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第4章 天界取材
75話 いつもと違う
数人の熱狂的エルマーファンを除き、概ね順調に天界魔法技術開発部の取材を終えた時で、既にお昼の三時前だった。
途中でお昼にしようかと言ってくれていたのだが、いい流れに乗っていたし、その時点であと五人という段階だったので、全員取材を終えてからゆっくりすることにしたのだ。
というわけで、一旦ホテルに戻ってリトと合流してから、遅めのお昼ご飯を食べることになった。
というのは建前である。
実は取材の間、エルマーの距離がいつもよりも、さらに近い気がずっとしていて、気が気じゃなかったのだ。
腕や手が何もしてなくても触れるか触れないかくらいの距離でずっと隣に居るし、時々半分抱きしめられてるような体制で屈み込んできては私の手帳を覗いてきたり。
折角の天界魔法の中枢への取材なのだから頑張らなきゃ!と、気合を入れてきたはずなのに、エルマーとの距離の近さが気になって仕方がなくて、なかなか集中が出来なかったのだ。
まるで家族や親しい友人のような距離の近さに、異様にドキドキして集中力が切れてしまっては、胸に手を当てて深呼吸して気持ちを切り替えるという事を、取材中に何十回も繰り返した。
そこへ更に二人っきりで昼食なんて時間を取ってしまったら、もう私の心臓は耐え切れなかっただろうし、その後の取材にも身が入らなかっただろうことは、簡単に想像できる。
という言い訳の元、さっさと取材を終わらせて、この何だか異様に甘くてむず痒くて落ち着かない雰囲気から脱出したかったのだ。
一体今日はどうしたんだろうと思うも、中々聞くタイミングもないままに取材は無事終了し、馬車へ向かって歩いていた時のこと。
エルマーがリトと合流しようと連絡を取ってくれていたのだが、なんと迷子になっているという。
どこに居るのかと聞くと、本人も分からないのだとか。
周りは似たような白い建物だらけで、看板らしき物も見当たらないらしい。
「転移でホテルまで戻ってこれないの?」
「悪魔は、天界では単独での転移魔法が使用禁止になってるんだよ」
エルマーの説明によると、過去に悪魔による天界での窃盗・食い逃げ・人攫いなどの犯罪が多発したため、たとえ短距離であっても、単独での転移魔法の使用が禁止になったそうだ。先日行った動物園内のように、敷地内限定の指定転移ステーションは使えるらしい。
「探索は得意じゃないんだけど」とブツブツ言いながら、探索魔法とやらでリトがどこに居るか探してくれた結果、馬車で三十分ほどでホテルまで戻って来れる場所だったと教えてくれた。
「帰り道を教えたから、もう大丈夫でしょ。ホテルで合流してからちょっと早めの夕食を食べに行こうか」
「そうだね」
私達は一足先にホテルへ戻り、リトが帰ってくるまでの間、ホテルの個室ラウンジでゆっくり待つことにした。
馬車に乗り込むとエルマーは向かい側に座ったので、ホテルに着く頃には取材中ずっと跳ねていた心臓も落ち着いた。
リトが居ない取材だったから、その分も私を防御?保護?するためにいつもよりも距離が近かったのかなと、この時は思っていた。
途中でお昼にしようかと言ってくれていたのだが、いい流れに乗っていたし、その時点であと五人という段階だったので、全員取材を終えてからゆっくりすることにしたのだ。
というわけで、一旦ホテルに戻ってリトと合流してから、遅めのお昼ご飯を食べることになった。
というのは建前である。
実は取材の間、エルマーの距離がいつもよりも、さらに近い気がずっとしていて、気が気じゃなかったのだ。
腕や手が何もしてなくても触れるか触れないかくらいの距離でずっと隣に居るし、時々半分抱きしめられてるような体制で屈み込んできては私の手帳を覗いてきたり。
折角の天界魔法の中枢への取材なのだから頑張らなきゃ!と、気合を入れてきたはずなのに、エルマーとの距離の近さが気になって仕方がなくて、なかなか集中が出来なかったのだ。
まるで家族や親しい友人のような距離の近さに、異様にドキドキして集中力が切れてしまっては、胸に手を当てて深呼吸して気持ちを切り替えるという事を、取材中に何十回も繰り返した。
そこへ更に二人っきりで昼食なんて時間を取ってしまったら、もう私の心臓は耐え切れなかっただろうし、その後の取材にも身が入らなかっただろうことは、簡単に想像できる。
という言い訳の元、さっさと取材を終わらせて、この何だか異様に甘くてむず痒くて落ち着かない雰囲気から脱出したかったのだ。
一体今日はどうしたんだろうと思うも、中々聞くタイミングもないままに取材は無事終了し、馬車へ向かって歩いていた時のこと。
エルマーがリトと合流しようと連絡を取ってくれていたのだが、なんと迷子になっているという。
どこに居るのかと聞くと、本人も分からないのだとか。
周りは似たような白い建物だらけで、看板らしき物も見当たらないらしい。
「転移でホテルまで戻ってこれないの?」
「悪魔は、天界では単独での転移魔法が使用禁止になってるんだよ」
エルマーの説明によると、過去に悪魔による天界での窃盗・食い逃げ・人攫いなどの犯罪が多発したため、たとえ短距離であっても、単独での転移魔法の使用が禁止になったそうだ。先日行った動物園内のように、敷地内限定の指定転移ステーションは使えるらしい。
「探索は得意じゃないんだけど」とブツブツ言いながら、探索魔法とやらでリトがどこに居るか探してくれた結果、馬車で三十分ほどでホテルまで戻って来れる場所だったと教えてくれた。
「帰り道を教えたから、もう大丈夫でしょ。ホテルで合流してからちょっと早めの夕食を食べに行こうか」
「そうだね」
私達は一足先にホテルへ戻り、リトが帰ってくるまでの間、ホテルの個室ラウンジでゆっくり待つことにした。
馬車に乗り込むとエルマーは向かい側に座ったので、ホテルに着く頃には取材中ずっと跳ねていた心臓も落ち着いた。
リトが居ない取材だったから、その分も私を防御?保護?するためにいつもよりも距離が近かったのかなと、この時は思っていた。
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