10年に一度の異界交流で、天使と悪魔に迫られています

七居

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第3章 いざ、天界へ!

48話 散歩

 思っていた以上に早い時間で打ち合わせと今後の予定を決め終え、エルマーさんたちも誰がどこへ許可を取り、取材へ同行するかをパパッと決めてしまった。
 気遣いもできて、仕事もできるとは、なんと有能なんだ。

 感心していると、夕食を一緒にどうかと誘われた。
 明日以降、別行動となる三人とは殆ど会うことがない。トンゴさんは同じホテルに泊まるので、会うこともあるだろうが、ニエルヴァさんとシャンエルさんとは暫く会えないだろう。
 なので、二人が是非にと言ってくれたのだ。
 断る理由もないので承諾し、約束の時間までそれぞれ休憩することになり、その場は解散となった。



 一旦自分の部屋へ戻り、まだ撮ってなかった部屋の写真をカメラに収めてから、荷ほどきをしていると、リンリンリンと鈴のような音のインターホンが鳴った。
 扉を開けるとリトが立っていて、夕食までの間、近くを散歩でもしないかと誘われた。
 約束の時間まであと2時間ほどあるので、それまでカメラで撮った画像の整理でもしようかと思っていたのだが、散歩も悪くないなと思い、了承した。



 ホテルを出て、とりあえず目の前の大通りらしき道をホテル沿いにぐるっと回ってみることにした。
 この辺りの地図をさっきフロントで貰ったので、それを見ながらぶらぶらと歩く。


「あ、この近くに湖があるみたい。『風のない夜に満月を写した水面を掬い取ると、女神様に謁見できるかも』だって。へぇ~。女神様って本当に存在するのかな?」
「創造神は文献が残っているが、女神は見たことないな。この世界には降りてきたこと無いんじゃないか?」

 小説なんかだと、よく登場する女神様だけど、実際には存在するかどうかも悪魔にも分からないのかぁ。
 エルマーさんに聞いたら教えてくれるかな。

「神様はいるのはいるんだ。人間にとってはそれこそ想像上の存在だからねぇ。いまいちピンと来ない…」
「人間は神を見たことがないからな。しょうがない事だと思うぞ」
「魔界にも悪魔皆が祀っている神様とか居るの?」
「神はいないな。魔王ならいるけど」
「え、魔王っているの!?」

 魔王って、あの魔王!?
 勇者とかヒーローとかの最大の敵で、悪い敵たちの親玉みたいな存在として出てくるあの??


「ああ。……地上界でいう国王みたいなものだから、シエナが想ってるような感じじゃないと思うぞ」
「えぇ~」

 なんだ残念。
 でも、悪魔は天使と違って種族がかなり多いみたいだから、それをまとめる人は必要だよね。
 地上界は君主制じゃないから、王様は物語の中でのイメージしかない。
 それでもなんだか、国王よりも大変そう……
 魔界に行った時にもし謁見できることがあれば、少しだけ同情の目で見てしまいそう……



 そんな感じで、異界の事を色々と聞きながら、ゆっくりと歩く。
 私の歩幅や速度に合わせてくれるリトは、終始穏やかな顔をしていた。




  + + + + + +

<補足>
・魔界の神『魔神』は存在します。リトが知らないだけ。その辺も、魔界取材編で描けたらいいなぁ。
・現在の地上界は合衆国。
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