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第4章 天界取材
82話 好きな時間
暫くそのまま熱を冷ましてもらった後、あまり遅くなって勘ぐられるのも嫌なので、「ありがと。先に戻るね」とリトを置いて席へと戻った。
それからは、皆から何か言われたのかエルマーからの甘い口撃もなく、美味しく食事を楽しむことができた。
しっかりとデザートまで堪能し店を出ると、まだ夜の七時過ぎ。
トンゴさんたちは明日も朝早くから取材に出かけるとの事で、そのまま別れてホテルへと戻って行った。
一方私達はというと、腹ごなしに少し散歩してから戻ることになった。
しかし、店から五分も歩かない内に、エルマーに通信魔法が入った。
今日実験を見せてくれた教授からで、久しぶりに食事でもどうかと誘われたらしい。というか、ほぼ強制呼び出しだったようだ。
ものすごく嫌そうな顔で行きたくないとごねながら抵抗を試みたものの、最終的には無視はできなかったようで、渋々教授の元へと向かって行った。
そしてリトと二人になり、どうしようかと相談した結果、ホテルの周りをいつものようにゆっくり散歩することにした。
天界に来てから、リトとはいつからか少しでも時間が出来ると、こうやって二人でホテルの周りをゆっくり散歩するようになった。ホテルの敷地が広大なため、ゆっくり歩くと一時間半ほどかかるのだ。腹ごなしにもちょうどいい距離と時間で、気に入っている散歩コースだ。
そしてこの散歩時間が、実は結構好きな時間だったりする。
今日食べたあれが美味しかったとか、魔法の話、次の休みにどこに行きたいかなど、仕事とは関係無い色んな話を二人でする。時には実際にリトが魔法を見せてくれることもある。
そうすることでリフレッシュできているみたいで、次の日からも仕事を頑張れるのだ。
「やっぱり、リトとこうやってゆっくり散歩するの好きだなぁ」
「そうなのか?」
「うん、ほっとする。一日無事に終わったんだなぁって」
「そうか」
街灯はなく、足元の石畳が所々光っているのと、蛍のような淡い小さな光が時々ふわふわと現れるだけの明かりの中、お互いに顔はよく見えないけれど、何となく笑ったような気がした。
いつもの、あの優しい顔をしてるんだろうな。
「特に今日は色々あったから…」
「……」
暫く何も話すことなく、沈黙が続いた。
ちょうど夕飯の時間帯だからか、周りには誰もおらず、私達二人だけだ。
二人分の足音だけが響く。
お互いに無言でも、不思議と居心地は悪くない。
「……何も聞かないの?」
リトと合流してからの私は、明らかに挙動不審だった。
なのに、なにも聞かないでいてくれる。
「シエナが話したくなった時でいい」
そう言って、立ち止まった私の頭を優しく撫でた。
本当に、優しい悪魔だ。
「ふふっ、リトのそういう所、好きだよ」
周りが暗くて良かったと思った。
なぜかちょっとだけ泣きそうになったのは、内緒にしとこう。
+ + + + +
リトは暗視を発動しているので、最後のシエナの顔もばっちり見えてます。
それからは、皆から何か言われたのかエルマーからの甘い口撃もなく、美味しく食事を楽しむことができた。
しっかりとデザートまで堪能し店を出ると、まだ夜の七時過ぎ。
トンゴさんたちは明日も朝早くから取材に出かけるとの事で、そのまま別れてホテルへと戻って行った。
一方私達はというと、腹ごなしに少し散歩してから戻ることになった。
しかし、店から五分も歩かない内に、エルマーに通信魔法が入った。
今日実験を見せてくれた教授からで、久しぶりに食事でもどうかと誘われたらしい。というか、ほぼ強制呼び出しだったようだ。
ものすごく嫌そうな顔で行きたくないとごねながら抵抗を試みたものの、最終的には無視はできなかったようで、渋々教授の元へと向かって行った。
そしてリトと二人になり、どうしようかと相談した結果、ホテルの周りをいつものようにゆっくり散歩することにした。
天界に来てから、リトとはいつからか少しでも時間が出来ると、こうやって二人でホテルの周りをゆっくり散歩するようになった。ホテルの敷地が広大なため、ゆっくり歩くと一時間半ほどかかるのだ。腹ごなしにもちょうどいい距離と時間で、気に入っている散歩コースだ。
そしてこの散歩時間が、実は結構好きな時間だったりする。
今日食べたあれが美味しかったとか、魔法の話、次の休みにどこに行きたいかなど、仕事とは関係無い色んな話を二人でする。時には実際にリトが魔法を見せてくれることもある。
そうすることでリフレッシュできているみたいで、次の日からも仕事を頑張れるのだ。
「やっぱり、リトとこうやってゆっくり散歩するの好きだなぁ」
「そうなのか?」
「うん、ほっとする。一日無事に終わったんだなぁって」
「そうか」
街灯はなく、足元の石畳が所々光っているのと、蛍のような淡い小さな光が時々ふわふわと現れるだけの明かりの中、お互いに顔はよく見えないけれど、何となく笑ったような気がした。
いつもの、あの優しい顔をしてるんだろうな。
「特に今日は色々あったから…」
「……」
暫く何も話すことなく、沈黙が続いた。
ちょうど夕飯の時間帯だからか、周りには誰もおらず、私達二人だけだ。
二人分の足音だけが響く。
お互いに無言でも、不思議と居心地は悪くない。
「……何も聞かないの?」
リトと合流してからの私は、明らかに挙動不審だった。
なのに、なにも聞かないでいてくれる。
「シエナが話したくなった時でいい」
そう言って、立ち止まった私の頭を優しく撫でた。
本当に、優しい悪魔だ。
「ふふっ、リトのそういう所、好きだよ」
周りが暗くて良かったと思った。
なぜかちょっとだけ泣きそうになったのは、内緒にしとこう。
+ + + + +
リトは暗視を発動しているので、最後のシエナの顔もばっちり見えてます。
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