せるのだそうだ。
だから、避妊していなくても、精子さえ出さなければ妊娠はしないのだとか。その代わり精子を出した場合、着床率は百パーセントで絶対妊娠するらしい。
発情を治めるだけなら、精漿でも十分効果があるのだが、精子を含まない分大量に取り込む必要があり、しかも私は強く発情していたため、何度も中に出す他なかったとリトは言った。
なんとも言えない感情でリトの話を黙って最後まで聞いていた。
恥ずかしすぎて正直暫く顔を合わせたくないくらいなのだが、でも治療してくれたと考えれば納得できる。……気がする。
そう、昨日のは治療だ。治療。うん。
その割にはずいぶんとねちっこかったし…、激しかったけど……
治療するためにはリトもその気にならないといけなかっただろうし、うん。
治療のためだけ。他意はない……はず……
治療だと思い込むことにして、そろっとシーツから目だけを出してみる。
すると、思ってた以上に優しい目でこちらを見ているリトと目が合う。
何か聞きたい事はあるかと聞きながら、温かい大きな手で頭を撫でられる。
ああ、この手で撫でられる感触、落ち着くなぁ……
昨夜もそうだった。激しく求めてくるのに、優しくて甘い。
名前を呼ばれるたびに、幸せな気持ちになった。
そんなことを思い出して恥ずかしくなってきていたところ、頭上からお兄さんの声が聞こえてきた。
「お嬢さんさ、もしかして昨日の事、はっきりと覚えてるのかい?」
目線を上に上げると、丸々とした黒猫が、真剣な顔をしてこちらを見下ろして座っていた。
いつもリトを揶揄って遊んでいる楽しそうな顔しか見たことが無いので、今の内容が大切な事なのだと理解する。
口に出すのは恥ずかしいので、頷くと、「そうか」と言って、暫く考え込んでしまった。
リトの方を見ると、彼も手を口元に当てて考え込んでいるようだった。
今の返事がそんなに重要なことなのだろうか。
+ + + + + + +
ふと目を覚ますと、いつもと触感の違う触り心地のいいサラサラのシーツに包まり、沈み込み過ぎない寝心地のいいベッドに寝ていて、自分の家ではないことに気付く。
ここは何処か確認しようと体を起こそうとしたが、全く力が入らない。
え、嘘、なんで?
しかも、全身が怠くて重い。特に腰や股関節周りが酷い。
昨日何があったっけと考え始めてすぐに色々思い出して、一気に顔が熱くなる。
一人ベッドの上で悶えていると、入口の方から物音がして、誰かが歩いてくる足音が近づいてくる。
心臓が飛び出るほどドキドキとして、体が緊張で強ばっていく。
どうしよう。どんな顔で会えばいいの。
扉のない壁の仕切の切れ間から、想像通りの人物が現れた。
リトは、右手に銀のカバーを被せたトレーを持っていて、左腕で黒い大きな袋のようなものを抱えていた。
私が起きている事に気付くと、すぐに側まで寄ってきて、トレーをサイドテーブルに置くと、ベッドに腰掛けて心配そうにこちらを伺った。
「シエナ、目が覚めたか。体はどうだ?不可抗力とはいえ、昨日はかなり激」
「リトくぅ~ん!!お兄さんはお腹が空いたなぁ~!!?」
黒い袋だと思っていたのはどうやらリトの上着だったようで、その中からいつもの黒猫が飛び出してきて、リトの口を器用に両前足で抑えつけている。
【この、バカ!もう少しお嬢さんの気持ちも考えろ!恥ずかしくて気まずいに決まってるだろう!】
【そういうものか?】
二人でコソコソと魔語で何か話し出したが、私はというとそれどころではない。
ベッドから起き上がれないというだけでも恥ずかしいのに、昨日の情事を思い出させるような発言は、流石に耐えられない。しかも、お兄さんの前で……!
頭から布団を被って、必死に恥ずかしさに耐える。
しかも、その時に自分の体の状態を改めて見てしまった。
何も身に着けていない。裸だ。
え、待って。シーツ一枚しか今身にまとってない状態で、二人の前に居るの!?
恥ずかし過ぎて死にそうなんですけど!?
羞恥心に見悶えて震えていると、シーツ越しに大きな手がゆっくり頭を撫でてきた。
「シエナ、すまない。配慮が足らなかった。そのままでいいから、少し聞いてくれるか?」
そう言って、昨夜起きたことの説明をしてくれた。
リトが言うには、私を襲ってきたのは淫魔という悪魔の種族で、彼らの血には催淫効果があり、特に人間はその匂いを嗅ぐだけで強制的に発情させられるそうだ。
私が嗅いだあの甘い匂いの正体が血で、至近距離から強い香りを嗅がされたため、あんなに、その、乱れたらしい。
そして、淫魔の血による発情は悪魔の精液でしか治めることができず、体内に取り込むのが一番なのだとか。
ということで、簡単に言うと中出しされたらしい。
え、じゃあ……
昨夜は、覚えてるだけでも3回は出されたような……
「だが、安心してくれ。子種は含ませてないから、妊娠はしていない」
不安になっていると、悪魔の生殖に関しても説明してくれた。
なんでも、悪魔は精子を自分の意志で出せるのだそうだ。
だから、避妊していなくても、精子さえ出さなければ妊娠はしないのだとか。その代わり精子を出した場合、着床率は百パーセントで絶対妊娠するらしい。
発情を治めるだけなら、精漿でも十分効果があるのだが、精子を含まない分大量に取り込む必要があり、しかも私は強く発情していたため、何度も中に出す他なかったとリトは言った。
なんとも言えない感情でリトの話を黙って最後まで聞いていた。
恥ずかしすぎて正直暫く顔を合わせたくないくらいなのだが、でも治療してくれたと考えれば納得できる。……気がする。
そう、昨日のは治療だ。治療。うん。
その割にはずいぶんとねちっこかったし…、激しかったけど……
治療するためにはリトもその気にならないといけなかっただろうし、うん。
治療のためだけ。他意はない……はず……
治療だと思い込むことにして、そろっとシーツから目だけを出してみる。
すると、思ってた以上に優しい目でこちらを見ているリトと目が合う。
何か聞きたい事はあるかと聞きながら、温かい大きな手で頭を撫でられる。
ああ、この手で撫でられる感触、落ち着くなぁ……
昨夜もそうだった。激しく求めてくるのに、優しくて甘い。
名前を呼ばれるたびに、幸せな気持ちになった。
そんなことを思い出して恥ずかしくなってきていたところ、頭上からお兄さんの声が聞こえてきた。
「お嬢さんさ、もしかして昨日の事、はっきりと覚えてるのかい?」
目線を上に上げると、丸々とした黒猫が、真剣な顔をしてこちらを見下ろして座っていた。
いつもリトを揶揄って遊んでいる楽しそうな顔しか見たことが無いので、今の内容が大切な事なのだと理解する。
口に出すのは恥ずかしいので、頷くと、「そうか」と言って、暫く考え込んでしまった。
リトの方を見ると、彼も手を口元に当てて考え込んでいるようだった。
今の返事がそんなに重要なことなのだろうか。
あなたにおすすめの小説
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?